2016年12月1日

マンスリーレポート2016年12月号

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50代からのキャリア自立【2】
~転機を乗り切る戦略~

◆貢献意識を持ち、自身の存在価値を高める

50代以降は、いくつかの転機が訪れます。
仕事の面では、役職定年による役割変化、定年再雇用による勤務体系の変化と報酬ダウン、定年退職、セカンドキャリアスタートという転機が、また、私生活においては、自身の健康問題、親の介護問題による生活の変化が気になる時期です。
転機においては、先が見えないことが最大の不安要因になります。役職定年前後の社員からは、「自分の立ち位置がわからない」という声が聞かれます。「立ち位置」とは、役割や周囲からの期待を指すようです。役職定年を迎えたことで「お役ご免」という意識が芽生え、最低限のことしかしなくなる方もいます。
一方、会社としては、役職定年後、再雇用後も、会社に居る限りは存在感を発揮して欲しいと願っています。会社からの期待と50代社員の意識のズレが、中高年社員マネジメントの難しさを生んでいるようです。

50代社員が自身の存在価値を高め、働くモチベーションを持ち続けるためには、以下2つの対策が必要です。
1. 周囲のニーズ(仕事の需要)を自ら探し、フットワークよく動く(周囲への貢献意識)
2. 定年後の働き方、暮らし方のイメージを描き、少しずつ準備を始める(「先」が見えるようにする)

◆転機を乗り切る戦略を立てる

<転機の理論>として有名なシュロスバーグ理論では、下図の3つのステップで転機を克服する戦略を立てます。
※ナンシー・K・シュロスバーグ 元「NCDA」(全米キャリア開発協会)会長
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ステップ1の「変化を見定める」では、具体的に何がどのように変わるのかを書き出します。定年後の変化が気になるようなら、在宅時間、行き場所、報酬、人との付き合いなどが、どのように変わるのかを明示します。
ステップ2では、転機を乗り切るリソースをリストアップします。例えば、行き場所を作りたいのであれば、ボランティア、趣味の集まり、仕事先の確保など、行き場所の候補をリストアップします。
最後に、ステップ3では、転機を乗り切るために必要なリソースを獲得・強化するための具体的な行動計画を立てます。避けられない変化を乗り切るためには、行動を起こし、変化を生かすことに時間を使うことが大切です。
キャリアの転機は偶然に訪れることが多いのですが、幸運は、準備と偶然が重ならないと起こりません。
在職中の貢献意欲を求めるためにも、セカンドキャリアに必要な準備を考え、行動することが必要です。そのことにより、多少は先が見えるようになり、不安が低減し、モチベーションを下げることなく働くことができます。

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