大阪に向かう列車に乗車中、
この時間とはいえ、車内には結構な人がいます。
さて、敬愛する出口治明氏が「この数年で最高のビジネス書!」と
勧められている、小坂井敏晶著の「社会心理学講義」。
すべてのビジネスパーソンの羅針盤になる必読書だという言葉に惹かれ、
3ヵ月前に購入!しかし、なかなか読む気になれませんでしたが、
週末、一気に読みました、いや、読むというよりは、目を通したというか・・。
この本は、社会心理学を俯瞰する教科書ではなく、
「人間をどうとらえるか」について、一環して論じています。
すべてのビジネスは人間がつくる社会を対象としているのだから、
まず、人間とはどういう生き物で、人間がつくる社会とはどういうものか、
ということをリアルに認識することが大事。
この前提にたって、小坂井氏は人間と社会に対して深い洞察を展開されます。
自分自身をも否定しつつ!
・個々の知識よりも、どのように問を立てるかを学ぶ力が大事。
この本においても、社会心理学を材料にしながらも、
そこから、より一般的な問い、自分自身の問いを見つけなければ、
勉強の意味はない。
・我々は慣れた思考枠にとらわれていないか。
敵は「常識」。常識の中でも倫理観は特にしぶとい。
真理はどこにもなく、正しい人間のありかたや
社会の形など、いつになっても誰にもわからない。
だからこそ、現在の道徳・法・習慣を常に疑問視し、
異議申し立てする社会メカニズムの確保が大切。
今日の異端者は明日の救世主かもしれない。
・多数派の影響はすぐに表れるが、その場限りで消えやすい。
少数派の影響は時間の経過とともに、徐々に影響効果が浸透していく。
多数派に影響を及ぼせるのは、常識を批判するにとどまらず、
それにとって代わる見方を積極的縫い主張する場合のみ。
ノウハウ本ではないだけに、
そこはかとない、「もやもや」が残る本でした。
しかし、このもやもやが「問い」に繋がっているのかもしれません!