パフォーマンスマネジメントの新潮流(コラム2017/11/01)

パフォーマンスマネジメントの新潮流~課題克服でパフォーマンスは上がるのか?

右図のどこが気になりますか? 欠けている部分ではないでしょうか? 私たち日本人の多くは、「欠けている部分=足りない部分を補う努力が美徳」と 考えています。 そして、このことが、子育てや社員の育成に影響を与えています。

最近、様々な人から「○だけを欲しがる子ども」の話を聴きます。 家庭で子どもにドリルに取り組ませて採点をしている時、間違った答えに×をつけようとすると、横に座っている子どもが、「あっ、×は嫌!今、直すから」と言って ×をつけさせないというのです。類似の話しは、塾講師からも聴きます。×をつけられることを嫌がる子どもは、自分の回答に×がつく=自分自身に×がつくように感じているのかもしれません。

では、社会人はどうでしょう? 大人であっても、自分に足りない点を指摘されることが嬉しい人は、ほとんどいません。 嬉しくはないけれど、より成長した自分になるために感謝の気持ちで受け止める方が多いのだろうと思います。 しかし、近年、脳科学的見地から、課題を強調することの問題が指摘されています。 以下、脳科学の視点による「課題指摘の問題点」を紹介し、やる気向上、パフォーマンス向上に寄与する働く環境について考察します。

◆新しい脳と古い脳
右図をご覧ください。人間の脳には、「古い皮質」と「新しい皮質」があります。古い皮質(古い脳)は、潜在意識の座とも言われ、記憶力、理解力、創造力を生み出すやる気の源泉です。古い皮質は、本能の座とも呼ばれ、食欲、性欲、集団欲を支配しています。

また、新しい皮質(新しい脳)は、意識の座とも言われ、知能、情緒、意志を支配しています。善悪の判断や行動を制御する知性、理性の座です。動物の脳では、新しい皮質がほとんど発達していません。

問題は、新しい皮質と古い皮質が同時に活動することができない点です。例えば、思い出せない名前を無理に思い出そうとしても、中々浮かんでこないのはこのためです。潜在意識(古い脳)に記憶されている名前は、意識(新しい脳)が働きを休止すると思い出すことができます。

子どもと同様、我々大人も、欠点やできないことを頻繁に指摘されることにより、恐れ、怒り、不信、不安、警戒心のとりこになると、古い脳が縮み、活動しなくなって固くなるようです。そして、そのことにより、やる気を喪失し、記憶力、理解力、創造力が失われてしまいます。つまり、パフォーマンスが低下するということになります。
※新しい脳と古い脳 「強い子、伸びる子の育て方」 PHP文庫より抜粋・引用

◆脳科学によるパフォーマンスマネジメントの潮流
医学分野では、すでにエビデンス・ベースト・アプローチ(evidence_based_approach=実験や調査に基づく数値的アプローチ)が主流になっていますが、近年は、人材開発分野でも脳科学(ニューロサイエンス)によるエビデンス・ベースト・アプローチが注目を集めています。2017年5月にシカゴで開催された「Performance Management Innovation Conference」では、シスコ社、GAP社、イーライリリー社などのグローバル企業が、エビデンス・ベースト・アプローチによるパフォーマンスマネジメントを取り入れているという報告がされたようです。

◆パフォーマンス向上に寄与する働く環境とは?
新しい脳、古い脳の働きを基に、従業員のやる気を高め、創造性を発揮させ、パフォーマンスを高める環境について考察します。シカゴで開催されたカンフェランスで紹介された各企業の取り組みをまとめると、以下の要素が必要であるようです。

1.日常的かつ頻繁な対話とポジティブなフィードバックにより行動を変える
半期あるいは年に1度の考課とフィードバックではなく、日常的かつ頻繁にフィードバックを行うことにより、従業員のモチベーションが高まる。さらに、フィードバックは、相手の存在や価値を認める内容であることが重要。また、課題を指摘するとしても、相手の不安や恐れ、怒りを煽るような言い方は好ましくない。部下の課題ばかり指摘して可能性を認めない上司の元では、本質的なパフォーマンスを挙げる行動より、自分を評価する上司の顔色を伺い、失敗をしないように行動する習慣がついてしまう。

2.若手のやる気を刺激するには、成果による順位づけよりも、仲間から自らの存在を認められていることの確認と全員がフェアに扱われている(評価が透明である)ことを示すことが大切。

人間は、社会的存在です。周囲の人に存在を認められ、良い影響を与えてくれる人が居ることが、強みを発揮する原動力になります。古い脳の「集団欲」を満足させる働く環境を作ることで、従業員のやる気とパフォーマンスを向上し、生産性の高い働き方を実現できるのではないでしょうか?

働き方改革〜「オフィスも働き方改革(4)」(コラム2017/09/20)

“創造性を発揮するためのオフィス改革”

1.雑談できる環境をつくる
複数の研究では、同僚が互いに近くで仕事をしていることと、協力関係の増大の間に関連性があることが分かっています。ミシガン大学の研究者が、172人の研究専門の科学者を対象に調査を行ったところ、同じ建物を共有し、日常的に移動する動線――実験室やオフィス、一番近いトイレ、エレベーターといった場所へ移動する際の動線――が重なる場合は、より顕著に協力し合うことが分かりました。動線が重なる部分が100フィート増えるごとに、協力関係が20%上昇するというのです。

ミシガン大学の社会学者でこの研究の筆頭執筆者であるジェイソン・オーウェン=スミス氏は「より頻繁に同僚と会えば会うほど、最終的に会話を始める可能性が高まる」と述べ、「仮に相手が自分の知らないことを知っていれば、そのプロセスは情報交換に発展する」と話しています(ウオール・ストリート・ジャーナル2013年5月1日)。

つまり雑談がアイデアを創出する可能性を秘めているのです。グーグル本社のデザインは従業員同士の雑談を最大限に引き出すようになっています。同社では、従業員同士の雑談から「Gmail」や「ストリートビュー」といった新しいサービスが生まれました。

■アイルランド・ダブリンのオフィス(グーグル)
従業員がリラックスして仕事に打ち込めるスペースがたっぷりとある。

ロシア・モスクワの従業員は卓球やテーブル・サッカーを、木目調の快適な空間で楽しむことができる(グーグル)。

出典:https://www.businessinsider.jp/post-34932

■社員の声がどこでも聞こえるオフィス(btrax社〜アメリカ)
btrax社でも2013年の中旬に大々的にオフィスのリニューアルを行った。よりスタッフ同士のコラボレーションを生み出すのが目的。オフィス内のパーティションを取り払い、よりオープンでコミュニケーションの取りやすいオフィスへと改装した。そして壁にアイディアペイントという特殊なペンキを塗り、壁をホワイトボードとして利用可能にした。これまではプライバシー重視のレイアウトでとても静かな雰囲気のオフィスであったが、オープンスペースに変更された現在ではオフィスのどこにいても、社員の声が聞こえてくる。

(改装前)               →(改装後)

出典:http://blog.btrax.com/jp/2013/08/27/office-design-2/

2.リラックスできる環境をつくる

ストレスと創造性の関係は相反し、ストレス度が高くなると、「アイデアを考えても思い浮かばない」「新しいことをあまりやりたくなくなった」という人が増える、という結果が出ています(ストレスケア・コム)。



