2016年4月15日

マンスリーレポート2016年4月号

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レジリエンス ~しなやかな対応力を養う【1】

レジリエンス(resilience)は、「精神的回復力」「復元力」「耐久力」などと訳される心理学用語で、この概念が注目され始めたのは1970年代でした。当時、ユダヤ系アメリカ人の健康社会学者アントノフスキー博士(1923-94)が、ホロコーストで極限のストレスを経験しながら心身の健康を守れているばかりか、その経験を人間的な成長や発達の糧にさえしている人たちを研究したことが、多くのレジリエンス研究のきっかけとなりました。 レジリエンスは、個人の精神的強さ(折れない心)という意味だけでなく「危機を乗り越えて成長する企業力」、あるいは「底打ちから復元する経済力」を表す言葉としても用いられています。 レジリエンスの日本語訳には様々な表現がありますが、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏は「しなやかさ」と訳されています。ここでは、「変化や逆境に対してしなやかに対応する力」と捉えたいと思います。

ストレスを力に変える「3つのC」

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企業人のマインドセットとしてレジリエンスが注目されているのは、持続的な成長のために変化し続けることを要求されている私たちが、従来よりも強いストレスを受けることになったためです。
今、企業人は、予期せぬ役割の変化、配置転換、新プロセスの導入など、多くの変化への対応が求められます。
このような変化は、ある人にとっては受け容れ難い出来事として捉えられ、大きなストレス要因になりますが、ある人にとっては成長要因となる、と言われています。
右の図は、ストレス心理学の権威 サルバトール・マッディ博士らが、米国イリノイ・ベル・テレフォン社における12年に及ぶ調査・研究、およびトレーニングなどの結果から得た情報をまとめたものです。 本研究によれば、ストレスに耐える力は、その人の持っている弾力性(しなやかさ)にあり、高いストレスの下でも健康を保つ人が持つ特性を、ハーディネス(強さ)と呼び、「3つのC」としてまとめています。

  1. コミットメント
    自分自身を没頭させられる。人生の様々な状況に対して自分を充分に関わらせている傾向。
  2. コントロール
    人生におけるさまざまな変化に直面したとき、自分自身がそれを統制しているのだと感じ、また、そのように行動する傾向。
  3. チャレンジ
    変化が人生における常態であり、変化の予感は安全への脅威というよりもむしろ成長への興味深い誘因であるという信念。

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