働き方改革〜「オフィスも働き方改革(3)」(コラム2017/08/21)

オフィスも働き方改革(3)

今回は前回に続いて、オフィスの生産性向上の変数としての「集中できる環境」に焦点を当てます。

1.ウェルビーングと作業環境
企業戦略の一貫として位置づけされたウェルビーングは特にそれを増大させるために意図的にデザインされたオフィス環境では明らかに効果を生みます。ウェルビーングとは、「現代的ソーシャルサービスの達成目標として、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」をいいます(中谷茂一 聖学院大学助教授 / 2007年)。

調査結果がこれを証明しています。オハイオ州立大学では、ホワイトカラーのワーカーを2つのグループに分け、2つの全く異なる環境のもとでの人々のストレスレベルを検証しました。まずは低い天井と空調エアコンの音がうるさく古いオフィス、もうひとつは天窓があるオープンレイアウトを採用した、新しく改装されたオフィスです。17ヶ月経った後での調査では古いオフィスに配置された人々の方が働いていなくてもストレスを多く感じていたということです。そして、将来的な心臓疾患につながる可能性を引き出すのに十分な違いをもたらしたことが明らかになりました。
参照:https://www.steelcase.com/asia-ja/research/articles/topics/wellbeing/boosting-workplace-wellbeing/

岡村製作所(2013年)の調査によると、座りたい席に座れた場合では、そうでない場合よりも仕事へのモチベーションが3倍にもなり、そして創造性や効率なども3割向上するのです。
Q.オフィスの中で働く場所を選ぶことは仕事に影響を与えますか?

また「作業環境を変えたい」と考えているワーカーが全体で93%(内向型は92%、外向型は89%)もいます。ワーカーにとって、作業環境は重要なウエートを占めています。
Q.ひとりで作業をしているとき、仕事の内容によって作業環境を変えたいことがありますか?

Q.オフィスにおいてあなたの集中を阻害する要因は?
オフィスにおいて集中を阻害する要因におけるワースト3は、「騒がしい」(84%)、「後ろから見られている」(84%)、「オープンや開かれた環境」(74%)です。これらの阻害要因を解消するには、一日のうちで異なる作業をサポートする多種多様なセッティングを提供することです。オープンとクローズ、「個人」と「交流」の両方のスペースなど、ワーカーが仕事に必要なワークプレイスを選択できれば、ストレスを軽減し、モチベーションを向上させる効果をもたらします。

参照:http://workmill.jp/webzine/20160209_report1.html

2.「集中できる環境」をつくるには
(1)間仕切りの空間
印刷機器販売のデュプロ(東京都豊島区)には「DEN(デン)」と呼ばれるスペースがあります。並んだ机には前と左右の三方に間仕切りが付けられ、1区画ごとがほぼ独立した空間。電話や打ち合わせなどの声が活発に飛び交う社内でこの場所だけは静けさが漂う。デンとは洞穴、書斎、隠れ家といった意味です。2007年にオフィスを移転した際、固有の席を設けず自由に選べる「フリーアドレス制」を導入。普段は会わない営業職と技術職が隣り合って座った結果、新しいアイデアが生まれるなどコミュニケーション活性化の狙いは奏功しましたが、「活気があり会話が多い場所というのは集中作業に向かない」と同社のオフィス改革担当者は説明します。
営業部の男性社員は「顧客への提案書や見積書の作成など、集中して作業したいときにデンを利用する」と言います。半年前までは雑然とした営業所が拠点だったという別の男性社員は「ここには個人の空間がある」と満足そうに話します。

参照:
https://style.nikkei.com/article/DGXBZO19124980Q0A131C1WZ8000?channel=DF130120166128&style=1

(2)可動式の間仕切り
■限られたオフィス空間の中で、集中とコミュニケーションを同時に成立させるためには?
社内は見通し良くありたい。コミュニケーションを重視するのであれば、社内は仕切りのない1フロアにして、社内で起きていることをフロアにいる社員全員が感じられるようにすることが理想です。
他方、社内に設計部門と営業部門など、ワークスタイルの異なる部門がある場合、一方は集中のための静かさが必要となると、集中できる空間づくりも必要になってきます。
限られたオフィス空間の中で、集中とコミュニケーションを同時に成立させるために、どのように間仕切りをしていくかは大きな課題で、社内のオフィスづくり担当者の悩みでもあります。
その課題を、独自の空間デザインで解決したのが株式会社ミダス(築地)。株式会社ミダスは、創業以来5,000件を超えるプロジェクトを成功させてきた老舗の空間デザイン会社です。