参照:https://www.stresscare.com/info/screativity_3.html

アイデアを求める時に、必死に考え続けることも必要ですが、むしろストレスを解放し、リラックスした状態をつくり出してみると、思わぬアイデアが突然浮かんでくる可能性があります。
フリスクの有名なCM〜Idea Place 編(2009年放映)は、「アイデアはどこで生まれるか」という研究データに基づいたものです。

参照:https://www.youtube.com/watch?v=kK8geObqyfg

トップ5はトイレ32%,風呂29%,ベッド22%,公園18%,バス17%です。アイデアは一人でリラックスしている時に生まれることに気づきます。
意外に会議室0%は驚くべき真実です。アイデアを創出する目的での会議はムダであり、働き方改革の方向性からも逆行します。少なくとも会議は「各人が考えてきたアイデアを擦り合わせる」時間にすべきです。
なぜならいくらそこで議論しても、新しいアイデアは生まれないからです。他方トイレや風呂、ベッドの空間を充実化することで、アイデアが生まれる環境を整えられるということです。これはプライベート環境だけでなく、オフィス環境においてもトイレやパウダールーム、リフレッシュスペースにも投資すべき根拠を示しています。

株式会社SYNTH(シンス)が2016年4月に発表した調査データ「ビジネスウーマンのオフィス環境に関する意識調査」によると、「快適なオフィス環境はモチベーションを向上させる」の同意率(「非常にそう思う」と「ややそう思う」の合計)は91.8%となりました。また、「快適なオフィス環境は作業効率を向上させる」の同意率は92.5%、「快適なオフィス環境は組織内の人間関係を良くする」 では82.2%となりました。快適なオフィスはモチベーションや作業効率だけでなく、組織内の風通しも良くすると感じられているようです。
それでは、女性がストレスを感じるオフィスとは、どのような環境のオフィスなのでしょうか。“こんな環境はストレスの素だ!”と感じるものを複数回答形式で聞いたところ、ワースト1位は「化粧室(お手洗)が狭い・汚い」(40.4%)、 2位は「空調の設定が極端(暑すぎる、寒すぎる、など)」(39.2%)、3位は「通勤しづらい(駅から遠いなど)」 (37.9%)となりました。化粧室と空調設定、立地の3点は、“女性にとっての快適なオフィス環境”を求めるうえで、 重要なポイントだと言えます。

女性にとって、トイレは用を足すだけの場所ではありません。昼休み後の身だしなみを整え、営業へ出る際の化粧直しにも使用します。場合によっては着替えが必要な時もあります。オフィスに更衣室がない場合は、トイレで着替えるしか方法がないのです。
女性は、トイレやキッチン、お風呂などの水周りの汚れに敏感です。汚いうえに狭いとなれば、トイレに行くたびにストレスとなってしまいます。 オフィススペースの問題もあるので、今すぐトイレを広くしてパウダールームを併設するわけにはいかないかもしれません。常に清潔を保ちやすく、レイアウトの工夫などで広さを感じられる、気持ち良く使えるトイレ空間が求められています。

〜オフィス改革事例〜
■女性ならではの細かな気遣いで、女子トイレは心休まる空間へ(アイキャンディ株式会社)

第一印象が大事!最初に目に入るトイレの入り口に棚を特注で新設。木の良い香りが、トイレに入る度ほんのり香る。女性ココロにトキメキをプラスし、おしゃれ雑貨をディスプレイし癒しの空間への雰囲気を盛り上げる。
帰りの導線上には、全身鏡を設置し、トイレ後の服の乱れなど女性はチェックできる。

鏡に映った自分の顔の周りに花や緑があることで、華やかな気分になり、顔色もよく見える。また女性は荷物が多く大きめのカバンを持つ人が多いので、荷物置きを新設。肩や腕にかけたまま手を洗うのはすごく洗いづらいため、手洗い場にも必須。

出典:http://eye-candy.co.jp/p-candy2/candy_magic/2605/

■ピンクを基調とした清潔なパウダールーム(伸栄商事株式会社)

出典:https://www.shigotoba.net/meet/office/details/5336.html

■ 「5 TSUBO CAFE」の提案(プラス株式会社)

・ カフェ設置スペースを作るための「オフィスダイエット™」を提案
「カフェ用のスペースなんて無い」「オフィスが狭くて無理」――「5 TSUBO CAFE」は、そうした企業のために、まず設置スペースを作るためのサポートである。
*オフィスダイエットとはオフィスフロア内の不要な書類や無駄なスペースを削減することを指す。

出典:http://www.plus.co.jp/news/150709.html

■食堂も兼ねたコミュニケーションスペース

出典:http://www.jsbc.or.jp/swo/files/swo_hb03-2.pdf

■リフレッシュルーム(株式会社サイバード)

「Park Cybird」というリフレッシュスペースがある。畳やこたつもあってゆっくりでき、週に2回ほどカレーやお弁当の販売なども行われ、休憩スペースとして活用されている。リフレッシュルームでリラックスしながらだと柔軟に発想できる。

出典:https://liginc.co.jp/186856

■Studio O+A(アメリカ)

リラックススペースは絶好の集いの場である。人が集まり、会話をすることで情報が集まる。さらには新しいアイデアが生まれてゆく。リフレッシュスペースただの休憩場所ではなく、アイデアを生み出す貴重なスペースとなっている。また、日本ではサボリと見られがちなお昼寝は、アメリカではPower-nap( nap=昼寝)として知られ、その効果が実証されている。15分程度の短いお昼寝をすることで、頭がリフレッシュし仕事の生産性を上げることができる。

出典:http://blog.btrax.com/jp/2013/08/27/office-design-2/

生産性向上、働きがい向上の鍵(コラム2017/08/01)

生産性向上、働きがい向上の鍵は、組織への愛着心!

2012年の調査で、グローバルコンサルティングファームのタワーズワトソン(NYSE,NASDAQ: TW)は、『持続可能なエンゲージメント(会社への自発的貢献意欲の持続性)が会社の業績に影響する』ことを明らかにしました。

出典: Towers Watson’s Global Normative Database

エンゲージメント(engagement)の文字通りの意味は、「約束」や「婚約」ですが、経営用語としては、「個人と組織が共に成長する関係」を表現する言葉として使われています。
また、昨今では、ユーザーとブランドとの結びつきや、商品を購入する前後の関係性を重視する姿勢を背景に、マーケティング分野で注目を集めています。

従業員のエンゲージメント」は、【会社の存在価値や事業の方向性に対する共感】を物差しとして従業員の現状を把握する概念で、会社の成長に対する従業員の自発的な貢献意欲の度合いを示しており、具体的には、以下の3点で構成されます。

1.会社の方向性に対する理解(組織の目指す方向性を理解しそれが正しいと信じている)
2.帰属意識(組織に対して帰属意識や誇り・愛着の気持ちを持っている)
3.行動意欲(組織の成功のため、求められる以上のことを進んでやろうとする意欲がある)

タワーズワトソンの調査では、従業員エンゲージメントを “継続的に高く維持する” ための要件を検証し、エンゲージメントに影響を与える要素を明らかにしました。
その結果、日本においては、トップ5に以下の項目が挙げられました。

