2025年6月2日
未完のバトン
今週は行脚の日々。
今日の東京はずいぶんと涼しいです!
さて、先日のNHKスペシャル未完のバトンは、
「男女雇用機会均等法」の生みの親、旧労働省の婦人少年局長、
赤松良子氏からバトンをつなぐ姿が描かれており、胸に迫りました。
昭和の頃、職場では男女差別が当たり前のように存在していましたが、
赤松氏は法制度による改革を目指して本格的に動き始めました。
1985年男女雇用機会均等法が成立され、86年から施行。
雇用の場における性別による差別を禁じた画期的な法律で、
採用や昇進、配置転換において男女を平等に扱うことを努力義務とすること。
退職や定年などの扱いにおいて、男女差別を明確に禁止すること。
努力義務にとどまった点など、理想とはほど遠いこともあったものの、
女性の就業においては選択肢が広がり、
結婚や出産を理由に辞めざるを得ないという風土が、
少しずつ変わり、今に繋がっていることは間違いありません。
2000年、妊娠28週頃に大きくなったお腹で仕事に行くと、
「そんなお腹になってもまだ働いているんですか。トドみたいですなあ」と
言われ愕然としたことや、保育園に子供を預けて仕事をしていると、
「なんで仕事やめないんですか。子供さんがかわいそうですやん」と
言われたことも、一度や二度ではありません。
今なら問題発言でしょうが、あの頃は当たり前の風潮でした。
この数十年で、女性が働く環境は確実に変わってきました。
とはいえ、まだまだ存在するアンコンシャス・バイアスや、
制度はあっても風土が追い付いていないことはあります。
赤松氏は昨年亡くなられたけれども、バトンは次の世代へと
確実に手渡された。
葛藤しながらも前へと進む人たちの姿に、自分や組織を
重ね合わせて観たのでした。