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BPS代表 藤井 美保代

2026年3月16日

多様体としての自己

先日、湯河原で開催された「多様体としての自己」講座に
参加しました。

仏教の唯識の考え方と、心理療法であるACT
(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)や
IFS(インターナル・ファミリー・システムズ)を手がかりに、
「自己を一つの固定した存在ではなく、多様な側面を持つものとして捉える」
というテーマを探究する時間でした。

普段、私たちは「自分はこういう人間だ」と、
一つのストーリーで自分を説明しがちです。
しかしIFSでは、人の内面にはさまざまな“パーツ(部分的な自己)”があり、
それぞれが役割を持っていると考えます。
仏教でも、固定した「実体としての自分」は存在しない
という見方があります。
ACTもまた、思考や感情に巻き込まれるのではなく、
それを「観察する視点」を育てることを大切にします。

この三つの理論には、いくつかの共通点があります。

一つ目は、「観る主体」を育てるということ。
感情や思考そのものではなく、それを眺める視点を持つことで、
少し自由になれそうです。

二つ目は、「戦わない」という姿勢。
不安や怒りなどの感情を無理に抑え込もうとすると、
かえって強くなります。ACTでもIFSでも、
それらを排除するのではなく、まず存在を認めることから始めます。

三つ目は、「関係性が変わると全体が変わる」という考え方です。
内面の一つのパーツとの関係が変わるだけで、
自分の感じ方や行動が自然と変化していく。
人の心は、関係性のネットワークなのだと実感しました。

今回の講座を通して、「自分を変えなければ」と頑張るよりも、
「自分の内側とどう関係するか」を見直すことの大切さを実感した次第です。

自己理解とは、自分の内側にいる多様な声に気づき、
少し距離を取りながら向き合うことなのかもしれません。

そう考えると、「自分」という存在は、
思っている以上に柔軟で、可能性に満ちているのですね。

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