コラム「創造の4段階」(2018年5月28日)

「創造の4段階」

■創造の4段階説
イギリスの政治学者グレアム・ウォーラスの1926年の著作「The Art of Thought」に次の「創造の4段階説」があります。

参照:The Art of Thought: Graham Wallas on the Four Stages of Creativity, 1926″(Brain Pickings)

第一段階は「準備」で、論理的思考または創造性が必要となる問題に奮闘している期間を指します。問題をあらゆる角度から調べ上げ、考え尽くした状態です。

第二段階は「孵化」で、意図的に問題解決を考えるのはやめ、別のことをしたり、休息や睡眠等で何もしない状況をつくります。ウォーラスはこの休息期間に知性が密かに何らかの行動を起こしていると考え、その活動が大変重要だと確信しました。彼は次のように推測しました。「知的活動の処理の一環として、既存の情報に新しい情報の関連づけが行われている。どうやら自ら意識しないところで、情報の再編のようなことが起きているらしい」。

第三段階は「啓示」で、ある日突然にひらめきが訪れ、問題解決の糸口や解決案が現れるというものです。誰もが学生時代に体験するように、どんなに机上で考え尽くしても解が見つからなかったのに、ある日ふと解がわかり、困難な計算問題や定義の理解、課題解決のアイデア、作詞作曲、詩の創作などが思い浮かぶという現象です。

第四段階は「検証」で、ひらめいた考えが本当に問題を解決できるかどうかを確かめます。

これらの段階において、重要なのが第二段階の「孵化」です。特に睡眠は、眠っている間に起きているときには考え付かないような情報同士を結び付け、突然何かがひらめくといったアハ体験を導きます。
睡眠とひらめきに関して、ドイツのリューベック大学のWagner博士らが行った実験(2004年)があります。予め教えられた規則に従って数列の計算をする、という問題を解くというものです。その規則に従えば問題をひとつ解くのに約10秒かかり、それとは別の簡単な解き方を使うと2秒くらいで解けます(参加者の誰もが、この解き方を知らない)。そして、被験者を以下の3つのグループに分けて実験を行いました。

どのグループも「問題を見た」時点でほとんどの参加者が簡単な解き方についてわからない状況でした。しかし、結果は1番目と3番目のグループが必死になって考えたのに対し、2番目のしっかり睡眠をとったグループが最も正解率が60%と高かったのです(他の2つのグループは正解率20%台)。睡眠については、最初の4時間の深い眠りの中で創造性や問題解決能力が高まるといわれています。

■学力と睡眠時間の関係
平成15年に広島県が行った学力調査の結果が以下の表です。

小学五年生で、国語、算数とも5時間、6時間と睡眠時闘が長くなるにつれて、国語・算数とも正答率がアップし「8時間以上9時間未満」で最も高くなっています。それ以上、睡眠時間が増えても成績は下がる傾向にあります。また滋賀県でも同様の調査(平成20年)があり、小学生では広島県と同じく「8時間以上9時間未満」が最も高く、中学生では「7時間以上8時間未満」が最も高い結果でした。

以上のデータから理想的な睡眠時間は8時間±1時間の範囲内であり、学力と睡眠時間には相関があるといえます。

学力は問題解決力につながります。仕事においては、問題解決力や創造性を発揮するには、睡眠時間や休憩時間をしっかり取り、孵化期を確保することが求められます。結果的に企業に活力をもたらし、製品やサービスの開発、改良・改善に大きく寄与します。そのためにも仕事に行き詰まったら、「一旦止める」「休息を取る」「別の仕事に切り替える」などをして、孵化期を設けてはいかかでしょうか。

コラム「インターリーブ学習を取り入れる」(2018年5月18日)

考える教育研修(4)「インターリーブ学習を取り入れる」

■その常識は間違い?:効果的な学習法
授業を聞きながらノートをとる。ひとつのテーマを集中して勉強する。一貫して学べる環境に身を置く。これらは「効果的な学習方法」の正反対にあると、UCLAの心理学者ロバート・ビョーク氏はいう。

