2023年3月6日

若手世代の特徴と育成の留意点

若手社員の指導・育成は、組織を活性化するための重要なポイントです。 若手社員の育成を成功させるためには、指導・育成をOJTトレーナーだけに任せるのではなく、人財育成のビジョンと関わり方の留意点を全社員が共有して同じベクトルで育成に当たることが大切です。
本コラムでは、若手世代の特徴と育成の留意点をご紹介いたします。 若手育成のビジョンや指導・育成の共通語醸成に役立てていただければ幸いです。

~目次~

Z世代の特徴と関わり方の留意点

新入社員が教育係に求めること

若手社員の主体性を伸ばす育成とは?

◆若手の主体性を伸ばし、課題への対応力を強化する3つの方法

1.Z世代の特徴と関わり方の留意点

1996年ごろから2010年ごろまでに生まれたZ世代は、2023年時点で26歳くらいの人から2032年頃までに入社する社員がZ世代に属します。
Z世代の顕著な特徴として挙げられるのが、デジタルネイティブ、SNSネイティブで年代、性別、国籍、価値観の違いを気にしないオープンなミュニケーションに慣れていることです。
また、仕事や働き方、価値観については以下の特徴があると言われています

※Chatwork websiteの記事を基に加工・編集 

https://go.chatwork.com/ja/column/efficient/efficient-526.html

仕事や働き方の特徴

  • ワークライフバランスを重視する
  • ひとつの職場に固執しない
  • 柔軟な働き方を求める
  • 効率性を重視する
  • 安定を求める

●価値観

  • 多様性を受容する
  • 協力や連帯感を大切にする
  • 「自分らしさ」や「自己実現」を大切にする
  • 社会・環境問題への関心が高い
  • コスパ、タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する

以上の特徴から、彼らと関わる際には、以下のことを留意することで良い関係を築くことができると言われています。

●関わり方の留意点

  • 傾聴を意識する
  • 彼らの価値観を尊重する
  • 目的や背景を共有する
  • オープンコミュニケーションを意識する
  • 感謝や賞賛を言葉にする(承認欲求が強い)

2.新入社員が教育係に求めること

■「ハーバードやMITは古い–スタンフォードこそ本当の“教育の革命”に取り組んでいる」

マイナビCAREER RESEARCH LABでは、「いまどき新入社員の伸ばし方」という調査を実施しており、2023年のテーマは「理想の教育係」とは?」です。 この調査では、「教育係に求めること」として以下の結果が紹介されています。

この調査結果もZ世代の特徴をよく表しており、「自分の価値観を認めてオープンに接してくれる」「失敗しないようにフォローするのではなく問題が起こった時に一緒に解決してくれる」穏やかでオープンな伴走型の教育係が求められているようです。

3.若手社員の主体性を伸ばす育成とは?

以前から指摘されてきたことですが、会社に対するエンゲージメント(愛着)が低下し、離職・転職に対する抵抗感が減少する傾向は、年々強くなっています。

これまでZ世代の特徴と関わり方をご紹介しましたが、こうした全体的な特徴に当てはまらない若手社員も存在しますので、育成に当たっては、先入観を持たず1人ひとりの特徴をしっかり考慮して対応することが重要です。

今回は、上記を前提に、現代の若手社員の主体性を伸ばす育成について考察します。

この数年、内定者研修、新入社員研修を通じて感じるのは、「正解を求める」傾向が強く、パターン外の課題に対応する力が弱いこと、「ワークライフバランスを重視し、仕事を楽しみたい」と考える若手社員が増えたことです。

正解を求めるが故に、曖昧なことに対して自ら一歩を踏み出さない(正解のわからないことに主体的に取り組んだ結果、失敗したり間違いを指摘されたりして傷つきたくない)、楽しく仕事をしたいが故に没頭するような働き方をしたくない、という意識が働くように思います。

仕事を楽しむのは大切なことですが、試行錯誤して困難を乗り越える段階を経て【楽しい】領域に到達するのであって、「最初から最後までわくわく楽しい仕事」は存在しません。ゲームのように最初は熱中して取り組み、飽きたら次の楽しいことに取り組むという姿勢では、仕事で成果を挙げる楽しみに到達することはできないのです。

そして、仕事の現場では、早期に主体性を発揮する社員を求めています。主体性を発揮することを躊躇する傾向がある若手社員と主体性を求める上司、先輩社員の間にはギャップが生まれ、双方にストレスが溜まります。その結果、早期離職という選択をする社員が増えているのは残念なことです。

しかし、「失敗を恐れず挑戦せよ!」という掛け声だけでは彼らを主体的にすることはできません。

では、どのように接すれば良いのでしょうか?

◆若手の主体性を伸ばし、課題への対応力を強化する3つの方法

1. 意識的かつ頻繁にフィードバックを行う

フィードバックとは、行動の具体的な評価を行動した相手に伝え返すことをいいます。フィード(Feed)の意味は食べ物を与える、つまり栄養を与えることを意味しますので、フィードバックは、相手の糧になる内容であるべきです。

単に褒める、叱るではなく、次の行動を改善することに資する内容であって欲しいものです。

2. 指示、命令、依頼する時は、背景(理由)を添え、実行後にフィードバックする

「明日までに●●業務を完了する」という指示の場合、なぜ明日なのかを伝え、他業務との兼ね合いを確認し、優先順位を考えさせます。

さらに、業務完了後にはフィードバックを忘れないようにしましょう。

褒めるだけでなく、完了した業務の質、要した時間、工夫などについて示唆を与える内容とします。改善が必要な場合は、こちらから一方的に話すのではなく、若手に考えさせる質問を行い、考える癖をつけることが大切です。

3. 質問により問題解決思考を鍛える

例えば、若手社員がミスをした時、どのように問いかけますか?

多くの方は「なぜミスをしたと思う?」と原因を問う質問をされるのではないでしょうか?確かに原因究明は重要ですが、他者から「なぜ●●したのか?」と問われると、多くの人は、自分が責められている気がして言い訳をしようとします。

「正解ではないことをすると自分自身に×印が付く」という意識が強い若手社員には、特にこの傾向が強く見られます。

そのような場合は、「どのようにしたらミスが防げると思う?」「次はどうする?」という質問に変えると、頭の中が解決思考に切り替わります。 そして、解決思考が習慣化すると、新たな課題にチャレンジすることのハードルが下がります。

このように、若手社員への関わり方を変えることにより、彼らの主体性を高めることが可能です。

若手社員育成に当たっては、彼らと関わる管理職やリーダーの接し方を見直す機会が必要ではないでしょうか?

BPSの研修は、若手社員の指導・育成に不可欠なフィードバックについて詳しく学んでいただくプログラムや

部下育成・指導のポイントを身に着けていただくプログラムをご提供しています。 若手社員育成に携わる方のスキルアップにご活用ください。

他参考プログラム:部下・後輩のやる気を引き出すフィードバック研修若手社員モチベーション向上研修

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