459回目の成功確率

昨夜は、ユーグレナ出雲社長の講演を聴きました。
東大発ベンチャー企業として、
初めて東証一部上場した会社であり、
出雲社長はいつも、ミドリムシをイメージさせる
緑色のネクタイを締めていらっしゃいます。

久しぶりに感動し涙が出た講演でした。
ストーリーテリングの素晴らしさ、
体現者だからこそ伝わってくる想いに
心が震えました。

出雲社長は、18歳で初めての海外、
バングラディシュに行きます。
そこで直面したのは、この世界一の最貧国の子供たちは、
お腹がすいて困っていることはなかったが、
肉、魚、卵など動物性たんぱく質や野菜、フルーツが
不足して、多くが栄養失調であるということでした。

帰国して食べ物についていろいろと調べ、
ミドリムシに行きつきます。
植物が持つ栄養素と動物が持つ栄養素を持つ
珍しい生物。これさえあれば、世界中の栄養失調の
子供たちを救うことができる!
そんな想いで、苦労に苦労を重ね、
屋外大量培養に成功するのですが、
この素晴らしさをわかってくれる企業はどこにもありません。
500社まわり、1社も相手にしてくれない。
万策尽きたと思った頃、
「伊藤忠商事」との出逢いで、どんどん世の中に認知され、
力を貸す企業も増え、運命は変わっていきます。

講演の後半に、出雲社長は問いかけられました。
「日本で一番高い山は富士山と誰でも答えられるが、
2番目は分かりますか?一番でなければ、
人に認知はされないし、影響力は及ぼせない。

「私はお金がないから、一番になれるわけない」
「才能がないから」「頭が良くないから」「人脈がないから」。
こう考える人がいかに多いことか。
しかし、お金があっても、才能があっても、頭が良くても、
一番になれない人はいる。
つまり、これらのものは「一番になる」上で必要不可欠ではない。
では何が必要か。

「たとえ、成功率が1%であったとしても2回挑戦したら、
成功率は1.99%になる」。
3回挑戦したら、成功率は2.9701%になり、
4回目は3.940399%、5回目は4.90099501%に成功率が上昇する。
そして、50回挑戦すると39.4994%と成功率は3分の1に、
100回挑戦したら63.3968%と成功率は3分の2になる。
459回挑戦したら99%になるのです。

とにかく試行回数を増やすこと。
何回、何十回やるかどうかということが、
一番になるかならないかの最大の分かれ目なのだと。

最後に地球が壊れだしている脅威にも触れ、
「ユーグレナは、2020年までに
ミドリムシをつかったジェット燃料で
関空から石垣島行きの旅客機を飛ばす。
成功するまで500回でも1000回でも挑戦する。
きっとそれは実現できる未来」なのだという話には、
その情景がありありと見えました。

「ちょっとやったくらいで、これはだめだ・・なんて、
あきらめてはいけない!」
そんな啓示をいただいたように思います。

黄金の15分

忙しいとついやってしまう。
しかし、低いパフォーマンスしか得られないのが、
”1日の予定を隙間なく埋めてしまう”こと。

準備も振り返りも行う暇なく、ドドドドーっと
次の予定に向かっては、
質の高い時間の使い方とは言えません。

『成果を上げるビジネスパーソンは、
1日を90分単位に分解している』とは、
よく耳にする話です。

60分の商談であれば、
前後に15分の準備タイムと、
終わったのちの15分をおろそかにしない。

準備の15分は、今日のシナリオを
シミュレーションしたり、心を整える時間。
終わったのちの15分は、商談の内容を
一気にまとめ上げ、関係各位に情報共有を行う。
この前後の15分が、生産性を一気に引き上げますね。

忙しいときほど、
黄金の15分を大事にしたいです!

OPTION B

連休中に読んだ「OPTION B」。
フェイスブックCOOの
シェリル・サンドバーグ氏と
心理学者アダム・グラント氏の共著です。

前著、『LEAN IN』の後、
シェリルは休暇中に、最愛の夫を失います。
フェイスブック最高執行責任者として活躍し、
理解ある夫と2人の子どもに恵まれて、
完璧に思えた人生を突如襲った悲劇。
打ちひしがれた彼女は、
心理学者グラント氏に助けを求めます。

”悲嘆から逃れることはできないが、
痛みを和らげる方法はある”。
そう諭すグラント氏と、
レジリエンスについて考察を深め、
生まれたのが本書です。

「バラ色」だけの人生を送っている人なんて、
ひとりも知らない。生きていればだれだって
苦難に遭遇する。前もって察知できる災難もあれば、
不意を襲われることもある。
こういうことが起こったときに考えるべきは、
「次にどうするか」である。

理想とする人生プラン(オプションA)が実行不可能となったとき、
それに代わる新たなプラン(オプションB)が必要です。

心理学者のマーティン・セリグマンは、
人が失敗や挫折にどのようにして対処するかを研究し、
以下の「3つのP」が、苦難からの立ち直りを
妨げることを明らかにしました。

•自責化(Personalization:自分が悪いのだと思うこと)
•普遍化(Pervasiveness:あるできごとが人生のすべての側面に影響すること)
•永続化(Permanence:あるできごとの余波がいつまでも続くと思うこと)

つらいできごとが、
「自分ひとりのせいではない、すべてではない、ずっとではない」
ことに気づけば、立ち直りが早くなるということですが、
喪失がもたらすダメージは、ことのほか大きい。
改めてそのことを痛感しました。

誰も見ていなくても

『禅語エッセイ』は折に触れ読み返す、愛読書です。
自分を省みて、気付かされることも多くあります。
今日開いたページに書いていた言葉も、
とっても響くものでした。
以下、引用させていただきます。

誰かのために頑張ることは尊い。
けれども、そこに見返りや感謝を望む気持ちが
少しでもあるとしたら、それは最終的に
自分のためにやっていることだと、
わかっておいた方がよい。

自分のためなのだから、
感謝されなくても、
気づかれなくても
うっとうしがられても、
いいのだと気づこう。

感謝さえ求めず、
無償で頑張れる自分を誇りに思おう。
その行動を見ている人はいなくても、
あなた自身はしっかり見ている。
そして天もあなたを見ている。

ついつい、○○してあげた、などと
思ってしまいがちですが、
すべては自分のためなんだ、と
思えたら、ずいぶん楽になれますね!

