マンスリーレポート2016年11月号

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50代からのキャリア自立【1】
~キャリアクライシスへの対応~

◆50代社員のキャリアクライシス(危機)

高年齢者雇用安定法の施行により、定年に達した社員の希望者全員に対して、一定年齢までの継続雇用措置をとることが企業に義務づけられました。継続雇用義務を負う年齢は、平成28年現在は62歳ですが、段階的に引き上げられ、平成37年4月1日以降は65歳となります。企業としては高年齢社員が増えることによりマイナスの影響が出ないよう、彼らの処遇や働く意欲を継続させる施策を試行錯誤しているのが現状です。
そのような状況下で多くの企業が導入しているのが「役職定年制度」です。一定年齢に達すると役職を解かれ、スタッフ職としての処遇(報酬、役割)に変わる制度ですが、対象となる社員のモチベーションが下がることが課題となっています。報酬ダウンに加えて役職がなくなり、これまで部下だった後輩が上司になる立場の逆転により、自身の存在価値そのものが下がったと感じてしまうことが要因です。
このようなキャリアの節目では、変化に対する不安から「キャリアクライシス」が起こります。このキャリアクライシスを乗り切るためには、従来の続きとしてキャリアを捉えるのではなく、【生涯キャリア】という視点で自身の考え方や働き方を点検し直し、【自分も周囲も幸福な働き方】を考えることが重要です。

以下は、生涯キャリアの変化を表した図です。
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50代以降は、①②③というターニングポイント(=変化)を矢継ぎ早に経験します。50代社員を活性化する方法として、在職中はもちろん、退職後も含めた今後の働き方・暮らし方を考える機会を提供し、社内外の市場価値(自身の能力・経験に対する需要)を高める自律的な働き方を選択する社員を増やすことをご提案いたします。

マンスリーレポート2016年10月号

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新入社員・若手社員の効果的な育成【4】
~成長のブレークスルーを起こす~

新入社員・若手社員は、ある時期を境に大きく成長を遂げます。これは、それまでの成功・失敗経験を積み重ね、「気づきの量と質」が高まるためです。
みなさまは、成長曲線をご存知でしょうか。
成長曲線は、努力の量と成長が正比例しないことを表しています。(下図参照)
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本人は、「これだけ努力しているにも関わらず思い通りの結果が出ない」ことにストレスを感じ、育成担当者も、「支援の量が成長に反映されない状況」を見てストレスを感じます。
成長曲線は、努力と成長が正比例しない期間を我慢して努力を継続することにより、ブレークスルーが起こることを教えてくれます。

◆成長を加速する<量×質の法則>

成長のブレークスルーポイントが訪れるためにはある程度の時間がかかるとはいうものの、企業の現場では、新入社員や若手社員の成長を加速し、一日も早く戦力化することが求められています。
新入社員に限らず、私たちの成長を加速するものは<経験の量と質(経験の内省による学びと改善)>です。
現状の能力でこなせる業務量を担当しているだけでは、量的経験を質に変換することができません。
まず、自分の能力を超えると思われる量(時間や頻度)の業務に挑戦します。そして、日々振り返りを行い、工夫や効率アップなどの気づきを実践することにより、思考・行動の質が向上します。
その後、さらに、一定以上の量をこなせるようになると、もう一段上の「質を向上する工夫」に気づきます。このように、「量」⇒「質」⇒「量」⇒「質」という階段状のステップを辿り、成長が加速されます。
ただし、量×質の法則を機能させるためには、意図的な学びと改善の仕組みが必要です。
ある企業では、新入社員研修で策定した目標設定を元に毎月末、振り返りを提出させ、フィードバックを返しています。(毎月の気づきと成果、改善内容を記入)仕事量が増えるとミスや失敗が発生しやすくなりますので、要因分析と対策を記入させます。面白いことに、振り返りの文字量が増えると思考・行動の質が高まり、ブレークスルーが起こります。
ここでも、<量×質の法則>が当てはまるのです。

