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コラム「創造の4段階」(2018年5月28日)

「創造の4段階」

■創造の4段階説
イギリスの政治学者グレアム・ウォーラスの1926年の著作「The Art of Thought」に次の「創造の4段階説」があります。

参照:The Art of Thought: Graham Wallas on the Four Stages of Creativity, 1926″(Brain Pickings)

第一段階は「準備」で、論理的思考または創造性が必要となる問題に奮闘している期間を指します。問題をあらゆる角度から調べ上げ、考え尽くした状態です。

第二段階は「孵化」で、意図的に問題解決を考えるのはやめ、別のことをしたり、休息や睡眠等で何もしない状況をつくります。ウォーラスはこの休息期間に知性が密かに何らかの行動を起こしていると考え、その活動が大変重要だと確信しました。彼は次のように推測しました。「知的活動の処理の一環として、既存の情報に新しい情報の関連づけが行われている。どうやら自ら意識しないところで、情報の再編のようなことが起きているらしい」。

第三段階は「啓示」で、ある日突然にひらめきが訪れ、問題解決の糸口や解決案が現れるというものです。誰もが学生時代に体験するように、どんなに机上で考え尽くしても解が見つからなかったのに、ある日ふと解がわかり、困難な計算問題や定義の理解、課題解決のアイデア、作詞作曲、詩の創作などが思い浮かぶという現象です。

第四段階は「検証」で、ひらめいた考えが本当に問題を解決できるかどうかを確かめます。

これらの段階において、重要なのが第二段階の「孵化」です。特に睡眠は、眠っている間に起きているときには考え付かないような情報同士を結び付け、突然何かがひらめくといったアハ体験を導きます。
睡眠とひらめきに関して、ドイツのリューベック大学のWagner博士らが行った実験(2004年)があります。予め教えられた規則に従って数列の計算をする、という問題を解くというものです。その規則に従えば問題をひとつ解くのに約10秒かかり、それとは別の簡単な解き方を使うと2秒くらいで解けます(参加者の誰もが、この解き方を知らない)。そして、被験者を以下の3つのグループに分けて実験を行いました。

どのグループも「問題を見た」時点でほとんどの参加者が簡単な解き方についてわからない状況でした。しかし、結果は1番目と3番目のグループが必死になって考えたのに対し、2番目のしっかり睡眠をとったグループが最も正解率が60%と高かったのです(他の2つのグループは正解率20%台)。睡眠については、最初の4時間の深い眠りの中で創造性や問題解決能力が高まるといわれています。

■学力と睡眠時間の関係
平成15年に広島県が行った学力調査の結果が以下の表です。

小学五年生で、国語、算数とも5時間、6時間と睡眠時闘が長くなるにつれて、国語・算数とも正答率がアップし「8時間以上9時間未満」で最も高くなっています。それ以上、睡眠時間が増えても成績は下がる傾向にあります。また滋賀県でも同様の調査(平成20年)があり、小学生では広島県と同じく「8時間以上9時間未満」が最も高く、中学生では「7時間以上8時間未満」が最も高い結果でした。

以上のデータから理想的な睡眠時間は8時間±1時間の範囲内であり、学力と睡眠時間には相関があるといえます。

学力は問題解決力につながります。仕事においては、問題解決力や創造性を発揮するには、睡眠時間や休憩時間をしっかり取り、孵化期を確保することが求められます。結果的に企業に活力をもたらし、製品やサービスの開発、改良・改善に大きく寄与します。そのためにも仕事に行き詰まったら、「一旦止める」「休息を取る」「別の仕事に切り替える」などをして、孵化期を設けてはいかかでしょうか。