2022年4月10日
「女性目線」のソリューションがサービス革新を生む
女性活躍推進施策が定着してきた一方で、女性の特性を活かした施策になっているのだろうか?という課題も見えてきたのではないでしょうか?
今回は、事例をもとに「女性目線のソリューション」を生み出す考え方をご紹介いたします。
~目次~
業界の常識を変えるソリューション
「4つの安心」による差別化戦略
女性目線を活かした付加価値の提供
1.業界の常識を変えるソリューション
8社ものTV取材を受けた話題沸騰のコインランドリーがあります。
それは、神戸市にある株式会社クレシアが運営している「ほっと倶楽部」です。
この会社がすごいところは既存のコインランドリーのサービス概念を百八十度転換したことにあります。
一般的なコインランドリーとの違いを下記の比較表にしました。
一般的なコインランドリーでは男性も女性も取り込む全顧客ターゲットです。
一方、ほっと倶楽部は女性専用であり、女性目線でサービスを作り直しています。
2.「4つの安心」による差別化戦略
この手法は異業種においても大変参考になる事例であり、注目に値するのは「4つの安心」による差別化にあります。
①エコランドリーはもとより、②女性スタッフが常駐することで安心して洗濯できること、③洗濯しない生活を届ける「洗濯代行(集配・お預かり)サービス、④1回利用の度に洗浄・消毒を実施する清潔の徹底度、まで発案したことに驚嘆します。
商店からコンビニへ発展したように、一般的なコインランドリーやクリーニング店をトータルパッケージサービスとして提供することがほっと倶楽部の経営の真骨頂と言えます。
(図1)一般的なコインランドリーと「ほっと倶楽部」比較~(HPより編集加工)http://cl-hotclub.com/
3.女性目線を活かした付加価値の提供
商品においても、サービスにおいても企業が顧客に提供するのはソリューションです。平成26年7月「経済産業省経済産業政策局」によると、家計支出のうち妻の意思決定割合は、日本では74%という調査結果です(世界では64%)。
ソリューションにおいて、女性目線で考えることは不可欠の時代です。
「女性目線で見直し」→「コンセプトの構築」→「特徴の絞り込み(差別化)」→「トータルパッケージサービスとして付加価値の提供」――この一連の流れは女性をターゲットとした企業の商品・サービス革新を生む、応用すべきフロー概念です。
この事例には書かれていませんが、エコランドリーを成功に導いたのは、組織内での協働にあると推測されます。
女性活躍推進においては、「女性目線での現状の見直し」から「ソリューションパッケージ構築」までの全工程を任せるのではなく、組織内で強みを活かした役割分担がなされることがポイントです。
つまり、いきなりチャレンジさせるのではなく、強みを活かして育てる環境が必要です。
仕事力を強化・向上するプログラムを通じて、女性社員の感性を活かす能力開発を行ってはいかがでしょう。