マンスリーレポート2016年9月号

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新入社員・若手社員の効果的な育成【3】
~業務の全体像をイメージできる教え方~

前号のマンスリーレポートで、新入社員が新しい業務を修得する際のステップは【守・破・離】で表すことができ、【守】の段階では、業務の全体像をイメージできるよう体系的に教えることが大切であることをお伝えしました。
「自分に能力がないと感じる」「周囲に貢献している実感がない」というのは、新入社員が入社の半年後に感じる代表的な悩みですが、「貢献実感がない」と感じる理由は、業務全体のどの部分を担っているかわからず、バラバラな業務をこなしており、しかも、うまくいかないことが多いためです。
現場のOJTでは、全体像を体系的に伝えることなく、日々発生する業務を次から次に新入社員に教えることが多いのではないでしょうか。そのことが、上記の悩みを生む一因になっています。

◆全体像の示し方例<シェイピング>

以下は、行動科学の手法である「シェイピング」を使い、営業のプロセス全体像を図示したものです。
多くの企業で、このような業務プロセスおよび各プロセスでパフォーマンスを生み出す行動は暗黙知化しています。熟練した社員でも、プロセスを可視化し、各プロセスでパフォーマンスを高めるための行動を共有することにより多くの気づきが生まれます。
シェイピングを使って全体像を可視化することは、新入社員育成に留まらず、すべての社員のやりがいとパフォーマンス向上に役立ちます。
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マンスリーレポート2016年8月号

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新入社員・若手社員の効果的な育成【2】
~成長段階による育成項目~

新入社員・若手社員への関わり方は、成長段階により変わります。成長段階に応じた関わり方のほうが、成長を促進するためです。
以下は、成長段階別の関わり方を【守・破・離(しゅ・は・り)】で表現した図です。
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「守」の段階では、組織への帰属教育を実施します。この段階では、業務内容や組織全体の動き方が理解できていませんので、自分で工夫させるというよりも、体系的に教えることが中心になります。この時、無計画に教えるのではなく、業務の全体像を示した上で部分的な仕事を教えると、自分の仕事がどのように貢献しているかを感じることができ、モチベーションの維持・向上に役立ちます。
「破」の段階では、自分の判断で進められる業務が増え、自律度・習熟度が上がりますので、任せられることは任せ、アドバイスやコーチングの割合を増やすことが大切です。
そして、「離」の段階では、一部の業務だけでも良いので、権限委譲を行い、挑戦の機会を設定します。

◆「守」の段階で望ましい習慣を身につける

「守」の段階は、組織人として望ましい思考・行動習慣を身につける段階です。脳科学の研究では、私たちの思考・行動の70%程度が習慣化(パターン化)されていると言われており、従来の習慣を変えるのは簡単ではありません。
では、どのようにすれば、望ましい習慣を効果的に身につけることができるのでしょうか。
ある企業では、新入社員とOJT担当者による対話の場を設定し、業務イメージや課題を伝えた上で、新入社員自身に<1年後の目標を達成するために身につけたい習慣>3つを設定させ、実践度チェックと月次の振り返りをさせています。さらに、実践状況および振り返りに対してOJT担当者がフィードバックを行い、成長を加速する仕組みを設けています。
ポイントは、「自分で決める」「OJT担当者が伴走する」「振り返りによる改善を継続する」の3点です。
このことにより、内省しながら望ましい習慣を獲得する行為自体が習慣化します。

マンスリーレポート2016年7月号

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新入社員・若手社員の効果的な育成【1】
~OJTとOff-JTの連動~

人財育成を場面で考えると、OJT(On the Job Training)とOff-JT(Off the Job Training)の2種類があります。OJTは「日常の仕事現場で行われる教育訓練」を指し、Off-JTは「仕事の現場から離れて行う教育訓練(主に集合研修など)」を指します。
OJTとOff-JTは、社員教育の2本柱であり、場面や手法の違いはあっても「社員の能力強化による戦力化」という目的は共通しています。

◆OJTは崩壊している?

