難しい課題は午前中に!

今週はずっと行脚の日々。自宅に戻るのは土曜日です。
しかし、意外と荷物が少ないことにびっくり!

さて、今年のATD基調講演者の一人は、
グリット(やりぬく力)でおなじみのアンジェラ・ダックワース氏でした。

やりぬく力と言えば、「先延ばしとモチベーション」について研究している
ピアーズ・スティール氏は、先延ばしを克服し、やり抜く力を高めるために、
以下の方法を提唱しています。これまたアプローチが面白い。

1.課題を小分けにして小さな達成感を何度も味わい、
  その過程を記録する

2.自分のやる気を鼓舞してくれる仲間や
  自分を勇気づけてくれる物語を持つ

3.寝る前にやり遂げた時の様子を頭の中で詳細に映像化し、
  次に今の自分を映像化して対比する

4.先延ばしの元凶をリストアップして予防策を考えておく
  例えば、メールが元凶であれば、決めた時間以外は見ないようにする

5.ネガティブ表現を止めて意識的にポジティブな表現を使う
  例えば、「メールを見ないようにしようではなく
 「9時と11時と15時にメールを見よう」というように。

6.難しい課題は効率の良い午前中に取り組むなど、
  新しい生活習慣を作る

7.小分けにした課題を達成する都度、
  美味しいコーヒーを淹れるなどご褒美を受け取るよう決めておく

ふむふむ、です。
私の場合は、6の「難しい課題は効率の良い午前中に取り組む」です。
夜はなかなかモチベーションが上がらないし、良いアイデアも出ない。
ということで、今朝も始発で研修会場近くのスタバへ。
7も交えながら、ほぼ完成しました。



歴史に学ぶVUCA時代の戦略

News Picks、今週のupdateは、これがテーマでした。
歴史オタク、もとい。歴史に詳しい方々がゲストで、
敬愛する楠木健氏も常連メンバーです。

「歴史から学ばず何から学ぶんだ?」という楠木氏の言葉からスタートしました
が、確かに本質的なことは歴史から学べること多しです。

さて、不確実性極まりないこの時代に、どんなリーダーから学べるか?
そんな問いに対して、以下の人たちの名前が挙がっていました。

■玄奘・・三蔵法師のこと。天竺にお経を求めて命をかけて旅をした。
「答えのない問い」を求めて真理を追求したという姿勢が、今の時代に
通ずるのではないか。VUCA時代はもはや、答えを探す時代ではない。
手っ取り早く答えを探す生き方をするのではなく、一生わからないかもしれない
ことを追求し続ける姿勢こそが大切。


■松下幸之助・・経営にとって一番大事なことは何か?それは「人間洞察」。
氏の人間洞察力は申すまでもないことだが、松下幸之助という人間を
多角的に見ると、決して聖人君子ではなく、人間のドロドロした側面も
垣間見える。人間とはこういうものだ。と思える。だからこそ、魅力的であり、
リーダーとしても学べること多し。

■孟嘗君・・様々な個性を活かすのがうまかった人。
自分の個性を活かさないと生きてる間隔がしない、というような
この時代において、組織の枠にとらわれずに、この人の個性を組織に活かした
ら、どんな化学反応が起きるのだろう?というのを見極めて配置する力が、
今は非常に大切。あらゆる才能が生きるようになった時代だからこそ、
人を輝かせるリーダーが必要だ。

VUCAを連呼しない人・・VUCAのせいにしないこと。マクロ環境他責にしない
こと。VUCAのせいにして決断できない人はリーダーの資質なし。
ビジネス環境はいつでもVUCA。だからこそ本質を見極めるリーダーが必要。

他にも三国志の劉備や、徳川家康の名前が挙がっていました。
三度!挫折した三国志や、中国歴史小説も読んでみたいものです!




自信過剰トラップ

先日薦めていただいた本、「賢い人がなぜ決断を誤るのか」。
アンコンシャス・バイアスに関する本ですが、とても面白い!
ロジックと事例がわかりやすく、うなずくことしきり。

9つのトラップを展開されていますが、「自信過剰トラップ」一つとっても、
いくつものバイアスがあるのですねえ。
まずは「過大評価」。
→わたしたちは他人と比較して、あるいは絶対的に自分を過大評価する。
例えば車を運転する人の88%が、安全運転に関して、自分はドライバーの
上位50%以内に入っていると思っている。確かに!