やる気を迎えに行く!

大きな塊の仕事って、
ついつい先送りにしたり、
やる気が出なくて
先延ばししてしまう事がありますが
”まずは5分だけやってみる”を実行してみることで、
思いがけずはかどるものです。

「やる気が出ない」のではなく、
やり始めないから、やる気が出ない。
脳のやる気スイッチ、”淡蒼球”は、
やり始めることでオンになると言います。
行動できないとしても、
「まず何も考えずにやってみる」ことで、
思いがけずやり切ってしまえることは、
結構ある、ということを実感します。

「やる気は高めるよりは、身体で迎えに行くもの」。
脳科学者の池谷裕二さんの言葉。

「やりはじめる」。
「身体を心地よくする」
「笑顔になる」。

確かに、朝からストレッチをすると、
身体も心も軽くなり、
やりはじめることでゾーンに入り、
早朝ワークもはかどりました。

PQ(ポジティブ・インテリジェンス)

PQとは「ポジティブ・インテリジェンス」。
ポジティブ思考の知能指数とも言うべき能力のことで、
ハーバード大学でも人気だった、
ポジティブ心理学に関わっていた、
ショーン・エイカー氏が伝えています。
IQ,EQ,SQは聞いたことがありますが、
PQは初めて。ということでちょっと調べてみました!

脳をポジティブに訓練することは、
ジムで筋肉を鍛えることとあまり変わらない。

エイカー氏は、「ありがたいと感じる3つのよいことを書き残す」や、
「自分と関わる誰かにポジティブなメッセージを書いて渡す」、
「机の前で2分間の瞑想をする」
「24時間で最も意義深い経験を2分間で日記に書く」
などのアドバイスをしています。(ハーバードビジネスレビューより)。

そして、最も効果的だと思われる習慣は、
「人を支援すること」だと。
ソーシャル・サポートは、
毎日の運動と同じくらい寿命に関係することがわかっており、
社交的関係が低いと高血圧につながることもわかっていて、
とくに高いストレス下において、人との関係は非常に有効であると。

助けはそれを「受けること」以上に「与えること」に
意味があり、小さな親切を数多く行うことは、
幸せに感じる体験や生きるための意欲につながるのですね。

出逢う人たちに、笑顔で心を込めて挨拶をするだけでも、
相手はもちろんのこと、自分の幸福感を向上し、
「幸福優位性」をもたらすのです!

ホメオスタシス

人間に備わっているホメオスタシス(恒常性)。
ケガをしたら修復し、風邪をひいたら熱が出て汗をかき、
ウイルスが侵入したら、免疫システムが病原菌を攻撃する。
体を普段の状態に戻そうとするこの力のおかげで、
健康に生きていけるのです。

これは心においても同様だそうで、
コンフォートゾーンに留まろうとする。
確かに普段と違うことをするのは、
居心地の悪さや、不安を感じてしまいます。
新しいことへのチャレンジは、恐れや緊張も伴います。
となると、そもそも人とは、”変化を好まない”、とも言えます。

しかし、変化とは創造へのプロセスです。
「恐れ」とは、創造の兆し。
変化、というよりは新たな創造、ということに
焦点をあてると、創造的な未来につながるのですし、
そのプロセスを楽しんでみたいものですね。

人は縁の中で生きる

『生きているということは、
誰かに借りをつくること
生きているということは、
その借りを返していくこと

誰かに借りたら、誰かに返そう
誰かにそうしてもらったように、
誰かにそうしてあげよう

誰かと手をつなぐことは、
そのぬくもりを忘れないでいること

巡り合い、愛し合い、
やがて別れのその時、
悔いのないように今日を明日を生きよう

人は一人では生きてゆけないから
誰でも一人では歩いてゆけないから』

この詩を読んで、これまでどれだけたくさんの方に
縁をいただき、お世話になってきたことかと思います。
人は皆、縁の中でしか生きられないと、
つくづく思います。

傲慢になることなく、時折この詩を読み、
自分を省みたいです。

AIがもたらすこと

本格的なAI時代到来は、2020年。
そんな記事を読みました。

『スマートフォンのように、
新しいテクノロジーが脚光を浴びて、
「当たり前」になるまでには、
およそ7年かかると言われているが、
AIブームのきっかけである、
ディープラーニングが話題になったのが、
2013年なので、その7年後が
2020年』というわけです。

筆者のリバネスCEO丸幸弘氏は、
「AIが人の仕事を奪うことはなく、
むしろAIは人が担ってきた
”苦役”を肩代わりしてくれる存在だといいます。
AIはきっちりとしたことが得意な機械学習。

情報や数値の整理整頓をAIが担ってくれることにより、
人がより、人らしさを発揮できる方向に
シフトしていくということは、
人の価値はむしろ上がっていくのだ、
という言葉には、勇気づけられます。

たとえば、人と人のつながりを実感できるような対応や、接客。
もやもやした何かについて、ああでもない、こうでもない、と、
ぼーっと物思いにふける、というようなことが、
これからの人にとって、極めて重要な仕事になっていくのですね。