学びの最先端

本日訪問した京都府立清明高等学校は、
最先端の学びが体現されており、
見学時間中、感動の連続でした。

「学びアンダンテ」という基本コンセプトのもと、
一人ひとりの生徒が、自分のペースで、
ゆっくり・じっくり・しっかり学習し、
自己の成長を実感できる教育を推進されています。
これぞ自己肯定感の醸成。

生徒一人ひとりがタブレットを持ち、
ICTを活用した学習指導がなされています。
タブレットは、1年目は学校貸与、
2年目以降は全員個人購入となります。

自らの課題や進路に応じた自学自習スタイルで、
先生と双方向でやりとりしながら、
「自分に合ったものを選んで、自分のペースで学べる」。
これぞ完全カスタマイズの学びです。

入学時、2度の面談を経て、
自分はどういった方面の力を伸ばしたいのか、
どこに進学したいのか、個々のゴールを
設定するところからスタートだそうです、すごい!

個別学習と一斉学習、協働学習が交わりあい、
柔軟な教育システムが確立されている様に、
感動しました。

校内のレイアウトや色調、空間の取り方、
自然の取り入れ方にも随所に細やかな
配慮がなされていて、これまた驚きの連続でした。

先般ATDで話題になっていた
「マイクロラーニング」や「アジャイル」が
この学校では実践されています。
まだまだ知りたい、清明高校です!

2017年8月開催の公開セミナー情報を追加更新しました

2017年8月開催の公開セミナー(2件)を追加しました。

《8月5日(土)》2017年度 中堅保育士研修 主催:サポートシステム(大阪)担当:西村 実花

《8月26日(土)》2017年度 中堅保育士研修 主催:サポートシステム(東京)担当:西村 実花

その他はこちら⇒ 公開セミナー一覧

どんな社員も成長させる<若手社員の育成法>(コラム2017/06/05)

どんな社員も成長させる<若手社員の育成法>

最近、新入社員ではなく、OJTリーダーや先輩社員が5月病になるケースがあるようです。指示や教えたことを理解できない新入社員へのイライラを募らせてしまうためです。
そして、その結果、育成を諦めて放任する、感情に任せて叱責し、新入社員を離職させてしまうこともあります。

仕事を理解するスピードが多少遅くても、指示の理解度が低くても、素直、まじめ、一生懸命に学び、自身の行動を改善する姿勢があれば成長します。
しかし、自分なりの判断基準や持論にこだわり、指示やアドバイスを素直に受け止めないと、学びの機会と量が減り、成長スピードが遅くなってしまいます。

スタンフォード大学・心理学教授のCarol Dweck(キャロル・ドゥエック)博士は、このような状態を<Fixed mindset>(固定された思考態度)と呼びます。
博士の研究によれば、<Fixed mindset>を持つ人は、「人の能力や創造性は天性のものであり努力しても変わらない」と考えます。そのため、失敗を恐れ、挑戦を避けます。
一方、<Growth mindset>(成長する思考態度)を持つ人は、努力すれば成長することを信じているため、「学びたい」という意欲から、すべての行動が始まります。
そのため、挑戦を喜んで受け止め、逆境にあっても粘り強く耐えます。
そして、博士は、<Fixed mindset>を<Growth mindset>に転換できることを証明しています。

人財育成に当たる人は、自身が<Growth mindset>の持ち主であることが求められます。その上で、<Fixed mindset>の若手社員を育成する際には、相手の成長を信じ、粘り強く係わり、育成方法を工夫していただきたいものです。

<Fixed mindset>の若手を育成する際の留意点は、以下のとおりです。

・わかりやすい指示・説明と確認
・スモールステップで成功体験を積ませる
・適切なフィードバック
・ポジティブ表現を使う
・努力により大きく能力が伸びた体験談(事例)を話す

 

◆わかりやすい指示・説明と確認
忙しい現場では、指示や説明が丁寧とは言えません。
理解力の高い若手社員であればそれでも問題ありませんが、<Fixed mindset>を持つ社員は、自分なりの解釈をする傾向がありますので注意が必要です。
段階を踏んで話し、メモを見ながら復唱させ、意図どおりに伝わっているかどうかを確認してください。

◆スモールステップで成功体験を積ませる
  業務全体を説明して一気にやらせるのではなく、まず、確実にできそうな一部をやらせます。そして、指示した業務が完了した後に次のステップの指示を出します。
ダメ出しばかりではなく、「丁寧にやってくれて助かった」「早かったね」などのフィードバックと同時に改善点を指摘しましょう。

 

 

 

 

◆適切なフィードバック
フィードバックとは、ある行動に対する評価を伝えることです。
良かった点と改善点、次の段階に進むための留意点をセットにして伝えましょう。
一方的なフィードバックではなく、最初に本人に振り返りをさせ、その後に、こちらのフィードバックを伝えます。
そして、フィードバックは、行動の直後に行うと効果が高まります。

◆ポジティブ表現を使う
若手社員、特に新入社員に対しては、どうしても、できていないことを指摘する場面が多くなります。課題を向き合うのは大切なことではありますが、<Fixed mindset>を持つ社員は、課題の指摘を自分自信にNGが出されたと受け止め、学んで成長することを諦めてしまいます。また、脳は、否定形を理解しづらいと言われています。
課題を伝える時は、「●●を変えたらもっと良くなるよ」「●●はできているから、次は○○○に挑戦しよう」などとポジティブ表現で話します。
また、注意を促したい時も、「期限に遅れないよう提出すること!」というより、「○月○日の何時までに必ず提出」という表現のほうが理解されます。

◆努力により大きく能力が伸びた体験談(事例)を話す
<Fixed mindset>を持つ社員は、成功事例を聞くと「あの人は、元々能力が高いから私とは違う」と捉える傾向があります。
成功事例から学ぶことは大切ですが、うまくいったことだけでなく、「こんな苦労があった」
「以前は、○○さんもダメ出しをされることが多かった」など、課題を克服して成長した事例を話すほうが学びにつながります。


社員の成長スピードやマインドセットには多様性があります。
優秀だから伸びるのではなく、貪欲に学ぶ姿勢があるから伸びるし、その姿勢を作るのが育成を担う者の使命、と考えたいものです。