2022年7月22日

適応課題を解決する上で大切なこと

ハーバード・ケネディスクール教授、
ロナルド・ハイフェツ氏の「リーダーシップの真骨頂」
備忘録パート2です!
適応課題の特徴の一つは「即興的なものである」ことだ。
課題解決の道筋には、複雑な調整を行うプロセスが不可欠。
技術的課題は、念入りな計画を立て計画通り遂行することで
解決できるが、適応課題にはそれは当てはまらない。

『日々、今どこにいるのかを自問自答し、
修正や調整を行う必要がある』。

このことは、アイゼンハワー大統領のノルマンディー上陸作戦を振返っても
よくわかるのではないか。

大統領曰く「計画なしにノルマンディー作戦は遂行できなかったが、
上陸の瞬間、その計画を破棄せざるを得なかった」と。

将来起こる不足の事態を予測するためにも計画は重要だが、
計画そのものには価値はない。
つまり適応していくためには、日々、計画を
調整する必要があるということですね。

講演後半に教授が力説された「思いやり」ということも、
とても大事なメッセージでした。
適応課題を解決していく上では、様々な調整が必要だが、
良いことばかりではなく、喪失を伴うこともあるため、
100%お互いがwin-winという結果を導くことは難しい。
だからこそ、リーダーシップには「変化の痛みに対して、敬意を払うことが大事」。
喪失を伴う変化は痛みを伴う。
適応的変化を指揮するリーダーは、その喪失に対して思いやりを示す必要がある。
人は、失うものが多いからこそ、大きな抵抗を示すのだ。

喪失には以下の3つがある。

①物的喪失・・仕事や富、地位を失うこと。これは非常に受け入れがたい
②能力の喪失・・能力の境界線を突破するのはとても困難なこと。
誰もが自分の得意や分野に留まる方が居心地が良いが、
変化に対応できるようメンバーをラーニングゾーンに引き入れるのだが、
そこでは「わからない」と言える環境を作ることが重要

③忠誠心の喪失・・仲間、コミュニティ、家族、地域社会への忠誠心を
捨てざるを得ないことはつらいことだ。

最後に。
リーダーシップは危険な実践だ。
変化を求めるのだから。喪失もつきもの。
だからこそ、思いやりが必要。
これがあるからこそ、実践し続けていけるのだ。

私がこれまで仕事をしてきた政界・ビジネス界の成功者は、
人の話に耳を傾けることに多くの時間を割いてきた。
その上で戦略を練っていた。
課題の本質をどう捉えて、その課題のシナリオをどう描くのか。
人々の信頼をつなぎとめ、適応課題に対処していくことが大事だ。

リーダーシップとマネジメントは違う。
マネジメントとは主に技術的な課題に取り組む際、
権威ある立場から業務を遂行するプロセス。
リーダーシップは、人を関与させ、適応的な問題解決を
促すプロセス。

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