1.ストレス、作業負荷のバランス 
2.企業の社会的認知や使命
3.直属上司との関係
4.会社目的や目標に対する共感
5.福利厚生

(以上、『グローバル・ワークフォース・スタディー』より抜粋引用)

かつては会社に対するロイヤルティ(忠誠心)が高いと言われた日本人ですが、行き過ぎたロイヤルティは社員の自立や多様性、革新を疎外します。
イノベーションや自発的な改善が求められる現在は、ロイヤルティではなく、「エンゲージメント」が重視されるようになりました。エンゲージメントは、メンタルヘルス対策に積極的に取り組むための組織運営に最も求められるキーワードでもあります。

様々なエンゲージメント調査によれば、会社や会社のメンバーに強い絆を感じ、共感、愛着、帰属意識を持って情熱的に仕事に打ち込んでいるエンゲージメントの高い従業員は、そうでない従業員に比べて、生産性が20%、努力の度合いが57%、定着率においては87%も高まることが分かっています。従業員エンゲージメントの高い企業の営業利益率は、そうでない企業と比べて約3倍高かったことも分かっています。

エンゲージメントの高い従業員は、会社の目指す方向を理解し、会社のメンバーと一緒に働くことを誇りに思い、会社の成長・発展に貢献したいという強い気持ちを有して自発的に考え、行動します。さらに、定着率が高く、会社を良くする(業績、風土改革)ことに意欲です。

正社員だけでなく、多様な働き方の社員のエンゲージメントを高めるためには、以下がポイントになるのではないでしょうか。

1.働きやすさ
適材適所、業務に集中できる、ライフステージに合わせた働き方を選択できる
2.処遇納得度(評価や報酬の透明性と納得度)
3.コミュニケーション(他部署、上司含めて社内の風通しが良いか)
4.参加・参画度(自己重要感、承認欲求が満たされる仕組み)
5.やりがい・自己成長(ステップアップの仕組みと支援、褒賞)

働き方改革〜「オフィスも働き方改革(3)」(コラム2017/08/21)

オフィスも働き方改革(3)

今回は前回に続いて、オフィスの生産性向上の変数としての「集中できる環境」に焦点を当てます。

1.ウェルビーングと作業環境
企業戦略の一貫として位置づけされたウェルビーングは特にそれを増大させるために意図的にデザインされたオフィス環境では明らかに効果を生みます。ウェルビーングとは、「現代的ソーシャルサービスの達成目標として、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念」をいいます(中谷茂一 聖学院大学助教授 / 2007年)。

調査結果がこれを証明しています。オハイオ州立大学では、ホワイトカラーのワーカーを2つのグループに分け、2つの全く異なる環境のもとでの人々のストレスレベルを検証しました。まずは低い天井と空調エアコンの音がうるさく古いオフィス、もうひとつは天窓があるオープンレイアウトを採用した、新しく改装されたオフィスです。17ヶ月経った後での調査では古いオフィスに配置された人々の方が働いていなくてもストレスを多く感じていたということです。そして、将来的な心臓疾患につながる可能性を引き出すのに十分な違いをもたらしたことが明らかになりました。
参照:https://www.steelcase.com/asia-ja/research/articles/topics/wellbeing/boosting-workplace-wellbeing/

岡村製作所(2013年)の調査によると、座りたい席に座れた場合では、そうでない場合よりも仕事へのモチベーションが3倍にもなり、そして創造性や効率なども3割向上するのです。
Q.オフィスの中で働く場所を選ぶことは仕事に影響を与えますか?

また「作業環境を変えたい」と考えているワーカーが全体で93%(内向型は92%、外向型は89%)もいます。ワーカーにとって、作業環境は重要なウエートを占めています。
Q.ひとりで作業をしているとき、仕事の内容によって作業環境を変えたいことがありますか?

Q.オフィスにおいてあなたの集中を阻害する要因は?
オフィスにおいて集中を阻害する要因におけるワースト3は、「騒がしい」(84%)、「後ろから見られている」(84%)、「オープンや開かれた環境」(74%)です。これらの阻害要因を解消するには、一日のうちで異なる作業をサポートする多種多様なセッティングを提供することです。オープンとクローズ、「個人」と「交流」の両方のスペースなど、ワーカーが仕事に必要なワークプレイスを選択できれば、ストレスを軽減し、モチベーションを向上させる効果をもたらします。

参照:http://workmill.jp/webzine/20160209_report1.html

2.「集中できる環境」をつくるには
(1)間仕切りの空間
印刷機器販売のデュプロ(東京都豊島区)には「DEN(デン)」と呼ばれるスペースがあります。並んだ机には前と左右の三方に間仕切りが付けられ、1区画ごとがほぼ独立した空間。電話や打ち合わせなどの声が活発に飛び交う社内でこの場所だけは静けさが漂う。デンとは洞穴、書斎、隠れ家といった意味です。2007年にオフィスを移転した際、固有の席を設けず自由に選べる「フリーアドレス制」を導入。普段は会わない営業職と技術職が隣り合って座った結果、新しいアイデアが生まれるなどコミュニケーション活性化の狙いは奏功しましたが、「活気があり会話が多い場所というのは集中作業に向かない」と同社のオフィス改革担当者は説明します。
営業部の男性社員は「顧客への提案書や見積書の作成など、集中して作業したいときにデンを利用する」と言います。半年前までは雑然とした営業所が拠点だったという別の男性社員は「ここには個人の空間がある」と満足そうに話します。

参照:
https://style.nikkei.com/article/DGXBZO19124980Q0A131C1WZ8000?channel=DF130120166128&style=1

(2)可動式の間仕切り
■限られたオフィス空間の中で、集中とコミュニケーションを同時に成立させるためには?
社内は見通し良くありたい。コミュニケーションを重視するのであれば、社内は仕切りのない1フロアにして、社内で起きていることをフロアにいる社員全員が感じられるようにすることが理想です。
他方、社内に設計部門と営業部門など、ワークスタイルの異なる部門がある場合、一方は集中のための静かさが必要となると、集中できる空間づくりも必要になってきます。
限られたオフィス空間の中で、集中とコミュニケーションを同時に成立させるために、どのように間仕切りをしていくかは大きな課題で、社内のオフィスづくり担当者の悩みでもあります。
その課題を、独自の空間デザインで解決したのが株式会社ミダス(築地)。株式会社ミダスは、創業以来5,000件を超えるプロジェクトを成功させてきた老舗の空間デザイン会社です。

■集中とコミュニケーションを同時に成立させる秘密は、社内を横断する可動式の間仕切りにあり

この写真は、可動式間仕切りを中心にして、向かって左側が打ち合わせの会話が多いプロジェクトマネジメント部門、右側が集中を必要とする設計部門、それぞれが同時に収まるように撮影したものです。社内を貫く間仕切りでオフィス空間を大きく2つに分割していることがわかります。

間仕切りは天井のレールに吊り下げることで、軽い力で動かせるように設計されており、女性でも簡単に開け閉めすることができます。集中が必要なエリアは閉めて、そうでないときは開けてと、間仕切りで完全に締め切ることはなく、その時々で開閉して間仕切りを活用していることが多いとのことです。