■集中とコミュニケーションを同時に成立させる秘密は、社内を横断する可動式の間仕切りにあり

この写真は、可動式間仕切りを中心にして、向かって左側が打ち合わせの会話が多いプロジェクトマネジメント部門、右側が集中を必要とする設計部門、それぞれが同時に収まるように撮影したものです。社内を貫く間仕切りでオフィス空間を大きく2つに分割していることがわかります。

間仕切りは天井のレールに吊り下げることで、軽い力で動かせるように設計されており、女性でも簡単に開け閉めすることができます。集中が必要なエリアは閉めて、そうでないときは開けてと、間仕切りで完全に締め切ることはなく、その時々で開閉して間仕切りを活用していることが多いとのことです。

■単なる間仕切りではない、4層ホワイトボードによる情報ストック、アイデア醸成機能

この間仕切りはホワイトボードになっているので、進行中のプロジェクトのアイデアや案件内容など、チームミーティングのホワイトボードとしても頻繁に利用されています。

間仕切りのホワイトボードは4列のレール上に4層重なっていますが、空間を仕切るためであれば2層でも充分なはずです。その理由は、「情報をストックして、アイデアを醸成するため」とのことです。

ホワイトボードが1枚しかないと、打ち合わせが終わったら消す必要が出てくる。会議でホワイトボードに書いたブレストのメモを次回まで取っておけたら続きが書ける。この4層構造のホワイトボードなら、消さずに残しておける。書いたパネルは残すために移動させて、次の打ち合わせには隣のレールのホワイトボードを持ってくれば済む。書きかけのアイデアは、当初参加していないメンバーも残されたメモを見て、後日アイデア出しに参加できる。空間デザイン会社らしい素晴らしいアイデアです。

■いつものデスクが集中コーナーに変身!デスク上フェルトパーテーションをオーダーメイド

写真のデスク風景は設計部門のデスクをスローシャッターで撮影したもの。設計部門のデスクは、フリーアドレスタイプのデスクを使っています。
(注) 社員の座席は、現在、期間限定にて固定使用を実験中。

写真中央の女性に注目すると、デスク左右をグレーカラーのフェルトパーテーションに囲まれています。このグレーのパーテーションパネルは、机に差し込むだけで取り付けできるフェルト製のオーダーメイドで、吸音と視線をさえぎる機能を持っています。集中して作業したい社員は、自分の両脇にフェルトパーテーションを取り付けることで、そこが集中スペースに変身するのです。

設計部門の仕事上、集中して仕事をすることが多いのですが、チームメンバーとのコミュニケーションは仕事には欠かせません。集中とコミュニケーションのバランスを取るアイデアが、この取り外し可能なフェルトパーテーションなのです。

■フォーラムエリアをセミナー開催から少人数打ち合わせまで使い分けられる秘密は、ロールスクリーン間仕切りにあり

左の写真は、セミナー開催できるフォーラムエリア。普段は少人数の打ち合わせにも使えるよう、ここでもミダスらしい、空間を仕切りつつ、つなげることができる秘密が隠されています。

2枚目の写真はロールスクリーンの間仕切りを下ろして、フォーラムエリアを4分割したものです。天井に複数のロールスクリーンが仕込まれていて、引き出すことで間仕切りとして利用できます。区切るエリアの大きさは、天井に25センチごとに設置されたロールスクリーンのどれを引き出すかを変えることで変更可能になっています。

この仕組みにはもうひとつポイントがあります。仕切った向こう側の人影がわかる程度に少し透けています。スクリーンで仕切った向こう側が少し見えると心理的に安心できるため、完全に遮光せず半透過のものにしています。空間づくりのプロらしい配慮です。

ロールスクリーンで仕切った向こう側を見えなくすることも可能です。隣接するロールスクリーンをもう1枚下ろして2枚にするとかなり向こう側が見えなくなります。また、完全に見えなくほうが良いような、たとえば守秘が必要な会議には、別室の会議室が用意されており、打ち合わせの内容ごとに使い分けがされています。

