先日の日経新聞夕刊に掲載されていた、
京都大学山極総長の「私のリーダー論」。
面白かったです。
以下、一部引用致します。
【ゴリラのリーダーシップその1】
ゴリラのリーダーに求められるのは『負けない心』なんです。
攻撃し合わずに張り合って、周囲も自分も納得して引き分ける。
人間も『負けない』という姿勢によって、
並列社会をつくってきたのだと思います。
勝とうとする精神は、相手を屈服させ排除しようとするので、
自分はだんだん孤独になっていく。
でも負けまいという姿勢は、相手を対等に見るので、
友達を失わずに済む。だから仲間ができる。
そうやって人間の集団もつくられていったのでしょう。
ゴリラと人間の社会の底流に流れているものは極めて近いと思います。
【ゴリラのリーダーシップその2】
大事なことは公平であることです。
リーダーは、メス同士や子ども同士の間に起こった
トラブルを仲裁しますが、決してえこひいきはしない。
えこひいきをすると、されなかったほうは恨みを抱き、
離れていこうとしますから。どちらかに加担することなく、
トラブルそのものを瞬時に止める。そこから信頼感が芽生えます。
【ゴリラのリーダーシップその3】
ゴリラは言葉を話しませんから、態度が非常に重要です。
まさに『背中で語る』。
ゴリラのリーダーは、メスに対しては決して後ろを振り返りません。
君らがついてくるのは振り返らなくてもわかっているよ、
という威厳を見せないといけないからです。
でも子どもがついてくるときは、振り返る。ちゃんと気遣っているよ、
というのを態度で示すのです。リーダーは子どもに頭を叩かれても、
毛を引っ張られても動じません。200キログラムもある体を安易に動かすと、
子どもを踏み潰してしまう危険もあるからでしょうが、その泰然自若ぶりは見事です。
勝ち負けを決めないゴリラから学べること、
大いにあるなあ、と思います。