その代わりにビョーク氏が勧めるのがインターリーブ(interleaving:交互配置、挟み込み)だ。例えばテニスなら、サーブを1時間練習するのではなく、バックハンドやボレー、オーバーヘッド・スマッシュ、フットワークなど幅広い技能を混ぜて練習することだ。1度の集中練習によってサーブの能力を大幅に向上させるのと違い、インターリーブは、多くのスキルをほとんど気づかない程度に向上させる。しかし、やがてこれらの小さな向上が積み重なっていくと、同じ時間をかけてひとつひとつのスキルを順に習得する場合よりも、はるかに大きな成果が得られるという。

効果的なインターリーブには、それぞれのスキルをそれぞれの「位置」につかせる効果があるとビョーク氏は話す。「ある情報を他の事柄と関連付ける形で習得すると、はるかに大きな学習効果がある」。
(ただし、関係のない技能を混ぜることは意味がない。テニスのサーブを練習するときに、シンクロナイズド・スイミング、ヨーロッパの都市、Javaプログラミングを混ぜてもだめだ。)

さらにビョーク氏は、学習を行う場所についても指摘する。学んだ場所と同じ場所でその情報が必要になる場合はそこで学習してもいいだろうが、寮の部屋や事務所や図書館の2階でない場所でも情報にアクセスしたい場合は、学習する場所を変えるほうがいいという。インターリーブや場所を変えるというテクニックは、数学であれフランス語であれ、社交ダンスであれ、何かの技能をマスターしようというときに役立つ。さらに、分散効果(spacing effect)も役に立つ。分散効果は、1885年にドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスが最初に記述した現象だ(長い期間をかけて数回学習したほうが、短期間で繰り返して学習するよりも学習効果が高いという現象)。

学習してから時間を空けてテストをすると、空いた時間が長いほど、多くのことを忘れている。ところが学習してから時間を空け、それから再び学習した場合、空けた時間が長いほど2度目の学習後には多くのことを覚えている、とビョーク氏は説明する。「記憶のなかの何かにアクセスするとき、われわれは、それが記憶の中に存在していることを明らかにする以上のことをしている。単なる再生とは違うのだ。記憶から取り出した情報は、将来、さらに思い出しやすくなる。記憶の取り出しがうまくいけば、その取り出しが困難で厄介であるほど、得られる利益は大きい」

間隔を空けて行われる2度目の学習については、その間隔を、1度目の学習で得た情報をかろうじて思い出せるという状態に保たなければならない。混沌とした記憶の中から情報を取り出す作業が大変であればあるほど、2度目の学習における習得効果は強化されるのだ。2度目の学習があまりに早く行われると、その時の学習は簡単すぎる。

以上のようなことから、ビョーク氏は、授業の最中にノートを取るのではなく、授業の後でノートを取ることを勧める。授業の情報を意識的に思い出すことは、単に黒板を書き写すよりも効果的だからだ。苦労すればするほど学習効果も上がるのだ。
(参照:WIRED|https://wired.jp/2012/02/17/everything-about-learning/

 

■ブロック学習とインターリーブ学習

一般的なやり方である、単元ごとにまとめて学んでいく学習法がブロック学習です。一方、何かを学習する際にあえて関連性のある違う科目を混ぜる学習法をインターリーブ学習といいます。


2007年、南フロリダ大学が行った実験では、10〜11歳の男女24人に対して、「面の数、辺の数、点の数、角度の数」の問題学習を行いました。半数の12人には面の数、辺の数、点の数、角度の数と順番に解くブロック学習で、もう一方の12人には、問題の種類をランダムに混ぜたインターリーブ学習としたのです(双方、問題の数と休憩時間は同条件)。翌日4種類すべて1問ずつ出題するテストを実施したところ、インターリーブ学習のグループの正解率は77%、ブロック学習のグループは38%と、ほぼ2倍の開きとなりました。