このように株式会社ミダスのオフィスは、限られた空間を多機能に使うアイデアが随所に施されていて、大いに参考になるものです。

参照:
https://www.shigotoba.net/midas1610_1_shuuchuushitutucomm.html

魂を磨く

昨日から、この5年間お世話になっている
会社のセミナーに、
参加させていただいております。

ノウハウやスキルを伝授するのではなく、
経営者としての「あり方」「考え方」を学ぶ
セミナーです。
このセミナーがこの会社の柱であり、
人財育成の肝、です。

人生は「考え方」次第であり、
出来事には良いも悪いもなく、
捉え方次第であること。
すべて自分が選んで「今」があること。
心を磨いていくこと。

心を磨く、というくだりで、
稲盛氏の言葉を思い起こしました。

『美しい魂にするとは、分かりやすく言えば、
善き思いを心に抱き、善きことを
実行していくことになります。

魂を磨くためには、毎日毎日、
そうありたいと思って自分が謙虚に反省し、
自分自身を変えていく努力を
しなければいけません。

知識として知っていただけでは、
決して魂は磨けません。

美しい思いやりに満ちた
素晴らしい魂にしていこうと思えば、
毎日毎日、自分にそう言い聞かせながら、
「きょうの自分の思い、きょうの自分の行動は、
果たして、善きことに基づいていたか」
と自分自身に問い詰めながら、
自分の思いと行動を毎日のように
修正していかなくてはいけないのでは
ないかと思うのです』。

反省とは高度な技法

先日に引き続き、
田坂広志氏の言葉です。

「経験を積めば、智恵を身につけることができる」。
多くの人が、そう思い込んでいますが、
ただ経験を積んだだけでは、
智恵を身につけることはできません。
日々の仕事を通じて行う「経験」を、
単にそうした出来事もあった、という次元にとどめることなく、
あのとき、大切な智恵を掴むことができたという
「体験」へと高めることが大事です。

そのためには、「反省」をすること。
その「経験」を振り返り、深く「反省」することによって、
言葉にならない「智恵」を掴むこと。
また、「反省」とは、後悔・懺悔といった、
抽象的・情緒的な営みではなく、
具体的・理性的な方法を伴った「高度な技法」です。

例えば、自分の失敗で深刻なトラブルが起こったとき、
「ああ、しまった! 二度とこうした失敗はしたくない!」と考えるのは、
「反省」ではなく、単なる「後悔」。
また、「今回のトラブルは、すべて私に責任があります。
私の未熟さが原因です」と語るのは、「反省」ではなく、単なる「懺悔」。

反省とは、原因を考え、具体的に「何を改善するのか」に対する
具体的なアウトプットをすること。
それなくしては、人は成長しないのです。

反省しているつもりでも、
単なる後悔や懺悔で終わっていること、
いくつもあります・・。
そこで終わるのではなく、
ちゃんと原因を考え、改善策を
具体的にアウトプットしていきます。

企画力

6日間のお盆休みをいただき、
ブログもお休みしていましたが、
おかげさまでリフレッシュできました。

今朝は、新たな企画を考える時間からスタート。
ということで、田坂広志氏の「企画力」を
改めて読み返しました。

「企画力とは立案する能力」ではなく、
「企画力とは人間と組織を動かす力」。

いつもながらの田坂氏の言葉は、
ストンと腹に落ちる感があります。

では、どのようにして人間や組織を動かすのか。
それは「物語を語る」ことによって。

その物語を魅力的に語ることにより、
訊いた人は「面白い!」と感じ、
想像力を掻きたてられ行動する。

企画書の「究極の役割」とは何か?
それは、「縁を結ぶこと」。

一つの企画書を通じて、私たちの語る「企み」に
顧客が興味を持つ。
一つの企画書を通じて、
我々と顧客との縁が結ばれる。

ああ、そんな企画を
言語化したいものです。

天命と使命

先日の瀧本光静氏の講演の中で、
「天命と使命」というくだりがありました。

自分の命をどう使うのかという前に、
「周りは、あなたに何をやってほしいのか」が起点だと
光静さんはおっしゃいます。

「天命」とは、社会や周りが求めていることで、
誰でもできること。
たとえば、お客様にお茶を入れたり、
イベントで駐車場案内係になった時に案内の棒を振る、など、
一見「えっ?私がこれをやるわけ?」なんて、
いいかげんにやってしまいそうなことに、
心を込め、最高に楽しみながら一生懸命やること。

また、道端に空き缶が転がっていたら、
さっと拾い上げてくずかごに捨てること。
ついつい見て見ぬふりをしてしまっています・・。

天命を大切にすると使命に出逢う。

この言葉に納得至極です。
「使命」とは、社会が求めていることで、
あなたにしかできないこと。
天命を大切にすると使命に出逢うのですね。

命はいつ、期限切れになるかわかりません。
あなたの順番が来たよ、と、
いつ、肩をたたかれるのかわかりません。
だからこそ、目の前のことを、コツコツと
しっかりとやっていきたいと思います。