■単なる間仕切りではない、4層ホワイトボードによる情報ストック、アイデア醸成機能

この間仕切りはホワイトボードになっているので、進行中のプロジェクトのアイデアや案件内容など、チームミーティングのホワイトボードとしても頻繁に利用されています。

間仕切りのホワイトボードは4列のレール上に4層重なっていますが、空間を仕切るためであれば2層でも充分なはずです。その理由は、「情報をストックして、アイデアを醸成するため」とのことです。

ホワイトボードが1枚しかないと、打ち合わせが終わったら消す必要が出てくる。会議でホワイトボードに書いたブレストのメモを次回まで取っておけたら続きが書ける。この4層構造のホワイトボードなら、消さずに残しておける。書いたパネルは残すために移動させて、次の打ち合わせには隣のレールのホワイトボードを持ってくれば済む。書きかけのアイデアは、当初参加していないメンバーも残されたメモを見て、後日アイデア出しに参加できる。空間デザイン会社らしい素晴らしいアイデアです。

■いつものデスクが集中コーナーに変身!デスク上フェルトパーテーションをオーダーメイド

写真のデスク風景は設計部門のデスクをスローシャッターで撮影したもの。設計部門のデスクは、フリーアドレスタイプのデスクを使っています。
(注) 社員の座席は、現在、期間限定にて固定使用を実験中。

写真中央の女性に注目すると、デスク左右をグレーカラーのフェルトパーテーションに囲まれています。このグレーのパーテーションパネルは、机に差し込むだけで取り付けできるフェルト製のオーダーメイドで、吸音と視線をさえぎる機能を持っています。集中して作業したい社員は、自分の両脇にフェルトパーテーションを取り付けることで、そこが集中スペースに変身するのです。

設計部門の仕事上、集中して仕事をすることが多いのですが、チームメンバーとのコミュニケーションは仕事には欠かせません。集中とコミュニケーションのバランスを取るアイデアが、この取り外し可能なフェルトパーテーションなのです。

■フォーラムエリアをセミナー開催から少人数打ち合わせまで使い分けられる秘密は、ロールスクリーン間仕切りにあり

左の写真は、セミナー開催できるフォーラムエリア。普段は少人数の打ち合わせにも使えるよう、ここでもミダスらしい、空間を仕切りつつ、つなげることができる秘密が隠されています。

2枚目の写真はロールスクリーンの間仕切りを下ろして、フォーラムエリアを4分割したものです。天井に複数のロールスクリーンが仕込まれていて、引き出すことで間仕切りとして利用できます。区切るエリアの大きさは、天井に25センチごとに設置されたロールスクリーンのどれを引き出すかを変えることで変更可能になっています。

この仕組みにはもうひとつポイントがあります。仕切った向こう側の人影がわかる程度に少し透けています。スクリーンで仕切った向こう側が少し見えると心理的に安心できるため、完全に遮光せず半透過のものにしています。空間づくりのプロらしい配慮です。

ロールスクリーンで仕切った向こう側を見えなくすることも可能です。隣接するロールスクリーンをもう1枚下ろして2枚にするとかなり向こう側が見えなくなります。また、完全に見えなくほうが良いような、たとえば守秘が必要な会議には、別室の会議室が用意されており、打ち合わせの内容ごとに使い分けがされています。

このように株式会社ミダスのオフィスは、限られた空間を多機能に使うアイデアが随所に施されていて、大いに参考になるものです。

参照:
https://www.shigotoba.net/midas1610_1_shuuchuushitutucomm.html

人生100年時代の働き方(コラム2017/08/01)

人生100年時代の働き方

経済産業省次官・若手官僚プロジェクトによる「不安な個人、立ちすくむ国家〜モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか〜」というレポートが注目を集めています。
※ご興味のある方はこちらからどうぞ。http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf1か月で100万ダウンロードされ、意見交換のためのワークショップには100名を超える人が集まりました。このレポートが、異例とも言える注目を集めた理由はなんでしょうか?

若手官僚が日本の危機と展望について率直に意見を開示していることが大きいようです。
また、意見効果ワークショップには、100人超の定員に約300人の応募があったと言います。
それだけ、日本の危機を我が事として捉え、何らかの形で参画したいと考える人が存在するのでしょう。
参加者は、30~40代のNPO職員、教員、市議会議員、行政職員、学生、企業関係者が多かったようですが、50代、60代の参加が少ないことは残念に思います。

本レポートの主題は、「超少子高齢化時代を迎えた日本の危機や、働き方、生き方、家族のあり方の変化や技術の進歩に伴い、抜本的な改革の必要性を訴える」というもので、要点は以下のとおりです。

• 一律に年齢で「高齢者=弱者」とみなす社会保障をやめ、働ける限り貢献する社会へ
• 子どもや教育への投資を財政における最優先課題に
• 「公」の課題を全て官が担うのではなく、意欲と能力ある個人が担い手に
(公共事業・サイバー空間対策など)
◆昭和の人生すごろく
本レポート中に、「昭和の人生すごろく」という表現が出てきます。

出所:経済産業省「不安な個人、立ちすくむ国家」レポート(2017年5月)より

レポートは、「『サラリーマンと専業主婦で定年後は年金暮らし』という 『昭和の人生すごろく』のコンプリート(完結)率は、既に大幅に下がっている」と述べています。
1947年には女性:54.0歳、男性:50.1歳であった日本人の平均寿命は、2013年には女性:86.6歳、男性:80.2歳まで延びており、それに伴い健康寿命も延伸しています。
(健康寿命 女性:74.1歳、男性:71.2歳)
「Life Shift 100年時代の人生戦略」(2016年、東洋経済新報社刊)には、2007年生まれの日本の子どもの半数は107歳まで生きるというデータが掲載されています。
定年退職後は年金を当てにして悠々自適、という時代は終わりを迎えています。
人生100年時代においては、65歳に定年を迎えた後、35年間の人生が待っています。
昭和の人生すごろくは、もはや過去の遺物でしかありません。

◆人生100年時代働き方
年金問題、少子化問題を考慮すると、今後は、定年延長の流れが加速するものと思われます。
ただし、健康で働く意欲があり、存在価値を発揮できる仕事ができることが条件となります。
ぶら下がり的な意識では、働き続けたくても働く場がなくなるでしょう。
今後は、AIやロボットが多くの定型業務を代替すると言われており、マッキンゼーの試算では、自動化が可能な業務の割合は、日本で55%とのことです。
働き手としての意欲を持ち続け、AIやロボットに代替されるのではなく、活用する側に回りたいものです。

そのためには、社会や会社の動きに敏感になり、周囲に対してどのような貢献ができるのかを考えて仕事をすること、そして、新しい動きに関心(好奇心)を持ち、自己啓発を続ける努力が大切です。

脳の機能は加齢とともに衰える一方ではありません。
新しいことを学び、吸収する能力は40歳台でピークを迎え、その後は衰えますが、それでも、80歳で8割を維持する(個人差大)と言われています。
また、結晶性知能と言われる<経験を通して獲得した知見>は、生涯発達の可能性を持つそうです。
ただし、発達の可能性は、共同体でのコミュニケーション能力に依存します。
つまり、多様な考え方の人たちとの協働により、脳は生涯発達する可能性が高まるのです。
人生100年時代は、不透明で課題が山積する時代ではありますが、社会の動きにアンテナを立て、自身の可能性に挑戦し続ける人にとっては刺激的な時代と言えるのでしょう。