■インターリーブ学習を取り入れる

この効果的な学習方法を企業における研修活動に活かしたらどうでしょうか。上記のポイントは2点あります。まず1点目は、研修制度を同じことをひたすら繰り返す学習である「ブロック学習」から、複数の項目、スキル、以前の研修の復習等を混ぜて行う「インターリーブ学習」にすることです。過去の研修を終わったものとせずに、復習を取り入れることでより理解度は増し、記憶は定着します。また個々の項目、スキルなどもその違いがはっきりとわかるようになり、個々の特徴も類型化できます。

また研修テーマがAからEまで5項目あり、全5回としたら、一つずつ終わらせるやり方でなく、5つの研修をランダムに混ぜて、各回にAからEすべてを入れるようにします。人間は同じことを続けていると、飽きがきます。そう考えると、定期的に刺激を取り入れないと、単調なことをずっと続けていては人間の機能は停滞することがわかります。つまり脳は刺激を与えなければマンネリ化するのです。その意味でもインターリーブ学習は理にかなっているといえます。

2点目は研修の最中にノートを取ることを止めさせることです。実際ノートを取ることに集中して、講師の話を聞いていないことはよくあります。どうしてもノートを取りたい場合は質問すべき事項、補足で覚えておきたいこととか、本当に必要最小限のことに絞るのです。そして研修の最後の時間にノートにまとめる時間を与えれば、各自が工夫するようになり、研修内容を理解し自分の言葉にできます。

最後に研修場所も研修室や会議室だけでなく、外部研修にしたり、他の場所へ環境を変えたりすることで、脳の働きが活発になり、研修の成果も上がります。このように学習法や学習場所の工夫だけで、研修成果が顕著に変わるものであれば、「まず、やってみる」ことをおすすめします。

 

 

 

コラム「反転学習を取り入れる」(2018年4月26日)

考える教育研修(3)「反転学習を取り入れる」

■反転学習とは

出典:http://flit.iii.u-tokyo.ac.jp/about/index.html

反転学習とは、受講者が事前に自宅で講義内容を予習し、後日の講義で予習を応用した問題を協働して解いたり、議論したりして、より深い学びを得る授業形態のことです。ある場所に集まって行う学習と講義後の復習の順序を反転していることが「反転学習」と呼ばれています。2000年代後半からアメリカの教育現場で導入が進み、注目されはじめています。
従来の学習形態は、教室や研修室などで実際に集まって講義を行い、自宅で復習することで学習内容の定着を図るものでした。
一方、反転学習は、自宅であらかじめ、eラーニングなどのデジタル教材を利用して学習し、受講者が予習することが求められます。
その後、実際に集まった研修では知識の伝達ではなく、予習内容をもとにディスカッションや参加型の学び合いを行うことでより深く知識が定着することをねらいとしています。

『反転授業』の著者達によると、「授業のビデオを作ることが反転学習定義ではない」と指摘し、「ビデオを1本も本書で示した指導アイデアのすべてを実践している教員もいる」と断っています。
著者達にとって、反転学習のアイデアはまずは「学習者と学習に焦点を置く考え方」であり、「学習の主導権を生徒に渡すこと」でした。特に「後者は多くの教師にとって受け入れるが難しいだろう」と語っています。つまり反転学習の趣旨は学習の主役は生徒や受講者であり、能動的な学習を実践させることにあります。
参照:ジョナサン・バーグマ/アロム ジョナサン・バーグマ/アロムズ著『反転授業』( Your Flip Your Classroom: Reach Every Student in Every Class Every Day)(オデッセイ コミュニケーションズ、 2014年 5月)

■反転学習導入のメリットと課題

反転学習の最大のメリットは、予習で得た知識を用いて、能動的に学習に取り組めることです。講義で初めて情報に触れる従来の学習法では、「講師に何を教えてもらえるのだろう?」という受動的な態度が至極当然です。しかし、反転学習では、自分ですでに予習してきたことを講義の場でどう応用するかが問われます。また、わからない点があれば質問ができるのもメリットです。どんな課題や問題でも同じですが、何がわからないかがわからないと質問もできない状況です。自発的に質問ができることは、理解を深める上で大きな意味があるのです。

