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BPS代表 藤井 美保代

2026年11月2日

ATD報告①

先週は、ATD 2026 Asia Pacific Conference & Expoに
参加しましたが、台湾からはWordプレスにアクセスできず、
1週間遅れの報告です!

会場は、台北101のすぐ隣にある 台北国際会議センター。
今年のテーマは、 「Connected People: Aligning AI and Strategy」
初日トップバッターでの基調講演はダン・ポンテフラクト氏。
誰もがAIの話をしている中で、 彼はこう切り出しました。

働き方の未来には二つある。 みんなが見ている「AI」と、
見過ごされている「AGE」つまり年齢だと。
日本の65歳以上は29.6%。
台湾の出生率は0.695。

アジア太平洋は急速に 高齢化しているのに、
職場では年齢が まるで負債のように 扱われている。
いちばん心に残ったのは世代ではなく 「キャリアの時代」で
見ようという話です。

組織は若手のRivers(川)、 中堅のRocks(岩)、
熟練のRubies(ルビー)の 組み合わせである、と。

そして、こう続きました。
どのルビーも、 川の流れに時間をかけて 磨かれた岩なのだ。
シニア世代としては泣ける・・。

年齢を「負債」から「経験の配当」へ。
そのための道具として 長寿を企業文化として受け入れる
Longevity Lens、辞める前に知恵を循環させる Wisdom Wheel、
キャリアは梯子ではなく キャンバスだとする Career Canvas、
この三つが示されました。

日本企業こそ、 正面から考えるべきテーマだと 思います。
午後、最初のセッションは ブーシャン・クルカルニ氏。
冒頭の一言が、 これでした。「AIは研修準備を早くするだけ」。
AIのおかげで教材は速くつくれるようになりました。
けれど、それで現場の成果は 変わったのか。
能力が育たない原因として 挙がったのは六つ。

①良い仕事の基準があいまい
② 必要な知識が仕事中に届かない
③ 業務の流れが邪魔をしている
④ 上司が学んだことを実践する後押しをしない
⑤ フィードバックがない
⑥測っているのが研修の受講率だけ

AIが社内に定着しないのも ツールが悪いのではない。
人、業務、ルール、成果が つながっていないから。
導入は目に見える。 けれど価値を生むのは つなぐことのほう。

次のセッションは、 スーザン・ファウラー氏。

やる気を出させる、 というやり方は 実はうまくいかない。
人が本当に生き生きと働けるのは、 三つが満たされたとき。

①自分で選んでいるという感覚
② 人や自分の目的とのつながり
③ 成長している実感

モチベーションはスキルであり、
上司やコーチの関わり方次第で人の活力は変えられる。

4つめは、 日本から登壇された 中原孝子さんのセッション。
Slidoに都度入力するというインタラクティブな進行で楽しかったです!
AIはアウトプット素早く大量に出し続けるけれども、
その裏にある思考プロセスはブラックボックス。
そこで必要になるのが、ブレない基準「アウトカム(成果)」。
AIの出力は変わり続けます。
でも、ビジネス戦略が変わらない限り、
組織が目指す成果は変わらない。

だから、成果物の出来栄えを見るのではなく、
「その成果に対して、AIと人それぞれに何を期待するのか」
と考え方を切り替えよう、という話でした。

そのための考え方が、HPI(ヒューマン・パフォーマンス改善)。
HPIは、パフォーマンスの問題を
「スキルが足りないから研修を」とは考えません。
中原さんの長年のコンサルタント経験では、
問題の原因の80〜85%は、個人ではなく組織の仕組みにあるという。

まずビジネスを理解し、
「期待されるパフォーマンス」をはっきりさせる。
ここが、日本企業ではあいまいなことが多いのだとか。

思い当たる節、確かにあります・・。

アウトカム(成果)→ アウトプット(成果物)→ インテリジェンス(考える仕事)という見方も大切。
成果を生む成果物は何か。
その成果物をつくるタスクの裏で、
どんな思考が働いているのか。
たとえば「影響を要約する」というタスクの裏には、
「重要な情報を抜き出す」という思考がある。
そこまで分解して初めてどこをAIに任せ、

どこを人が担うのかが見えてくる。

そうしないとAIのおかげで「良さそうに見える」だけで
終わってしまう。ツールを入れたことを、
パフォーマンスが上がったことと取り違えてしまう。
定型的で予測しやすい仕事はAIへ。
意味や文脈、例外が多い仕事は人へ。
合言葉は、「AIが材料をそろえ、最終判断は人が持つ」

そんなメッセージの数々が印象に残った初日でした。

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