働き方改革〜「オフィスも働き方改革(2)」(コラム2017/07/13)

オフィスも働き方改革(2)

 オフィス環境は生産性向上のためのインフラです。生産性向上の変数としての要素を「オフィスの壁面カラー」「光・照明」「香り」「アイデア創出」「レイアウト」等に分けて、あるべきオフィス環境を考察してみます。今回は「オフィスの壁面カラー」「光・照明」の2項目に焦点を当てます。

■オフィスの壁面カラー
 一般的にオフィスの壁面はグレー系やホワイト系で統一されているのが多く見受けられます。常に私たちは無意識に色に影響されているのはご存知でしょうか?例えば、グレーは光が跳ね返ってくる反射率が24%しかなく、光に乏しい色です。反射率の低いグレーは人のやる気を生み出す心理的モチベーションを与える光を実に76%も奪っているのです。逆に、和室に多いベージュという色は、反射率が50%と、人間の肌色と同じ反射率でもあり、程よく光を与えてくれるので、筋肉も緩和されて穏やかな心地にさせてくれる心理効果があるのです。
 1970年代のイギリスのある工場では、女性の欠勤率が高いことが悩みの種でした。そこである時、工場の壁の色をグレーから明るいベージュに変えて見ると、休む人が減り、さらに事故も減ったと言う報告があります。色は私たちの気分やその場の雰囲気を変えるだけでなく、仕事の生産性にも影響を与えていることがわかります。

 米テキサス大学の研究者Nancy Kwallek氏は色が生産性に与える影響を調査するため、被験者を3つのグループに分け、赤、白、水色それぞれの部屋で与えられた作業を同じように完成させる実験を行いました。そのうちさらに被験者を2組に分け、何人かを壁の色が見えにくいように高い仕切りで囲い、残りの何人かを壁の色が見えるように低い仕切りで囲って作業をさせるようにしました。実験の結果、赤い部屋では高い仕切りで囲われた人の生産性に影響はなかったのに対して、低い仕切りで囲われた人は赤色によって生産性が妨げられる傾向にありました。しかしこの両組とも白色の部屋では仕切りの高さに関係なく、他の色の部屋より多くの作業ミスが見られたのです。「白は人の生産性を妨げるのにもかかわらず、ほとんどのオフィスが壁に白やオフホワイト、またはグレーを使っている。」とKwallek氏は言います。「研究の中には、働く人の大多数が青や青緑色の環境を好むという結果も出ている。」青や水色は私たちに良い影響をもたらすようです。
⬛壁面カラーと心理的影響の相関

参照:http://hackletter.com/?p=2833

 一方、著名な心理学者のAngela Wright氏によると、心理状態に影響するのは色の強さで、色そのものではないと指摘しています。同氏は「刺激的な印象を与えるか、それともリラックスさせるかを決めるのは、色そのものではなく色の強さです。強く濃い色は興奮感を与えて、薄い色は人を落ち着かせる」と解説しています。

 下図はこのコンセプトをうまく表しています。

A Year of Productivityとのインタビューで、従業員の仕事の種類にどの色が適しているかをWright氏は色ごとに分類しています。

・青色ベースで、一部にオレンジ色が差し色となっているものは心の仕事に適している。
・黄色は創造力をかきたてるので、デザイナーに最適。
・赤色は肉体労働を伴う職業に最適。
・緑は会計士や金銭に関わる全ての職種に適している。

 このように色を壁面、アクセントカラーに上手に取り入れていきましょう。

■光・照明
 窓に関するドイツの法的な事例を紹介します。ドイツの職場規制では職場における労働者の安全と健康のための目標が設定されています。この規制の中に技術的な規則としてASRがあり、労働社会、連邦省で公表されています。 ASRのA.3.4Beleuchtung(ライティング1)に以下の記載があります。

・職場における自然光の影響は、従業員の健康と安全のために必要である限り考慮されます。
・職場は、可能な限り十分な自然光が得られなければなりません。自然採光は照明が人工照明よりも好まれます。
・自然光は、一般に人々の健康と幸福にプラスの効果を持っています。

また、A.3.4Beleuchtungの元になったドイツの社会障害保険発行の
「BGI / GUV-I 7007 02/2008職場の昼光-高まるパフォーマンスと健康- 企業の実践のための実用的なガイド」は、主に中小企業向けに目的とされたもので、以下の記載があります。

・「外部への視覚的なつながり」はもはや明確な決定がされていなくても、それが従業員の幸福のために非常に重要です。
・従業員は仕事場で外を見ることができるようにすべきです。また打合せ室や休憩所でも外を見ることができるようにすべきです。

ドイツではこのように、窓からの採光と、窓からの眺望の重要性が就業規則に記載されています。ドイツには省エネ基準の前提条件として、窓がしっかり使われるベースがあります。

具体的に窓から6m以内を採光がとれる状態とし、主たる職場環境(個室)を定めています。
※参考文献:『窓の生理的・心理的効果とその魅力』板硝子協会 建築環境WG 2016年1月

 わが国では労働安全衛生規則 第四章 採光及び照明(第六百四条-第六百五条)でつぎのように規則が定められています。

(照度)

第六百四条 事業者は、労働者を常時就業させる場所の作業面の照度を、次の表の上欄に掲げる作業の区分に応じて、同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない。ただし、感光材料を取り扱う作業場、坑内の作業場その他特殊な作業を行なう作業場については、この限りでない。(表)

(採光及び照明)

第六百五条 事業者は、採光及び照明については、明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせない方法によらなければならない。

2 事業者は、労働者を常時就業させる場所の照明設備について、六月以内ごとに一回、定期に、点検しなければならない。

 ドイツと日本では、自然光に対する認識が全く違うことに驚かされます。自然光による効果はあらゆる調査で有効性が認められています。ピースマインド総合研究所では、A社(Webシステム開発企業)とB社(コンサルティング企業)2社の従業員88名に対して調査を行いました。太陽光を反射させて室内に取り入れる採光ブラインド「ソーラーガイドシステム」をオフィスに設置。設置前と設置後における「生理面・心理面のストレス評価」を、4つの手法を用いて調査しました。太陽光を取り入れたオフィス環境は、従業員のストレス値を全体的に減少させ、特に「職場環境」をストレス要因と感じる意識が減少、「全体的な気分」「活気」が改善しました。また、健康さへの感覚、仕事のパフォーマンスにも改善傾向があります(下図)。

 一方、「人間関係」「仕事以外の日常活動」「抑うつ」「イライラ」「疲労」「身体愁訴」などの項目においては、十分な改善傾向が見られていないようです。しかし、「太陽光によってストレスが増えた」「気分が悪化した」といったマイナスの結果は出ていません。

 教育施設については、自然光と学習に対する集中力やストレスの度合い、出欠席率の関連性が海外で数多く調査されています。 例えば、ある調査によると、自然光を取り入れた教室の学生では、窓のない教室の学生よりも、疲労の減少や出席率の増加が見られるようになったとのことです。
※参考文献: Report The distinctive benefits of glazing