予習で基礎的な知識を身につけているので、講義の場ではペアやグループでの議論など協働する時間を十分に確保できることも大きなメリットです。受講者は他人との議論を通して解答を見つけていくプロセスを学ぶことができます。

サンノゼ州立大学はMITのコースを活用した反転授業を同大の工学部のコースで実験的に行いました。その結果、反転を行ったクラスの中間試験の成績が従来の講義形式のクラスに比べて上昇したことが確認され注目を集めました(The Chronicle of Higher Education, 2012)。

反対に課題として、教材、動画コンテンツ作成における企業側の負担が大きいこと、eラーニングやシステムのコスト負担もあります。
また受講者が予習をしてこないと、講義を理解できない、わからないことを多くすべて解決できない、などが上げられます。その意味では、学習意欲の差、取り組みの差がそのまま仕事の質や生産性にも影響を与えるという問題点があります。
しかし、これまでの横並び、詰め込み式の一方的な教育・研修スタイルを改善するのが反転学習であり、上手く長所を生かし、自発的に働き、考える社員の育成を促すことです。結果的に企業の業績向上にも寄与するのです。

コラム「完璧なチームを作る鍵」(2018年4月10日)

Googleの生産性向上プロジェクトが明らかにした
<完璧なチームを作る鍵>

参考:”What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team” The New York Times, FEB. 25, 2016

米グーグルには数百のチームがあり、従業員は複数チームを掛け持ちして働いていますが、チームの生産性には大きな差異があります。
「なぜ、そのような差異が生まれるのだろうか?」
この疑問を解消して完璧なチームを作るために、グーグルでは従業員の働き方の調査・分析を実施。
2012年に着手された生産性向上プロジェクトは、「プロジェクト・アリストテレス(Project Aristotle)」と呼ばれ、同社の「人材分析部(People Analytics Operation)」によって実施されました。
プロジェクト・アリストテレスでは、社内の統計専門家やエンジニアだけでなく、組織心理学や社会学の専門家まで多彩なエキスパートを集めて分析作業に当たらせました。このプロジェクトからわかったことは、何だったのでしょうか?


◆共通のパターンが見つからない!
分析の対象として特に重視したのは、「チームワーク」でした。
社内の様々なチームを観察し、生産性の高いチームとそうでないチームの違いを明らかにしようとしました。

たとえば、
「同じチームに所属するメンバーは、社外でも親しく付き合っているか」
「彼らはどれくらいの頻度で一緒に食事をしているか」
「彼らの学歴に共通性はあるか」
「外向的な社員を集めてチームにするのがいいのか、それとも内向的な社員同士の方がいいのか」
「彼らは同じ趣味を持っているか」など、多岐に渡る観察を行ないました。

しかし、パターン抽出が得意なグーグルであるにも関わらず、この観点での分析では顕著なパターンを見出すことができなかったようです。
友だちのように親しいチームとまともに話すのは社内だけ、というチームの間に生産性の差異が見られず、また、カリスマ的リーダーがいる階層だったチームと人間関係がフラットなチームの間にも、生産性の差異が見られませんでした。

結局、このような「チーム風土の在り方」と「労働生産性」の間には、大きな相関性がないのではないか
――そう考えたグーグルの人員分析部は、次は、チームの「規範(norm)」にこそ生産性のポイントがあるのではないかと考え、そこを洗い出すことにしました。
※規範とは、チーム内で共有する「暗黙のルール」や「行動規準」、あるいは「チーム・カルチャー」のようなものを指します。

しかし、この観点でも、目立った違いは発見されませんでした。
さらに、リーダーやメンバーの優秀さという観点でも調査を行いましたが、そもそも、グーグルではチーム編成が固定化されておらず、同時並行的に複数のチームに所属しており、中には、多くのメンバーが重複するチームが存在していますが、それらのチーム間にさえ生産性の差異が発生することがわかりました。

◆生産性の高いチームの鍵は、【心理的安全性】にあった!

