2024年7月29日

必読!企業経営のジレンマ

いやあ、読み応えのある本でした。
企業変革のジレンマ(宇田川元一氏著)
といっても、まださらりとしか読んでいないので、
何度も読み返したい。

急性期ではない、企業の「慢性疾患」の変革論。
これまで話題になった企業変革の本は、経営危機に陥った会社や組織が
取り上げられる。これは人間に置き換えると「急性疾患」、つまり手術をしなければ
死を意味する状況での必死の変革。
ある意味一丸となれる状況でもあります。

しかし、今、変革が必要な企業の大半は、そこまで業績は悪化していない。
すぐに事業継続が困難になるわけではない。
しかし緩やかに衰退する慢性疾患の状態です。

エンゲージメントスコアを上げることが本質的な解決でないことは分かっている。DXは業務効率化で終わってしまっている。新規事業開発は若手社員のガス抜きになっている。

「これではダメだ」「何かが問題なのだ」ということはわかっても、
「何が問題なのか」は分からない。

まさに!!!!

「新規事業が生まれない」「利益率が下がっている」「エンゲージメントが低い」など、慢性的に繰り返される問題の背後に、何があるのかを紐解いていく。
表層の問題に気を取られて、目先の解決策を講じるのではなく、
より複雑で重要な問題に取り組もうとすること。

1つの鍵になるのは「対話」だと、氏は言います。
時間はかかる。
しかし、そもそも、10年、20年と変革を続けること自体が経営であり、
変革を継続するには、「この取り組みの先に何が待っているのか」という
「信じられる物語」が必要だと。

各所でも高い評価を得ているこの本は、組織に対してもやもやを抱えている
すべての人に、必読の書だと思いました!

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