 病院建築の設計において、自然光の効果と患者の健康改善効果の関係性が調べられています。日当たりの良い方位の部屋は日当たりの悪い部屋に比べて、患者の滞在期間が短いというデータがあります。また、手術後の回復に関してもある実験で明るい病室と薄暗い病室に入院している患者を比較し、明るい病室の入院患者の方が必要な鎮痛剤の量が21%少なくて済んだという報告があります。
※参考文献: Report The distinctive benefits of glazing

 以上の通り、人間は自然光を好み、自然光がない部屋ではストレスを感じて生産性に影響を与えます。さらに、最近の研究では、科学者Mirjam Muench氏によって人工光が人々に睡眠を促す即効性があることも証明されています。
「夕方の時点で、日光に当たった人のが明らかにがさえていました。深夜の時点では、人工光に当たった人の方が明らかに眠そうでした」(Mirjam Muench氏)。
 つまり、窓が多い場所に従業員を配置することはとても有益である、ということがわかります。自然光は光熱費のかかる人工光に比べて光熱費ゼロであり、敢えて壁で自然光を遮ることはコスト、生産性の面でムダであり、人間中心のオフィスでないといえるのです。

藤井聡太四段にみる教育改革の視点(コラム2017/07/01)

藤井聡太四段にみる教育改革の視点

破竹の勢いで最年少棋士・連勝記録を更新している藤井聡太四段の強さについて様々な報道がされていますが、先日のテレビ番組で面白い解説がありました。

対戦した棋士によれば、藤井四段の将棋には「ここが明らかに弱い」という弱点がなく、相手の機先を制する指し回しが特徴のようです。そして、差し回しの斬新さがAI将棋に似ている、と評されていました。
人間である棋士は、劣勢に立ったとき、負けるリスクに怖さを感じて守りに集中するそうですが、藤井四段は、怖さを感じていないかのように、先手必勝で攻撃してくるとのことでした。
その藤井四段の将棋が変わったのは、AI将棋を研究し始めてからのようです。
AIの良さと定石の良さを組み合わせたのが藤井四段の将棋、と解説されていました。

この話を聞き、アジア選手権女子シングルスで世界ナンバーワンの中国選手に勝った平野美宇選手の卓球を思い出しました。
中国選手に勝って世界一になるために彼女が取り組んだのは、相手の攻撃に攻撃で応戦する卓球とのことでした。試合をテレビで観戦しましたが、かなりのスピードで打ち合う攻撃的な卓球で迫力がありました。
これもまた、新たな時代の卓球スタイルと言えるのでしょう。

戦う土俵は異なりますが、彼らはイノベータであることが共通しています。

日本は今、既成概念を変えるイノベータを育てる教育に舵を切ろうとしています。
それが、「2020年問題」と言われる教育改革・教育再生で、その目的と目指す能力は以下のとおりです。

教育改革の目的:
1. 個々人の自立や協働に必要な主体的、継続的な力の育成
2. 社会を生き抜く力の養成
3. 世界で活躍できるグローバル人材、イノベーション人材の育成
4. 未来への飛躍を実現する人材の養成
5. 誰もが教育機会へアクセスできる環境の整備

◆学力の3要素
1. 知識・技能の学力(知識技能を備えているだけでなく、適切に活用できる力)
2. 思考力・判断力・表現力(正解のない問題を解決する力)
3. 主体性・多様性・協働性(ありたい姿を明確にして、多様な人との協働を通して
社会に貢献する力

2017年現在、改革の全容は確定していませんが、学習指導要綱や教科書制作においては、すでにその内容が反映されています。授業スタイルとしては、「教える授業」から「考え、探求する授業」への移行が進んでおり、すでに全国の高等学校、大学で「アクティブ・ラーニング」を導入した授業が行われ、小中学校でも同様の動きがあります。

アクティブ・ラーニングとは、生徒がお互いに協力しながら学ぶ学習方法で、体験学習・問題解決学習・調査学習ど主体的な討論やグループワークによって探求を深めます。

中でも、秋田県はアクティブ・ラーニングを取り入れた授業にいち早く取り組んでおり、ある中学では、英語授業を生徒が企画し、生徒が作成した教材を使ってデモ授業を実施。他の生徒から評価を受ける探求型授業を行っています。

そして、大学入試問題も大きな変革が検討されています。2020年からは、教科ごとの試験に「合教科・科目型・統合型」による試験を加えることが検討されており、理系の問題に文系の要素が加わるなど、総合的な学力が問われるようになります。

また、文部科学省の中央教育審議会が公表している内容には、「小論文」「面接」「集団討論」「プレゼンテーション」「調査書」「活動報告書」「資格・検定試験などの成績」「各種大会などでの記録」などを入試に活用する方針も打ち出されています。  この改革の本質は、評価ポイントが「どれだけの知識・技能を有しているか」から、「どれだけの知識・技能を主体的に活用できるか」に変わることです。

◆教育改革の背景

 教育改革の背景にある大きな要因として、以下3点が指摘されています。

1.グローバル化、世界の変化への教育的対応

2.日本の人口動態(少子高齢社会における生産年齢人口の減少)

※生産年齢人口:年齢別人口のうち労働力の中核をなす15歳以上65歳未満の人口層

3.世界のGDPに占める日本の割合の低下

つまり、大きく変化する世界情勢の中で、少子高齢社会に突入している日本の活力を維持するためには、社会課題を設定し、周囲を巻き込んで解決策を試行錯誤できる探求型人材が必要になっているのです。

◆組織内の人材開発に与える影響は?

藤井四段は、中学の教師に対して「授業を理解しているのに、なぜ宿題が必要なのか?」を問い、宿題の意義について30分間のディスカッションを行い、意義を納得して宿題に取り組むようになったそうです。すでに、教育改革が目指す21世紀型教育を受けた人材が社会に出始めています。

彼らは、従来の考え方や仕事の進め方などの既存の常識に対して本質的な意義を問い、問題提起を行う傾向があります。そして、組織方針の背景にある考え方や行動の目的を明示しないことに違和感を覚えるでしょう。彼らの能力を引き出すためには、これまで以上に社内の対話やフィードバックが重要になります。半期に一度の考課フィードバックではなく、日々の仕事の中で頻繁なフィードバックを行い、彼らの課題感を引き出し、部門や階層を越えたフラットな対話ができる場を設定することにより柔軟な発想を活かすことができます。

今後、改革型教育を受けた人材が社会に輩出されることになりますが、彼らを受け容れる会社、先輩社員が、従来の考え方、働き方や評価方法に固執していると、彼らの能力を伸ばすことが難しくなります。

教育の変化に伴い、組織における人材開発のあり方も変化することを求められるのではないでしょうか?