このように、目立ったパターンが見出せず困り果てた人材分析部では、プロジェクトの初期段階で当たっていた集団心理学に関する学術論文などの調査結果を、再度深く当たることにしました。
そして、そこから浮かび上がってきたのは、「他者への心遣いや配慮、共感」といったメンタルな要素の重要性でした。

例えば、チーム内で誰か一人だけが話し、他のメンバーは(話している人に遠慮して)ほとんど黙り込んでいるチームは、良い成果を生み出さない。
逆に、チームメンバー全員が活発に発言するチームは成果を挙げるというパターンが判明しました。
「全員が話す」ことがルール化されているのではなく、あくまでも自然発生的にそうなることが重要とのことです。

「こんなことを言ったら他の人から馬鹿にされないだろうか」
あるいは、「リーダーに目をつけられないだろうか」といった不安を感じないということ、つまり、心理学の専門用語でいうところの「心理的安全性(psychological safety)」と呼ばれ雰囲気が担保されているかどうかが、チームの成果を高めるための鍵であることが明らかになりました。

グーグルのこの分析は、非常に興味深いものです。
というのは、日立製作所が同様の仮説を立て、チーム生産性向上の鍵を「フラットで活発な会話ができる関係性」としているからです。
心理的安全が担保されていないければ、人は、ある種の仮面を被って仕事をするようになります。
本来の自分を隠し、本心からの意見を言わないようにして、表面的な関係を持つようになります。

「発言しても、どうせまともに取り上げてくれないだろう」
「何か言って(やって)責任を負わされるより、言われたことだけをやっているほうが安全だ」
と自己防衛本能が働くのではないでしょうか。

そして、結果的に、そのようなチームではお互いが疑心暗鬼になり、共通の目標・目的達成のために全力を出し切ることは難しくなるでしょう。
安心安全空間を作り、チームの生産性を向上するためには、他者からの批判や攻撃、反論にさらされることなくお互いの本音を話すことができる<対話の場>が必要なのだと思います。

掲載誌・メディア取材

メディア取材

掲載誌

  • 日経WOMAN 日経BP社 2018年5月号
    【別冊付録】「まんが 一冊の手帳で私が変わる!」(藤井 美保代)
  • 納税月報(個人版)納税協会 2018年4月~
    手軽にできる!POPのつくり方講座(森田 圭美)
  • 日経WOMAN【別冊】 「まんがで分かる!仕事が速い女性がやっている時間のルール」 日経BP社 2017年9月29日発行
    『ダンドリの悩み、これで解消』(藤井 美保代)
  • 日経WOMAN【別冊付録】 「まんがで分かる!仕事が速い女性の時間のルール」 日経BP社 2017年7月号
    『ダンドリの悩み これで解消』(藤井 美保代)
  • 納税月報(個人版)納税協会 2017年4月~
    誰でも簡単!エクセル活用術(森田圭美)
  • 日経ビジネス【アソシエ】 日経BP社 2017年3月号~2017年9月
    書き込むだけでOK 悩み別 ミス防止シート(藤井 美保代)
  • 日経WOMAN【別冊】 1日5分でミスをしない!ちょっとしたコツ辞典 日経BP社
    「電話伝言メモ」「指示メモ」「思いやりメモ」のコツ(藤井 美保代)
  • 日経WOMAN 日経BP社 2016年10月号
    「やり忘れ」がなくなる ノート&付箋術(藤井 美保代)
  • 日経ビジネス【アソシエ】 日経BP社 2016年8月号
    基本業務の“ミスゼロ” 実現 “うっかり忘れ” 防止法(藤井 美保代)
  • 百五総合研究所 HRI REPORT 2016年7月号
    事務ミスゼロを実現する仕事術(藤井 美保代)
  • 日経トップリーダー 日経BP社 2016年5月号~11月号
    事務ミス「ゼロ」大作戦!(藤井 美保代)
  • 飛翔 株式会社NCBリサーチ&コンサルティング 2016年4月号~2017年3月号
    女性の活躍に向けて(藤井 美保代)
  • 納税月報(個人版) 納税協会 2016年4月~9月
    時短&伝わる 電子メール作成のコツ(森田 圭美)
  • 日経WOMAN 日経BP社 2016年4月号
    「電話伝言メモ」「指示メモ」「思いやりメモ」のコツ(藤井 美保代)
  • 日経 おとなのOFF 日経BP社 2015年5月号
    京都人に教わる 京都にきたらコレを選べば絶対に外さない(藤井 美保代)
  • 日経 WOMAN 日経BP社 2015年5月号
    「ミスゼロ女子」はノート&手帳でつくられる!(藤井 美保代)
  • 日経WOMAN 日経BP社 2013年2月号
    仕事がサクサク進む! 正しい段取り術(藤井 美保代)
  • 読売新聞 関東版夕刊 2013年5月
    ミスを減らす(藤井 美保代)
  • 納税月報 納税協会 2013年3月~2018年3月
    ちょっと便利なパソコン術(森田 圭美)
  • ナーシングビジネス メディカ出版 2012年12月号
    「三方よしの効率化」でチーム力アップにつながる業務整理に取り組む(藤井 美保代)
  • 日経ビジネス【アソシエ】 日経BP社 2012年11月号
    「事務ミス」をなくす3つの対策(藤井 美保代)
  • マリソル 集英社 2011年12月号
    「忙しい!」をラクにする方法(藤井 美保代)
  • THE21 PHP研究所 2010年11月号
    自然に思い出せる方法で用事や資料を分類する(藤井 美保代)

