2016年8月30日
マンスリーレポート2016年9月号
新入社員・若手社員の効果的な育成【3】
~業務の全体像をイメージできる教え方~
前号のマンスリーレポートで、新入社員が新しい業務を修得する際のステップは【守・破・離】で表すことができ、【守】の段階では、業務の全体像をイメージできるよう体系的に教えることが大切であることをお伝えしました。
「自分に能力がないと感じる」「周囲に貢献している実感がない」というのは、新入社員が入社の半年後に感じる代表的な悩みですが、「貢献実感がない」と感じる理由は、業務全体のどの部分を担っているかわからず、バラバラな業務をこなしており、しかも、うまくいかないことが多いためです。
現場のOJTでは、全体像を体系的に伝えることなく、日々発生する業務を次から次に新入社員に教えることが多いのではないでしょうか。そのことが、上記の悩みを生む一因になっています。
◆全体像の示し方例<シェイピング>
以下は、行動科学の手法である「シェイピング」を使い、営業のプロセス全体像を図示したものです。
多くの企業で、このような業務プロセスおよび各プロセスでパフォーマンスを生み出す行動は暗黙知化しています。熟練した社員でも、プロセスを可視化し、各プロセスでパフォーマンスを高めるための行動を共有することにより多くの気づきが生まれます。
シェイピングを使って全体像を可視化することは、新入社員育成に留まらず、すべての社員のやりがいとパフォーマンス向上に役立ちます。