働き方改革〜「オフィスも働き方改革(1)」(コラム2017/06/20)

オフィスも働き方改革(1)

世の中の進歩は著しく、変化に対応していくためにも、企業には新たな製品やサービスを求められています。一日中パソコンに向かい合って、アイデアは出てくるでしょうか。様々な場所に行ったり体験したりしたことや、知らない知識を得たり、いろんな人に出会い話をしたことなどと、自ら持っている知識と関連づけされて、アイデアとなるのです。従来型での個人が埋没するオフィス環境では交流も雑談も少なく、創造性を発揮することは困難です。

科学ジャーナリストのスティーブン ジョンソン(米国)はTEDプレゼン「良いアイデアはどこで生まれる?」で次のように述べています(2010年9月)。

「私たちは人からアイデアをもらいます。コーヒー店で偶然会った人からアイデアをもらって、新しい形態に縫合して、新しいアイデアを生み出します。そうやって革新が起きるのです。つまり革新や熟考とは何かについての概念を一部変える必要があります。熟考といえばこんな姿でした。こちらはケンブリッジ時代のニュートンとリンゴです。像はオックスフォードにあります。座って熟考したり、リンゴの落下を見て万有引力の法則に気づいたりします。でも、歴史的にみると革新を生み出す空間とは、実はこのような姿をしています。酒場での政治的な集まりをホガースが描いたものです。当時のコーヒー店もこのような様子でした。混沌とした状況でアイデアが飛び交い、さまざまな立場の人が集まって、新しく面白く予測不能な衝突が生まれていそうです。より革新的な組織を作りたいなら、変に思えてもこれに少し似た空間を作ったほうがいい。皆さんのオフィスをこうしたほうがいい。それが私のメッセージです。」

これから言えることは、創造性を発揮するには、異質な人同士の交流や雑談が起点となることです。

それを実現するオフィスのあり方について、「20のアイデア」を紹介します。
■オフィス活性化(創造性の発揮)のための20のアイデア

① フリーアドレス制にする
② 開放的なミーティングスペースを設ける
③ リフレッシュスペースを設ける
④ 他社と共同利用できるオフィスを設ける、または賃借する

⑤ オフィスレイアウトを変形、多角形にする
⑥ 部署間の仕切りをなくす
⑦ 音楽部屋やハンモックを導入して、従来のオフィスの枠を外す
⑧ 時間帯によって変化するBGMを導入する
⑨ 自然光が降り注ぐナチュラルルームを設ける
⑩ サテライトオフィスを設置する
⑪ バランスボールを椅子にする
⑫ スタンディングデスクを設置する
⑬ 昼食の一部を負担し、より美味しい昼食メニューを提供する。あるいは従業員同士の対話を促進するため、同僚との昼食代の一部支給する
⑭ 社員食堂のレイアウトや什器を利用人数によって変更できるようにする。またはカフェ風に変更する
⑮ ミニ図書館スペースを設ける。様々な雑誌を定期購読する
⑯ 打ち合わせの場としてのキッチンを設ける
⑰ 観葉植物をふんだんに取り入れる
⑱ ロビーをサロンとして開放する
⑲ ロビーを個展スペースとして一般開放する。または社員のアートの発表の場とし、仕事以外の創造性を発揮させる
⑳ 近くのカフェと提携しコスト負担し、打ち合わせの場として提供する

またアドビは、創造性が企業業績に大きな影響を与えるという調査結果を発表しています。主な調査結果は以下のとおりです。

「創造性を重視する企業は、収益、市場シェア、競争優位性の点で競合企業を上回っていることが判明」

・ 創造性の向上に取り組む企業は、同業他社より高い増収率を達成
:本調査では創造性の向上に取り組んでいる企業の 58%が、2013 年度に前年度比 10%以上増の増収率を達成しています。これとは対照的に、創造性の低い企業で前年度比 10%以上増の増収率を達成したのはわずか 20%に留まっています。
・ 創造性の高い企業ほど市場シェアが高く、競争優位を確保
:本調査から、創造性の高い企業ほど市場シェアも競合他社より高く、市場のリーダーとしての地位を築いている傾向があることが明らかになりました。市場シェアが高く、市場のリーダーとしての地位を築いていると回答した企業のうち、創造性の高い企業は創造性の低い企業の約 1.5 倍です。
・ 対象者の大半が創造性の向上により好影響がもたらされると回答しているが、自社の創造性については「高くない」と回答した企業が全体の61%を占めている
:自社の活動が、クリエイティブだとすぐにわかる企業とクリエイティブな企業とまったく同じであると答えた企業は、11%に過ぎませんでした。51%の企業は、自社はどちらとも言えない、あるいはクリエイティブな企業と同じではないと答え、10%は、自社の活動は実際には、クリエイティブな企業とは正反対であると考えていました。
・ 創造性の高い企業ほど働きがいのある企業として評価されている
:従業員にとって快適な職場環境は、創造性を育む「肥沃な土壌」です。創造性の高い企業の 69%が国内で「働きがいのある企業」として評価・表彰されたことが明らかになりました。創造性の低い企業でこのような受賞歴があるのはわずか 27%でした。

出典:http://blogs.adobe.com/japan-conversations/creativedividend/

アメリカのグーグル、アップル、アマゾンなどの成長企業の共通点は創造性の高さに尽きます。その仕掛けとして、人間性重視の企業風土、ICTの活用、クリエイティブなオフィス環境があります。生産性を高めるICTやクリエイティブなオフィス環境はコストでなく、投資と捉えています。

但し、資金の限られた一般企業にとっては最先端のオフィス環境を作るのは厳しいものです。経済産業省では、2007年よりクリエイティブ・オフィス推進運動実行委員会を設置し、知識経済化の進展を背景に、その担い手である企業組織が柔軟かつ活動的に生産性・競争力を向上させ、個人の能力の質を向上させるためのオフィス環境を構築すべく活動を行っています。

(社)ニューオフィス推進協議会では、クリエイティブ・オフィスの定義を次のように述べています。
「クリエイティブ・オフィスとは、知識創造行動を誘発する、空間・ICTツール・ワーカーへのはたらきかけ(3つの加速装置)と、組織の目標とプロジェクトのゴールに向けたマネジメント(駆動力)の双方を備え、組織の創造性を最大限に発揮するための働き方に適した「場」を指します。こうしたクリエイティブ・オフィスを実現することにより、「12 の知識創造行動」の連鎖からなる知識創造サイクルが回り、組織は目標に向けて成長・進化します。加えて、コミュニケー ションの活性化、モチベーションの向上、目標・理念の共有促進といった効果が生み出されます。クリエイティブ・オフィ スの実現がもたらすこうした効果の結果として、企業の競争力や業績の向上がもたらされると期待されます。」
※ クリエイティブ・オフィスの考え方は、野中郁次郎氏が提唱した組織的知識創造理論・SECIモデルの考え方をベースにしています。

図1 「12 の知識創造行動」
図2 創造理論・SECIモデルの考え方
参照:
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/consumergoods/downloadfiles/flow_diagram.pdf

12の知識創造モデルをオフィスでの行動の例としたものが表1です。
表1 12 の知識創造行動のモデル

参照:
http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/consumergoods/downloadfiles/H21_office_report.pdf

(社)ニューオフィス推進協議会の知恵や事例をオフィスづくりの基盤としたいものです。また諸外国のオフィスづくりの先端企業からも学ぶべきことが多く、これらに触発されながらオフィスの働き方改革を進めていくとよいでしょう。
次回では、クリエイティブ・オフィスの具体例やオフィス環境づくりのノウハウを紹介します。

働き方改革「テレワーク」(3)(コラム2017/06/12)

働き方改革「テレワーク」〜(3)在宅勤務のエッセンス

テレワーク導入企業の多くが生産性向上を認めているように、集中してデスクワークを行うには、電話や上司や同僚との会話などで中断されることが多いオフィスより、誰にも邪魔されなく静かな自宅の方がはかどるのは自然です。在宅勤務では誰かに見られているわけでもないので、自己管理をしっかり行うことが必要です。そのためには、モチベーション、時間の管理、障害の排除、部屋の環境などをきちんと構築することです。
これらのノウハウを5つ紹介します。