書籍「仕事で「ミスをしない人」と「ミスをする人」の習慣」藤井 美保代著

忙しくなると、仕事を回しきれなかったり、ミスをする、という人は少なくありません。
その一方で、忙しくても余裕をもちな がら仕事を進め、なおかつミスがない人もいます。
ミスがない人は、どういう思考や行動の習慣を持っているのでしょうか?
仕事を進めるうえで大切な考え方、メモのとり方、コミュニケーションのとり方、段取り、整理のしかたなど、ミス撲滅の工夫なども合わせて紹介しています。

著者:藤井 美保代
出版社:明日香出版社 価格:1,400円(税別)
発売日:平成30年4月9日
[Amazon.co.jpでのご購入はこちら]

コラム「考える教育研修へ」(2018年3月31日)

考える教育研修へ

株式会社ディスコによる「社員研修に関するアンケート調査」(2013年)によると、研修の効果測定は研修の効果測定は 6 割強の企業で実施されていますが、「殆どの研修プログラムに対して実施している」という企業は 16.5%にとどまっています。効果測定の方法を見ると、「受講直後のアンケート調査等による受講者の満足度評価」を行っている企業は 6 割を超えていますが、「学習到達度評価」や「行動変容の評価」といった本来の意味での効果測定を実施している企業は 2 割にとどまり、「業績向上度合の評価」まで行っているのは 14.8%です。研修時の目標設定に関しては、約 75%の企業で実施されています。


なかでも新入社員教育は最もニーズの高い教育研修であり、力を入れています。
教育投資することで、社員の能力がアップし企業業績向上に寄与します。研修プログラムを効果的にすすめるためにも、研修の効果測定を行い、パフォーマンスにつながる行動が身につくようにすることが求められます。

ビジネスにもスポーツにも共通点はあります。高校野球に視点を向けてみると、「目的のある練習」「データと関連した練習」など、ビジネスにも汎用できるものが数多くあることに気づきます。興味深いことは監督や部長などのリーダーシップと指導方法によって全く別のチームに生まれ変わり、甲子園に初出場するまでに至ることです。
地元の京都から今回選抜高校野球大会に初出場した府立乙訓高校野球部の練習のエッセンスからヒントを得て効果的な研修を模索します。

