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どんな社員も成長させる<若手社員の育成法>(コラム2017/06/05)

どんな社員も成長させる<若手社員の育成法>

最近、新入社員ではなく、OJTリーダーや先輩社員が5月病になるケースがあるようです。指示や教えたことを理解できない新入社員へのイライラを募らせてしまうためです。
そして、その結果、育成を諦めて放任する、感情に任せて叱責し、新入社員を離職させてしまうこともあります。

仕事を理解するスピードが多少遅くても、指示の理解度が低くても、素直、まじめ、一生懸命に学び、自身の行動を改善する姿勢があれば成長します。
しかし、自分なりの判断基準や持論にこだわり、指示やアドバイスを素直に受け止めないと、学びの機会と量が減り、成長スピードが遅くなってしまいます。

スタンフォード大学・心理学教授のCarol Dweck(キャロル・ドゥエック)博士は、このような状態を<Fixed mindset>(固定された思考態度)と呼びます。
博士の研究によれば、<Fixed mindset>を持つ人は、「人の能力や創造性は天性のものであり努力しても変わらない」と考えます。そのため、失敗を恐れ、挑戦を避けます。
一方、<Growth mindset>(成長する思考態度)を持つ人は、努力すれば成長することを信じているため、「学びたい」という意欲から、すべての行動が始まります。
そのため、挑戦を喜んで受け止め、逆境にあっても粘り強く耐えます。
そして、博士は、<Fixed mindset>を<Growth mindset>に転換できることを証明しています。

人財育成に当たる人は、自身が<Growth mindset>の持ち主であることが求められます。その上で、<Fixed mindset>の若手社員を育成する際には、相手の成長を信じ、粘り強く係わり、育成方法を工夫していただきたいものです。

<Fixed mindset>の若手を育成する際の留意点は、以下のとおりです。

・わかりやすい指示・説明と確認
・スモールステップで成功体験を積ませる
・適切なフィードバック
・ポジティブ表現を使う
・努力により大きく能力が伸びた体験談(事例)を話す

 

◆わかりやすい指示・説明と確認
忙しい現場では、指示や説明が丁寧とは言えません。
理解力の高い若手社員であればそれでも問題ありませんが、<Fixed mindset>を持つ社員は、自分なりの解釈をする傾向がありますので注意が必要です。
段階を踏んで話し、メモを見ながら復唱させ、意図どおりに伝わっているかどうかを確認してください。

◆スモールステップで成功体験を積ませる
  業務全体を説明して一気にやらせるのではなく、まず、確実にできそうな一部をやらせます。そして、指示した業務が完了した後に次のステップの指示を出します。
ダメ出しばかりではなく、「丁寧にやってくれて助かった」「早かったね」などのフィードバックと同時に改善点を指摘しましょう。

 

 

 

 

◆適切なフィードバック
フィードバックとは、ある行動に対する評価を伝えることです。
良かった点と改善点、次の段階に進むための留意点をセットにして伝えましょう。
一方的なフィードバックではなく、最初に本人に振り返りをさせ、その後に、こちらのフィードバックを伝えます。
そして、フィードバックは、行動の直後に行うと効果が高まります。

◆ポジティブ表現を使う
若手社員、特に新入社員に対しては、どうしても、できていないことを指摘する場面が多くなります。課題を向き合うのは大切なことではありますが、<Fixed mindset>を持つ社員は、課題の指摘を自分自信にNGが出されたと受け止め、学んで成長することを諦めてしまいます。また、脳は、否定形を理解しづらいと言われています。
課題を伝える時は、「●●を変えたらもっと良くなるよ」「●●はできているから、次は○○○に挑戦しよう」などとポジティブ表現で話します。
また、注意を促したい時も、「期限に遅れないよう提出すること!」というより、「○月○日の何時までに必ず提出」という表現のほうが理解されます。

◆努力により大きく能力が伸びた体験談(事例)を話す
<Fixed mindset>を持つ社員は、成功事例を聞くと「あの人は、元々能力が高いから私とは違う」と捉える傾向があります。
成功事例から学ぶことは大切ですが、うまくいったことだけでなく、「こんな苦労があった」
「以前は、○○さんもダメ出しをされることが多かった」など、課題を克服して成長した事例を話すほうが学びにつながります。


社員の成長スピードやマインドセットには多様性があります。
優秀だから伸びるのではなく、貪欲に学ぶ姿勢があるから伸びるし、その姿勢を作るのが育成を担う者の使命、と考えたいものです。