1. やり始めることが先で、モチベーションは後
2. 前日にタイムスケジュールを作成しておく
3. 障害を排除する
4. 仕事がやりやすい環境をつくる
5. 他社の社員から学ぶ・模倣する

1. やり始めることが先で、モチベーションは後
人間の脳には「作業興奮」という仕組みが備わっていると言われています。これにはアメリカのレナード・ズーニン博士という心理学者が提唱した「ズーニンの法則」があります。最も簡単な「やる気アップ法」で、面倒なことでも最初の4分間さえ乗り切れれば、あとはスムーズに進めることができるというものです。
例えば掃除はしたくないと思っても、いざはじめて見ると段々とのり始め、いつの間にか熱中してしまうものです。たいていの人は勉強も仕事も運動も、最初はなかなかエンジンがかからないのが常です。しかし体からいざ動き始めると、何でもやってのけます。つまり物事はやり始めることが大切で、後は慣性の法則でやり続けるだけのことなのです。
やる気というモチベーションをあれこれ悩んだり、様々な手法を試みるより、「まず4分だけやってみる」「とにもかくにもやり始めること」を仕事のスタートとすることです。日々習慣化するために、壁には「たった一つの自分との約束:4分だけやってみること」を標語として貼り、マイルールにしましょう!

2.前日にタイムスケジュールを作成しておく

事前準備として、在宅勤務の前の日にやるべきことを書き出して1日のタイムスケジュールを作っておきます。そうすることで、朝からスタートダッシュできます。仕事のスピードはどれだけ早く手をつけるかにかかっています。早期着手により、タスク全体の納期も早い段階から把握でき、スケジュール管理が容易になります。加えて進捗管理が計画的になり、上司への報告も具体的かつ正確性も有します。目標達成度を高めるために、進捗管理として壁にスケジュール表を貼り、達成の都度、マーカー処理しましょう。たったこれだけのことで、脳を刺激し達成感を味わい、さらに「がんばろう!」という意欲が増してきます。

3. 障害を排除する
せっかく仕事に集中できたのに、メールやスマホが気になって中断するケースも多いものです。通常であればメールチェックは1日2~3回で十分です。時間を決めてそれ以外はチェックしないようにします。また集中力を阻害するスマホは別の部屋に置き、昼の休憩時間だけ使用するルールを守ることです。一旦スマホを覗くと、仕事とは関係のないSNSやネットサーフィンに入り込んでしまうため要注意です。

デスクの上は、処理する仕事に関係する書類だけ置き、一つの仕事をやり終えたら書類は全て片付けてから、次の仕事に取り掛かる「ワンオペルール」とします。関係のない書類が混ざるとミスや紛失につながり、ムダな仕事時間が増えてしまいます。

4. 仕事がやりやすい環境をつくる
(1) 部屋のレイアウト
集中できる部屋の配置で大切なことは、背中の向き方が重要です。これは人間の無意識の防衛本能によるもので、背中に空間が広がると集中できないと言われています。入り口のドアが視線内に入ることも大切です。後ろにあると、ドアが気になり、注意力が散漫になるからです。部屋で机の配置を考える時には、背中を壁に向けドアの入口の方へ向いて仕事をすると良いでしょう。机は本棚が目の前に付いていないものをお勧めします。目に本や漫画、ベッドなどが入ると、どうしても気が散ってしまうので、最初から視界に入れないようにします。また机を壁にくっつけて置いてみると、前に大きな壁があり、それが圧迫感を生みます。その圧迫感が心の中に抑鬱感生み、それが憂鬱感につながっていくといわれています。押入れをデスク代わりにすることはNGです。

座る位置のポイントは「採光」で、最も仕事や勉強に適している机の配置は、「窓を左側にした配置」です。このように座ると、太陽光が左から入ってくるので右利きの場合、勉強する際に手元が明るく、影が邪魔になりません。電気スタンドなどを使うときも同じように左側におきます。ちなみに左利きの場合は逆になります。また窓に向けて机を置くと気が散ってしまって勉強ができないという調査結果もあります。ちなみに集中力を高める色はブルー系やグリーン系の寒色系が良いとされています。カーテンなどに用いてみましょう。
参照:NHKテストの花道「徹底活用シリーズ第3弾 “場所”」
https://www.nhk.or.jp/hanamichi/p2012/121217.html

(2) 仕事とプライベートの環境を分ける
プライベートとのメリハリをつけるため、リビングで仕事をする際にはリビングのシャッターを閉めたり、パーテーション等で仕切ることです。これにより在宅の気配がなくなり、仕事に集中できます。

(3) デスクや椅子への投資
デスクにキャスターをつけると、移動が簡単になり普段は壁際に置いて洗濯物の片付けなどの作業台にし、仕事の時だけリビングの窓際に移動してデスクワークができます。
デスクワークは1日中、座り放しだと腰に負担がかかり、健康上良くありません。高さを変えられる昇降デスクにすると、立ったままで仕事ができ、脚のむくみなども軽減でき、肩こりや背中の痛みもなくなります。さらに眠気もなくなり、仕事に集中する時間が増えます。その上、無意識に余計なサイトを閲覧することがなくなることも利点です。

出典:afpbb.ismcdn.jp

立ちデスクワークの場合、パソコンはちょうどいい高さにできるモニターアームを使用します。

座る場合の姿勢も重要です。フットレストを置くと正しい姿勢で座ることができます。また長時間座っても疲れない高機能の椅子を購入してみることも在宅勤務を快適にするための投資です。

5.他社の社員から学ぶ・模倣する
在宅勤務を効率良くする工夫やコツは他社の社員から学び、模倣することが生産性を向上する早道です。

【在宅勤務、効率アップの工夫やコツの例】
●始業・就業時間、子供の送迎などの中抜け時間、仕事内容などの予定を同僚に事前にしらせておく
●資料作成、企画立案などに集中できる時間を確保しておく
●同僚と週間予定を共有、チームの仕事を「見える化」する
●メールやチャットのやり取りをダラダラと続けない
●家事などは休憩時間にまとめて済ませる
●メールでのやり取りする時間より電話や直接会って話すほうが早い場合は後者を選択する
●出勤する日と同じ時間に起きて、ひげを剃り、身だしなみを整える
●職場のメンバーに、何時までにどの業務を終わらせるとメールで周知し、自分にプレッシャーをかける
●家で社員証ストラップを着用し、家にいても仕事中だと子どもに分からせる
●在宅勤務の予定を事前に妻に知らせておき、外出を促す
●自室にこもり、入室禁止にする
●休憩時以外は私用スマートフォンの電源を切る
●普段の職場環境に近づけるため。静かになりすぎないよう音楽をかける
●職場のメンバーとのコミュニケーションをスムーズにするため、1時間ごとにタイマーをかけメールをチェック
※各企業の社員の取組事例から抜粋

出典:日本経済新聞(朝刊)2017年2月7日号
日本経済新聞(夕刊)2017年2月13日号

これらの5つのポイントを踏まえての在宅勤務により仕事とプライベートの両立を図り、ワークライフバランスを実現しましょう!

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