次に「計画錯誤」
→プロジェクトの見積りに関して楽観的すぎる。
巨大プロジェクトの86%は遅延し、予算を超過する。プロジェクトの見積り
だけではなく個人的な計画についても楽観的過ぎる。ぎくり!

さらに「過度の正確性」。
→私たちは自らの予測の正確さを信用しすぎる。90%確信しているときでも、
50%は間違っている。

人は、経済学者が考えるような合理的な意思決定モデルには
従わないのでミスを犯す。しかしそのミスはランダムではなく、規則性があり、
予測可能なミス。

とても面白く、読み応えあるページ数ですが、サクサク読み進めていける
本です!






いかに言わないか

加藤アカネ氏の「言いにくいことを言わずに相手を動かす魔法の伝え方」。
先日のclubhouseでお話を伺い、早速本を購入しました。

「普通の人は、正論を言って相手を動かす。
うまい人は、それとなく伝え動かす
超一流は、伝えずに動かし、しかもこちらを好きになってもらう」。

例えば。

・気まずいお願いをするときには、まず相手の理由を聞いて伴走者になる
・反対意見の人には、相手がその結論に至った経緯や理由を聞く。
・自分の意見を押し付けるのではなく、メンバーに問いかけ、引き出す

印象に残ったのは、
「話の長い人には、オチに近づける質問をすること。
 過去に戻してしまう質問は、一層話を長くしてしまうのでNG」。

確かに!

「ゴルフを始めたきっかけは何ですか?」
「これまでで一番良いお店はどこですか?」
「お子さんはいくつになられましたか?」

雑談を盛り上げるにはオッケーですが、
話を切り上げたい時はマイナス。
相手が記憶を思い起こし、さらに語りたくなってしまうから、だそうです!






不便益その2

久しぶりに博多に向かう道中です。
10か月ぶりで楽しみです!

さて、先日投稿した「不便益」について、
clubhouseで、さらに深める機会をいただけました。
「不便は手間だが役に立つ」。
この研究をされている川上先生は、
ガラケーどころか、携帯電話も持っていないのだと・・。

不便さ100%は難しいにしても、
便利と不便をどのように組み合わせるのか?ですね。

・不便だけど自分の身体能力が磨かれることは、敢えて行う
 しんどいだけに感動もひとしお!
 例)ケルン大聖堂の階段を登り切ったとき目に飛び込んだ光景は一生もの
   ロープウェイで5分のところを4時間位歩いて琵琶湖テラスに登る
・バイクに乗るときは地図を頭に入れ、ナビは使わない
・定期的にジープ島に行くこと
・タクシーに乗ることをやめた
・テーマを決めず雑談する場を社内で定期的に開催
・DIY。もともとコストダウンと思って始めたが、副次の効果あり
・1週間に一度本屋を2時間回遊。欲しい本があっても、すぐに買わずに
 次の週まで熟成させる、それでも本当に欲しければ購入

いやあ、面白い!





今こそ”不便益”

不便益を研究されている京都大学の川上浩司氏。

「これまでのように効率化、高機能化だけを追い求めた時、
人間は果たしてハッピーになれるのかというとそうでもない。
手間がかかり頭を使う”不便”なことを取り入れることで、
もっとわれわれの暮らしは豊かになる」とおっしゃいます。

例えば、電子辞書ではなく、あえて紙の辞書を使う。
目的の単語を探しているうちに、それ以外のいろんな単語が
目に入ったり、関連する単語やイディオムなどが一望でき、
新しい気づきや出会いが得られる、という効用もあると。

経営においても通ずるものがあります。
業務や組織には徹底的に効率化すべきところと
そうでない部分があります。
なんでもかんでも効率化すればよい、
ということでもないので、判断のベースに
この不便益、という考え方もあり、ですね!