松本流リーダーシップ

先日投稿したカルビー松本会長のお話の続きです。
後半は、「リーダーシップ」について
お話になりました。

冒頭、リーダーとは、
「組織を率いて、継続して精華を出し、
結果に対して責任を取る人」であり、
シップとは「スキルや能力」のこと。
この力こそが、リーダーシップなのだと。
さらにはいろんな切り口から、
リーダーと部下についてお話下さいました。

■部下がついていく上司の3要素

1.圧倒的な実績
2.なるほど、と思わせる理論
3.人徳

ふむふむ納得です。
特に人徳については、一生かけて
磨いて行かねば、と身が引き締まります。

■強いリーダになるために必要な3要素
1.伝える力
2.決める力
3.逃げないこと

特に逃げない、ということは
大事ですね。ついついしんどいこと、
いやなことからは逃げたくなります・・。

■部下は何を求めているのか?
1.人生の豊かさ
2.ワクワクする仕事
3.仕事を通じての成長

人生の豊かさというのは、人によって価値観は
それぞれですが、仕事だけではなく、
”時間的な豊かさ”を求める若手が増えていることを
実感します。

一緒に働いて下さるコーディネーターを募集します!

企業研修やセミナーのコーディネート業務(内勤事務)

給与 18万5千円~22万円+諸費用
賞与 年2回(業績に応じて)
学歴 高卒以上
勤務時間 9時~17時(休憩1時間)
休日
  • 週休2日制(土日祝休)
  • 祝日 GW 夏季 年末年始 慶弔 有給
  • 年休140日/2016年実績
交通アクセス 地下鉄烏丸御池駅徒歩2分
昇給 年1回
諸手当
  • 健康保険、雇用保険、厚生年金保険
  • 通勤手当:交通費規定内支給

※バイク・自転車通勤可、自動車不可

応募条件

  • PCスキル(Word/Excel/PowerPoint)
  • 電話応対&メールスキル(得意先をご担当いただきます)
  • 未経験の仕事にも、積極的に取り組める方

求める人物像

  • 人材育成や女性活躍推進、業務改善などに興味がある方
  • ビジネスマナーやコミュニケーションに関心があり、自らもスキルアップしたい方
  • アットホームな雰囲気のオフィスで、スタッフ同士で助け合いながら働きたい方
  • 指示待ちではなく、自分から積極的に提案したり改善したりできる方

応募

履歴書(写真貼付)をご郵送ください。
書類選考の上、面接日をお知らせいたします。

会社を変革するということ

今日は、京都流議定書に参加しましたが、
基調講演は、カルビー会長兼CEOの松本晃氏。

冒頭「1989年11月9日、“異常な40年”が終わった」
という言葉からスタートしましたが、
この日は日経平均株価ピークの日であり
ほどなく、ベルリンの壁が崩壊し、東西の冷戦終結。
これ以降、かつての高度経済成長の時代は、終焉を迎えたのだから、
私たちは変わらなければ衰退することは必至。
しかし、変革というのはとても難しい。
それは『既得権益を奪うこと』だから。
お金、地位、権力。
これらを奪い取らねば、変革は進まない。
自身の会長室もなければ車も接待交際費も
ほとんどなし。

今日もおひとりで飄々と、
会場を歩いていらっしゃいました!

松本氏が現職に就いたのは2009年。
「悪しき昭和の文化が根付いた組織風土を壊し、
みんなが活躍できる会社にしよう」と誓われました。
しかし、社員の生産性の高い仕事を阻んでいるのは「上司」だと。

必要もない定例会議を増やし、膨大な資料を部下に作らせる。
くだらないことのために部下がクリエイティブな仕事を
する時間を奪っていく。
ということで定例会議はなくし、この7月1日からは完全在宅勤務もオッケー。
しかし、それは単なる甘い職場を作るということではなく、
「成果にコミットする」ことが第一義です。

『働き方改革は、改革そのものが目的ではなく、
人材をどう活用していくか、
イノベーションが起きる環境をどうつくっていくか、
そのための仕組みや制度をどうつくっていくか』。

これがカギです。
そして結果として、お客さまから支持を得、
売上や利益を伸ばしそれを従業員に還元していくこと。

終始引き込まれた素晴らしいお話でした!
まだまだ書ききれませんので、続きは次号で。

夏期休業のお知らせ

平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます。
誠に勝手ながら、弊社では下記期間につきまして夏期休業とさせていただきます。
ご不便をおかけいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
                                    
【休業期間】   8月11日(金)~8月16日(日)