乙訓高校の練習のエッセンスを要約すると、以下の5点になります。
〜参照:「球史発祥 乙訓の挑戦(下)」(朝日新聞デジタル 2018年3月12日)
① 放課後練習は、私立の強豪校より短く、授業時間に応じて2時間半か3時間半限りである。短い練習の「穴」を埋めるのは、実戦を想定した「考える野球」である。
② フリー打撃における「考える野球」は球種や球筋の違う6レーンに分かれ、投手やマシンの球を打つ。壁際にタイマーを置き、1分40秒ごとにレーンを移り密度の高い練習を行う。
③ 素振りにおいてはストライクゾーンを九つに分け、直球と変化球がくる場合を想定して振る。通常の素振りは得意なコースにきた球に当てるつもりで振る。しかし、9コースを想定したことで、苦手な外角の変化球も自信をもって振れるようになる。
④ 体育系の学科やコースがある府立6高校による合同研究発表会があり、今年1月に最優秀に選ばれている。発表内容は、腕の振りが速いほど球速が増すこと。ただ、それだけでは球速が上がらないこともあり、球を放す瞬間に指先に力を入れ、腕を振る力を無駄なく球に伝えることが必要と結論づけた。富山投手はこの研究を始めてから、球に力が伝わっているかを1球ずつ意識するようになった。その結果、「狙ったコースに投げられるようになり、球速も数キロ上がった」と感じている。
⑤ 野球部の染田(そめだ)賢作部長(35)は「練習量では強豪校に勝てなくても、考えることで質の高い練習ができる。論理的な研究をすることで、どう練習すればうまくなるかを考えるようになる」と話す。

①②③は目的を明確にし、実戦に基づくデータを活用したユニット単位の短い練習を設定していること、④⑤は選手が自ら論理的研究を行い、上達するアプローチを見出していることです。

以上の乙訓高校野球部の「考える野球」を「考える教育研修」へと結びつけると、以下のようなアイデアが浮かびます。

・ 仕事の目的とやるべき理由を明確にする
・ 新入社員に自発性をもたせる
・ off-JTでも実務を必ず想定させる
・ 集中力は短いことからユニット単位の短い研修時間を設定する
・ 業務のデータ分析とグループ研究から最適化を図る
・ グループ研究発表会と評価制度をリンクさせる
・ 従来の研修時間を短くして、同じ研修効果を得られるようにするにはどうしたらいいかアイデアを募る

このように「考える教育研修」は社員の能力を引き出す大きな可能性を秘めています。今後数回に亘って「考える教育研修」を試みていきます。

コラム「探し物の浪費への考察(4)」(2018年3月22日)

探し物の浪費への考察(4)

「すぐ探索、検索できる」仕組みをつくることは探し物の浪費をなくすうえでも重要なポイントです。今回はシリーズ最終回として、モノに焦点を当て、現場で即把握できる「見える化」により問題解決を図ります。

(1)所番地管理
モノにおいては、所在地を示す所番地での管理が基本です。アルファベットや数字を利用して誰もがわかる所番地で一元管理します。
オフィス内を碁盤の目で区画化したり、部署毎のスペースで区分します。

(2)置き場No
次に棚やキャビネットなどの置き場に「置き場No」をつけます。「部署名」と「通しNo」の表示、または「アルファベット」+「通しNo」の表示とします。

 

 

 

(3) 棚No.
書庫や文具消耗品の棚などは、それぞれに棚No.を付けます。こうすることによって、「あの棚」「この書庫」といった曖昧な指示代名詞がなくなり、個別の管理ナンバーにより、所在が明確になります。下記の図では書庫扉に貼付した管理プレートの例です。

この書庫には何の書類を保管しているのか、把握でき、探す時間を短縮できます。より工程を短縮するのであれば、扉を撤去し、管理プレートは書庫の上に表示し、直接書庫内がわかるようにすれば、「扉を開ける」「扉を閉める」の2つの工数がなくなり、スピーディーな処理が可能になります。加えて扉があると、整理整頓が遵守されず、書類の紛失にもつながる問題もあり、重要書類は施錠付きキャビネットで、その他のものはオープンキャビネットで管理すると良いでしょう。

(4) 一覧表の見える化

すべてのモノ、書類等を把握できる一覧表ではなく、主要なモノ・書類の所在がわかる一覧表を作成します。オフィスレイアウト図とセットで見える化すると誰もが目的のモノ・書類を探すことができます。