本来は重要な意味を持つOJTですが、多くの企業で行われてきたOJTは現場任せになっており、近年、計画的OJTの必要性が指摘されてきました。その背景には、現場任せのOJTが崩壊している現状があります。
要因は、次の3点です。

    1. 指導・育成を担当する社員が多忙なため、育成の時間を確保できない
    2. 仕事がブラックボックス化され「見て覚える」ことが難しい
    3. 新入社員、若手社員のストレス耐性に配慮する育成を求められる

これらの要因により、「最低限の仕事のやり方を教える以外は、育成的な関わりが行われない」ことが【OJTの崩壊】と言われています。

◆早期戦力化のために必要な要件は?

OJTとOff-JTは、本来、相互補完的であるべきです。そのためには、OJTとOff-JTが相互補完的になるよう連動させ、育成を見える化し、目的合理性があるようデザインすることが必要です。
ある企業では、育成担当者(OJTリーダー)研修で、モチベーションマネジメントの考え方やストレス耐性を強化するコミュニケーションスキルを学んだ後、育成計画書を月次で作成し、新入社員あるいは若手社員と対話を行いながら計画書を完成させています。育成計画書には、業務上の習得項目だけでなく、育成対象の1年後の姿(期待要件)や自身の育成方針、月々の支援内容を記入します。さらに、育成をサポートして欲しい項目については、誰に依頼するのかを明記します。その上で、研修後に上司に報告し、関係者に説明するステップを踏みます。
このように、直接の育成担当者だけでなく、育成に関わる全員が育成内容と各自の役割を理解するところまで「見える化」することで、効果的な育成を実現することができます。(下図参照)
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マンスリーレポート2016年6月号

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レジリエンス ~しなやかな対応力を養う【3】

レジリエンスは、変化の激しい時代を生きるビジネスパーソンにとって重要なビジネススキルです。
本レポート4月号、5月号では、レジリエンスが高い人と低い人の特徴およびレジリエンスの高め方についてお伝えしました。本号では、部下のレジリエンスを鍛えるためのマネージャーの接し方を考えます。

◆挑戦するマインドセットを育てる

レジリエンスの特徴と鍛え方をまとめると下図のようになります。
変化に対するしなやかな対応力(=レジリエンス)を鍛えるということは、変化を見極め、挑戦する意欲と能力を養うことと同義です。部下の育成には「褒める」ことが重要と言われますが、「褒められる」こと=外発的動機付け(外部からの刺激による動機付け)ですから、これが常態化すると「褒められるためにやる」というマインドセットになり、自ら進んで行動する内発動機を弱めることになりかねません。
下図の「マネージャーの接し方」に記載したように、レジリエンスの高低により褒め方のポイントがあります。
また、レジリエンスを鍛えるためには、褒めたり叱ったりする以前にマネージャーのマインドセットが重要です。「挑戦するマインドセット」の研究者であるキャロル・S・ドゥエック氏(スタンフォード大学教授)によれば、「人は努力次第で変わったり、成長できる」というしなやかマインドセット(Growth Mindset)を持っているマネージャーと「人の能力は生まれつきで、努力では変わらない」という固定的マインドセット(Fixed Mindset)を持っているマネージャーとでは、部下の能力開発の可能性に差が生まれるとのことです。
レジリエンスを鍛えるためには、本人の努力だけでなく、マネージャーのマインドセットおよび部下の挑戦意欲を育てる接し方も重要なポイントとなります。

◆レジリエンスの特徴と鍛え方

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マンスリーレポート2016年5月号

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レジリエンス ~しなやかな対応力を養う【2】

変化や逆境によるストレスがマイナス要因として作用する人もいれば、しなやかに対応して成長要因に変える人もいます。そのような「しなやかな対応力」がレジリエンスですが、レジリエンスを強化するための第一歩は、変化や逆境の受け止め方を変えること、すなわち、「考え方を変えること」です。しかし、考え方を変えることは容易ではありません。そもそも、年齢や性格に関わらず、考え方をしなやかに変えることは可能でしょうか?また、しなやかな対応力(=レジリエンス)を強化するためには、何をすれば良いのでしょうか?

