コラム「探し物の浪費への考察(2)」(2018年2月15日)

探し物の浪費への考察(2)

前回の考察では、探し物が発生する主要因は「元に戻さない」ことでした。その解決策は、「定位置管理」「元に戻す習慣化」「モノの総量管理」の3つであることを述べました。
これらの手段が整理整頓であることは誰もが理解しています。しかし頭で理解することと、行動することは別次元です。探し物の浪費がなくなれば、本来の仕事へ集中でき、仕事はうまく流れます。納期遅れも解消でき社内からもお取引先さまからも信用を得られ、会社の発展に貢献できます。このように探し物をなくすことは仕事のスムーズな流れをつくる大切な要素なのです。
「仕事の流れ化」を阻むものが「停滞のムダ」であり、「探す」「手待ち」「やり直しする」「転記する」「確認する」「割り込み仕事で中断する」などが挙げられます。結果的に余計な労力となり、残業時間が発生し、心身ともに疲弊します。中でも「探す」行為が1日数十分、浪費していることから、「仕事の流れ化」を念頭に置いた環境整備を行うことを最優先すべきです。

環境整備の一連の流れは、
分ける:要るモノと要らないモノを分ける。

捨てる:要らないモノを捨てる。

整える:要るモノを使いやすいように配置する。

流れる:業務の流れとモノの流れをマッチさせる(作業動線をつくる)。

保つ:モノの定量、保管・廃棄ルールなどを決める。
定期的に掃除し、きれいにする。
の5つのステップによる流れ化です。

物事はシンプルにし、わかりやすくすることで、行動が容易になります。そして行動を促すには、行動するための時間を割り当てることです。仕事のスケジュールに組み込めば否が応でもやらざるを得なくなります。行動の源泉は決意でなく、日々のスケジュール項目として業務時間に割り当てるだけです。現在のムダな労力をなくし、後に可処分労働時間をつくるための環境整備を行うのです。
またモノや仕事環境だけでなく、現在足枷となっている業務のマイナス要素をなくすことも後の可処分労働時間を生み出します。よく現場では多忙だからそんな余裕はないと必ず反対勢力が存在します。しかし仕事に追われており、余裕がないからこそ、一旦立ち止まってマイナスや障害の要因を抽出し、楽してより生産性が上がるよう現在の業務を清算すべきです。仕事の流れ化の「分ける」行為は業務については、要る業務と要らない業務を分けることです。仕事に追われている部署ほど、業務の棚卸しは重要な解決手段です。仕事の流れ化の実現にはモノや環境と同じく、業務そのものも避けて通れないからです。

探し物の浪費は単なる整理整頓ができていないことの裏返しというより、モノや仕事の流れをコントロールしていないことに原因があります。余計なモノに振り回されないためにも、まず環境整備による流れ化を実践することをおすすめします。

6割メドで!

上司から頼まれた仕事を
細部にまで手を抜かず
完璧に仕上げたつもりだったのに
「これ、趣旨からずれてるよ。
やり直して」と差し戻された!
という声を耳にしました。

文字のフォントやレイアウトに凝ってみたり
作図機能を駆使してグラフを描いたり
細部にたっぷりと時間をかけて
「これで完璧だ!」と張り切って
提出したのに、上司の意図とは
違うと指摘されて、やり直しになる・・。

時はすでに締め切り直前で
やり直そうにも十分な時間すらない。
上司からしてみれば
「そんなに時間をかけずにもっと早く見せてほしかった」
と思っているかもしれません。

では、どのくらいの完成度で
上司に見せるのがいいのかというと、
体感値としては、「六割」くらいの完成度
のタイミングでしょうか。

大体のラフ案ができた時点で
全体の構成や切り口、強調する
ポイントなどが間違っていないかを
すり合わせるイメージです。

「このような形で進めたいと
思いますが、いかがですか?
意向と違っていませんか?」
六割くらいなら比較的早めに仕上がります。
上司のアドバイスを受けて
軌道修正しながら
残り四割の完成を目指す。

「ここだけは外してはいけない」
というポイントや、
「ここを間違えると元も子もない」
というポイントが仕事にはあります。
そのポイントさえずれていなければ
あとは肉づけすればよいのです。

ナレッジワーク系の仕事は、
ついつい時間をかけすぎてしまい、
完璧を目指そうとすると
時間がいくらあっても足りません。
凝りすぎて納期に遅れてしまったということでは、
本末転倒です。

質とスピードの程良いバランスも、
大事なポイントですね!

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