2018年8月9日

コラム「新卒採用にみるイノベーション」(2018年8月9日)

新卒採用にみるイノベーション

新卒採用の方法は、時代とともに変化してきました。

(HR NOTE webサイトより)

上記年表に見られるように、1980年頃から新卒向け合同企業セミナーが開催され、1995年頃からは、Web求人広告が登場しました。2000年頃からは、新卒の人材紹介サービスが誕生。その後は、学生がイベントやwebを通して自己PRを行い、企業がそれを見てアプローチする<スカウト型採用>やSNS(FacebookやTwitter)を利用したソーシャル・リクルーティングが始まります。
そして、2015年頃からは、自社を知ってもらうために学生と自社社員とが気軽に話せる場を設定する<ミートアップ>を取り入れる企業が出てきました。さらに、2016年からは、大量の学生のデータから自社に合う人財をマッチングする<AIマッチング>という手法がスタートしています。

自社の成長の担い手を発掘、採用するために各社ともしのぎを削っているわけですが、日本の若年人口の減少に伴い、優秀な新卒の採用はますます困難になっています。しかし、そのような現状においても、自社の戦力となる新卒人財を確実に採用できている企業があります。

◆セプテーニグループのオンライン採用
 参考:セプテーニグループ オンラインリクルーティングサイト
http://www.septeniholdings.co.jp/recruitment/recruiting/online_recruiting/

ネットマーケティング事業において急成長を遂げている同社では、採用と社員の成長を科学するために「人的資産研究所」を設立し、既存社員の活躍データを元に採用を科学的に分析。将来、自社で活躍できる可能性を秘めた人財をオンラインで自動選考(内々定まで)するオンライン・リクルーティングを実施しています。同社では、2009年より蓄積した約6000名のデータを用いて「活躍予測モデル」を設計し、この活躍予測モデルをもとにその人の入社後の活躍度を予測。現在は、この活躍モデルを使って採用判断の材料にしています。

◆同社が取り組む5つの採用施策

1.オンライン・リクルーティング
2.オンライン自己分析ツール
3.AIアドバイザー
4つの性格タイプ別に、AIが事業や働き方に対する質問に回答する。
4.キャリアフィードバック
採用の如何に関わらず、学生の特性に適した詳細なキャリア形成の考え方をフィードバックする。
5.VRインターンシップ
ヴァーチャルリアリティによるインターンシップ。
独自のデバイスを用いて同社で働く疑似体験ができる。


オンライン・リクルーティングは、主に地方の学生に対して提供しており、以下の効果が上がっているようです。

◆オンライン・リクルーティングの効果
・選考時間が9割削減
・地方学生の内定承諾率が4倍に増加
・地方大学の採用実績校が20校に増加

従来の採用方法の場合、地方の学生は、就職活動のために東京に来る必要があり、費用も時間もかかりますが、オンライン・リクルーティングは、このような学生の負担を軽減する効果があります。
しかし、新卒採用活動の主要目的は、自社で活躍する可能性を見極めることですから、安易に利便性を高めることは問題があります。

同社のオンライン・リクルーティングは、「人的資産研究所」が、データ分析を元に自社で活躍する人財特性を特定し、その特性を備えた人財を発掘するためのプロセスを緻密に組み立てているからこそ、期待どおりの成果を得られているのでしょう。さらに、オンライン・リクルーティングを利用した学生は、自身のキャリア特性を分析してもらい、働き方のヒントを得ることができます。採用されないとしても、このように人の成長を支援する企業姿勢に対する共感を得られるメリットもあります。

ネットマーケティングを事業の柱とする同社の強みがあるからこその採用手法ではありますが、採用活動においても、自社の強みを活かした工夫が求められる時代に突入しているといえるのではないでしょうか。

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