半期の終わりに

早いもので、9月最終日。上期〆日でもあり、一つの節目です。
BPSを設立したのは、2002年今から19年前です。
右も左もわからない中、チャンスを下さったお客様のおかげで、
少しずつ仕事が広がってきました。

心に沁みるアドバイスとともに、大事な人財育成の仕事を
任せて下さったことへの感謝が尽きることはありません。
こういった原点を忘れず、慢心せずに1つ一つの仕事に
真摯に向き合っていきたい、と強く思います。

コロナ禍において、これまでの組織形態、業務フロー、
マネジメントのありかたを大きく変える企業が増えています。
その背景には、「正解のない時代に突入した」ことが、
影響しているように思います。

これまでのように正解を持っているリーダーが、
指示命令によってチームを統率していくという
中央集権的なスタイルを脱却し、先が見えない中で、
メンバーと連携しながら、自律的・主体的に最適な解を
導きだしていくことが必要になってきました。

不確実で、激動する環境に素早く柔軟に対応しながら、
成果を創出していくやり方が「アジャイル」と表現され、
注目されるようにもなりました。

研修においても大人数の集合型は難しくなり、
一気にオンライン化、ハイブリッド型(集合+オンライン)、
オンデマンドラーニングが浸透しました。

ブレンディッドラーニングという新たな学びのスタイルも確立され、
複数の学び方を組み合わせることで、研修効果が高まる
手ごたえを感じています。

大きな変化の中で、わたしたちも対話を重ねながら、
「自らをエンパワーし、周りの仲間をエンパワーできる力」をつけるべく、
変容に向けての旅を歩み出しました。

“未来に向けて“力強く一歩を踏み出す場づくり支援”に、
これからも力を注いでまいります!

日日是好日

昨日は、夕食にとサバを2度焼きしていたら、
ちょっと目を話したすきに、な、なんとグリルからボーっと炎が立ち上がった!
トレイにたまったサバの油に引火した模様・・。
つい水をかけてしまったが、水蒸気爆発を起こしたら、
火が燃え広がって、えらいことになるところでした。
こういう時は消火器を!でしたが、反射的に水をかけてしまっていた・・。
自宅にはずいぶん前に買った消火器しかないので、早速購入しました。
ケガの功名としよう。

今日は、先日ネットで購入したジャケットが届いた!
おお、これはいい!と、同じサイトを今日見たら、な、なんと。
このジャケットが、購入価格の4分の1になっている!!!
愕然としたが、気を取り直す。

毎日いろんなことがありますが、それも含めて「日日是好日」。
そんな言葉が浮かんできて、本棚から手にとったこのタイトルの本。
大好きな1冊です。

”世の中には、「すぐわかるもの」と、
「すぐわからないもの」の二種類がある。
すぐわかるものは、一度通り過ぎればそれでいい。
けれど、すぐにわからないものは、フェリーニの『道』のように、
何度か行ったり来たりするうちに、後になって少しずつじわじわとわかりだし、
「別もの」に変わっていく。そして、わかるたびに、自分が見ていたのは、
全体の中のほんの断片にすぎなかったとに気づく”。

いやあ、まさに。
茶道もそう。ゴルフもそう。新たな分野の学びもそう。
学びといえばこんな一説も沁みる。

”ものを習うと言うことは、相手の前に、何を知らない「ゼロ」の自分を
開くことなのだ。それなのに私はなんて邪魔なものを持ってここに
いるのだろう。心のどこかで「こんなこと簡単よ」「私はデキるわ」と
斜に構えていた。私はなんて慢心していたんだろう”。

ギクリ・・。
低いところに流れ、方円の器に随う水のようにありたいものです。
自分は何も知らないことに気づいてからが、学びのスタートだなあ、と!

現場での適切な判断力

先月の勉強会で野中郁次郎氏のYouTubeをご案内いただき、
野中氏の世界観にハマる!
「フロネティック・リーダーシップ」。
暗黙知と形式知のスパイラルに基づき、
現場で適切な判断を下すことができる
実践知のこと。

このフロネティック・リーダーシップを
発揮するためには、6つの能力が必要です。

1.善い目的を創る能力
2.場づくりがうまいこと。
→人と人、人とモノ、ヒトと環境との関係性が生まれる場を創ること
3.ありのままの現実を直視する能力
4.その直感の本質をきちんと概念化する能力
5.その概念を実現する政治力
6.上記1から5を組織で共有する能力

野中氏の洞察力、言葉の斬新さ、
着眼点には、いつも目を開かされる思いです。
今では一般的な言葉にさえなった
「暗黙知」という概念を提唱したのもこの方。
レトリック力の凄さにも惹きつけられます!