(5) 用途別整頓

文具などは用途別に管理すると、目的のモノが見つけやすくなります。使用頻度が多い順に並べることも重要です。また分類カラーも加えると条件反射により瞬時に分類を把握できます。

 

 

(6)持ち出し品管理

持ち出し品は持ち出し記録簿にて管理します。ダブルブッキングを防ぐために予約はPCでの管理とし、現物を持ち出しする際には記録簿にて二人確認で記帳します。

高価な備品などは鍵付き保管ボックスで管理すると、管理者との同時確認により記帳漏れも防止でき、確実に持ち出し管理ができます。

弊社では「整理整頓セミナー」を実施しています。整理整頓をマスターし、「探すムダ」「仕事が中断するムダ」「時間を浪費するムダ」などを一掃しましょう!
■研修プログラム「整理整頓研修」:https://j-bps.com/project/07/

事務効率化コンサルタントに聞く!【その①】ミスが起こる仕組みを知って、リスクを回避!

事務効率化コンサルタントに聞く! 【その①】ミスが起こる仕組みを知って、リスクを回避!

情報サイト「女性のための求人・転職サイト「とらばーゆ」
U29女子プロジェクト」2018年3月6日

その他の掲載誌はこちら⇒ 掲載誌・メディア取材

コラム「フラットで縦横無尽なコミュニケーションが組織を活性化する」(2018年3月5日)

<AI×ビッグデータで関係性を可視化する>

組織活性化は多くの企業が望んでいることですが、問題が広範囲に及ぶため、何に手を入れるのか具体的な課題を絞り込んで施策を打つ必要があります。
逆説的ではありますが、活性化していない組織では、「社内の風通しが悪い」「情報が滞りスピーディな意志決定の妨げになっている」「割り込み仕事が多くデスクワークに支障をきたす」という課題が表面化しているのではないでしょうか?
これらの課題に、AIとビッグデータを活用して取り組むサービスがあります。

 

 

 

 

 

 

 

「Hitachi AI Technology/組織活性化支援サービス」より転載

◆活き活きした組織では、縦横のコミュニケーションが活発に行われている
日立製作所は、AI×ビッグデータ解析により、組織内のコミュニケーションを可視化するサービスにより、【生産性の高い活き活きした組織】と【元気のない組織】の差異を測定・数値化するサービスを開発しました。
測定の対象となる社員が【名札型ウェアラブルセンサー】を付けて働き、組織内コミュニケーションの量と質、ストレスなどを分析・可視化します。そして、その際の指標は、『組織活性度』というもので、「この組織はみんな楽しそうで、いい雰囲気だな」「このチーム、元気がないな」という体感を数字で表します。具体的には、組織に属する従業員一人ひとりの無意識の身体の動きから、そのとき感じているストレスの平均値を測定し、『組織活性度(ハピネス度)』の数値を算出、ストレスの低い組織は『組織活性度』が高くなり、ストレスが高いと『組織活性度』が低くなるということになります。

◆霞ヶ関の働き方改革にも活用

この図は、内閣人事局における働き方改革のために行われたコミュニケーション活性度実証実験での測定結果で、ネットワーク線が太いほどコミュニケーション量が多いことを示しています。この実証実験の結果、各係でのコミュニケーションの強弱、ハブ役として機能している幹部の動き、役職の高いほうが会話の聞き役となっていること、勤務時間中はデスクワークの時間が約半分を占めていることなどが明らかになりました。

◆フラットで縦横無尽なコミュニケーションが組織を活性化する
この実証を行った内閣人事局に限らず、職場のコミュニケーションが役職の上下間に偏在し、しかも、下から上に対する報・連・相に偏っている傾向は、多くの企業で見られる現象ではないでしょうか。
縦割りの弊害が叫ばれ、フラットな組織が標榜されているにも関わらず、コミュニケーションが停滞し、偏在する状況では、組織活性化、社員の幸福度向上は実現しません。
コミュニケーションの質と量を可視化することで社員の関係性を明らかにし、フラットで縦横無尽なコミュニケーションが行われる施策を打つことは、組織活性化の突破口になるかもしれません。

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