◆性格は4層構造で形成されており、広義の性格は変えられる

下図は「性格の同心円構造」(宮城音弥氏)と言われるもので、私たちの性格が4層構造で形成されていることを表しています。まず、遺伝や体質と結びついた<気質>があり、次に幼児期の環境に影響されて形成される<気性>があり、その上に社会的・文化的影響から形成される<習慣的性格>、社会的・職業的に形成される<役割的性格>が加わるという構造です。気質と気性は、生涯を通して変わらないと言われていますが、習慣的性格と役割的性格は、本人の意思により変えることができます。

性格の同心円構造

◆レジリエンスを強化する方法

※APA(American Psychological Association)WEBサイトの記事を加工

  1. 親しい人と良好な関係を築く
    相互理解、協力ができる関係を築く。
  2. 「危機=克服できない問題」と捉えない
    「この危機は解決可能である」と信じる。
  3. 変化を受け容れ、具体的な行動を起こす
    自分では変えられないことに固執するのではなく、働きかければ変えられることに集中し、具体的な行動を起こす。
  4. 実現可能な目標を設定し、小さな成果を重ねる
    小さなことをやり遂げることを通じて達成感が得られ、危機を乗り越える自信が育まれる。
  5. 自分を客観視し、自己発見のチャンスとする
    私は危機をどのように受け止めているのか、私が物事を受け止める傾向は何かなど、自身を客観視する。
    達成経験や周囲の人が協力・支援してくれた経験、問題を解決した経験を思い出す。
  6. 長期的な展望と希望に満ちた見解を持つようにして、自分自身をケアする
    心配や不安、恐れをひとまず横に置き、楽しめることに集中することでリラックスできる環境を作る。

レジリエンスを強化するためには、習慣的性格に働きかけることが必要です。
自身の習慣的性格を理解し、自身を客観視する方法としては、アセスメントを受ける、過去の自身の判断を振り返って傾向を分析する、日々の出来事に対する反応をメモして内省することが有効です。

【お知らせ】
このたびHPを一新しました。情報発信型のHPとして、人財育成に関する情報や、わたしたちの活動も随時更新してまいります。お客様への支援事例も充実しておりますので、是非ご覧ください。

