2018年7月23日
心を整える
「念を継ぐな」という教えが禅の中にあります。
一つのことばかり考えていると、どんどん、
まだありもしない方向に考えが膨らんでしまうということ。
「あの人とは気が合わない」。
「きっと私のことをよく思っていないに違いない」。
「陰で私のことを悪く言っているに違いない」。
などというように、あれこれ起こってもいないことを考え出すと、
どんどん不快な気持ちになり、イライラは募るわ、
疑心暗鬼になるわ、自信は持てなくなるわ、で
いいことは一つもありません。
ふっと思い始めた瞬間に、そこで考えることをやめて、
次の思いにつなげない。
これが「念を継ぐな」ということだと。
答えがないようなことを延々と考えすぎると、
お悩みのつぼにはまったり、迷いが生まれてしまいます。
座禅を組んでいるときに、喝!と入れられますが、
禅僧も同じようにドキリとはするようです。
しかし、一瞬ドキリとしても、心を鎮めるまでの時間が
禅僧は短く、一般の人は長くかかるそうです。
速やかに心を整えること、その秘訣は念を継がない、
ということにもありそうですね。