2021年12月6日
実力も運のうち
東京は寒い!真冬到来という感じ。
思わずダウンコートを買いに走りました。
さて、「実力も運のうち(マイケル・サンデル氏)」読了。
サンデル氏曰く、”偏差値の高い大学に入学した学生たちは、
自分たちが努力したから難関を突破できたと思い込んでいるが、
そもそも出発点から、他の人とは違っていたのだ。
自分が生まれた家庭や環境が、たまたま良かったから実力を
発揮できたのだということを自覚すべきだ”。
3年前の東大入学式での上野千鶴子氏の祝辞を思い出しました。
一部引用します。
「あなたたちはがんばれば報われる、と思ってここまで来たはずです。
ですが、冒頭で不正入試に触れたとおり、がんばってもそれが公正に
報われない社会があなたたちを待っています。
そしてがんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、
あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったことを忘れないように
してください。あなたたちが今日「がんばったら報われる」と思えるのは、
これまであなたたちの周囲の環境が、あなたたちを励まし、
背を押し、手を持ってひきあげ、やりとげたことを評価して
ほめてくれたからこそです。
世の中には、がんばっても報われないひと、
がんばろうにもがんばれないひと、がんばりすぎて心と体をこわしたひと
たちがいます。がんばる前から、「しょせんおまえなんか」
「どうせわたしなんて」と、がんばる意欲をくじかれるひとたちもいます。
あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに
使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、
恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、
そういうひとびとを助けるために使ってください。
そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。