掲載誌・メディア取材

掲載誌

  • 日経WOMAN 日経BP社 2018年5月号
    【別冊付録】「まんが 一冊の手帳で私が変わる!」(藤井 美保代)
  • 納税月報(個人版)納税協会 2018年4月~
    手軽にできる!POPのつくり方講座(森田 圭美)
  • THE 21 PHP研究所 2017年5月号
    メールチェックは1日3回!仕事が速い人の「メリハリ」時短術(藤井 美保代)
  • 納税月報 納税協会 2017年4月~2017年9月
    誰でも簡単!エクセル活用術(森田 圭美)
  • 日経ビジネス【アソシエ】 日経BP社 2017年3月号
    書き込むだけでOK 悩み別 ミス防止シート(藤井 美保代)
  • 日経WOMAN【別冊】 1日5分でミスをしない!ちょっとしたコツ辞典 日経BP社
    「電話伝言メモ」「指示メモ」「思いやりメモ」のコツ
  • 日経WOMAN 日経BP社 2016年10月号
    「やり忘れ」がなくなる ノート&付箋術(藤井 美保代)
  • 日経ビジネス【アソシエ】 日経BP社 2016年8月号
    基本業務の“ミスゼロ” 実現 “うっかり忘れ” 防止法(藤井 美保代)
  • 百五総合研究所 HRI REPORT 2016年7月号
    事務ミスゼロを実現する仕事術(藤井 美保代)
  • 日経トップリーダー 日経BP社 2016年5月号~11月号
    事務ミス「ゼロ」大作戦!(藤井 美保代)
  • 飛翔 株式会社NCBリサーチ&コンサルティング 2016年4月号~
    女性の活躍に向けて(藤井 美保代)
  • 納税月報(個人版) 納税協会 2016年4月~9月
    時短&伝わる 電子メール作成のコツ(森田 圭美)
  • 日経WOMAN 日経BP社 2016年4月号
    「電話伝言メモ」「指示メモ」「思いやりメモ」のコツ(藤井 美保代)
  • 日経 おとなのOFF 日経BP社 2015年5月号
    京都人に教わる 京都にきたらコレを選べば絶対に外さない(藤井 美保代)
  • 日経 WOMAN 日経BP社 2015年5月号
    「ミスゼロ女子」はノート&手帳でつくられる!(藤井 美保代)
  • 日経WOMAN 日経BP社 2013年2月号
    仕事がサクサク進む! 正しい段取り術(藤井 美保代)
  • 読売新聞 関東版夕刊 2013年5月
    ミスを減らす(藤井 美保代)
  • 納税月報 納税協会 2013年3月~2018年3月
    ちょっと便利なパソコン術(森田 圭美)
  • ナーシングビジネス メディカ出版 2012年12月号
    「三方よしの効率化」でチーム力アップにつながる業務整理に取り組む(藤井 美保代)
  • 日経ビジネス【アソシエ】 日経BP社 2012年11月号
    「事務ミス」をなくす3つの対策(藤井 美保代)
  • マリソル 集英社 2011年12月号
    「忙しい!」をラクにする方法(藤井 美保代)
  • THE21 PHP研究所 2010年11月号
    自然に思い出せる方法で用事や資料を分類する(藤井 美保代)

 

マンスリーレポート2016年4月号

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レジリエンス ~しなやかな対応力を養う【1】

レジリエンス(resilience)は、「精神的回復力」「復元力」「耐久力」などと訳される心理学用語で、この概念が注目され始めたのは1970年代でした。当時、ユダヤ系アメリカ人の健康社会学者アントノフスキー博士(1923-94)が、ホロコーストで極限のストレスを経験しながら心身の健康を守れているばかりか、その経験を人間的な成長や発達の糧にさえしている人たちを研究したことが、多くのレジリエンス研究のきっかけとなりました。 レジリエンスは、個人の精神的強さ(折れない心)という意味だけでなく「危機を乗り越えて成長する企業力」、あるいは「底打ちから復元する経済力」を表す言葉としても用いられています。 レジリエンスの日本語訳には様々な表現がありますが、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏は「しなやかさ」と訳されています。ここでは、「変化や逆境に対してしなやかに対応する力」と捉えたいと思います。

ストレスを力に変える「3つのC」

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企業人のマインドセットとしてレジリエンスが注目されているのは、持続的な成長のために変化し続けることを要求されている私たちが、従来よりも強いストレスを受けることになったためです。
今、企業人は、予期せぬ役割の変化、配置転換、新プロセスの導入など、多くの変化への対応が求められます。
このような変化は、ある人にとっては受け容れ難い出来事として捉えられ、大きなストレス要因になりますが、ある人にとっては成長要因となる、と言われています。
右の図は、ストレス心理学の権威 サルバトール・マッディ博士らが、米国イリノイ・ベル・テレフォン社における12年に及ぶ調査・研究、およびトレーニングなどの結果から得た情報をまとめたものです。 本研究によれば、ストレスに耐える力は、その人の持っている弾力性(しなやかさ)にあり、高いストレスの下でも健康を保つ人が持つ特性を、ハーディネス(強さ)と呼び、「3つのC」としてまとめています。

  1. コミットメント
    自分自身を没頭させられる。人生の様々な状況に対して自分を充分に関わらせている傾向。
  2. コントロール
    人生におけるさまざまな変化に直面したとき、自分自身がそれを統制しているのだと感じ、また、そのように行動する傾向。
  3. チャレンジ
    変化が人生における常態であり、変化の予感は安全への脅威というよりもむしろ成長への興味深い誘因であるという信念。