事務改善力向上支援
事務改善力向上支援
三井住友ファイナンス&リース株式会社
本社所在地 | 東京都千代田区 |
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設立 | 1963年2月(リース事業開始:1968年5月) |
ご担当者 | 人事部副部長兼人材開発室長 高野 智正氏 事務企画部 部長代理 佐伯 祥子氏 事務企画部 増尾 直子氏 |
事務改善力向上支援
2013年から継続的に研修を担当させていただいている三井住友ファイナンス&リース株式会社様の皆様に、研修導入のきっかけと経緯、そして今後の展望についてお伺いしました。
背景
事務企画部では、人事部と協働して、女性社員の活躍の機会を拡大しつつ、業務生産性を向上させるため、業務職(*)に初の外部研修を検討された。
また、新人事制度導入により一般職が業務職に変更され、それに伴い、一般職の補佐的な役割から、自律的に業務を遂行する役割に変わった。そうした状況の中、職場の事務改善活動という実践を通じて成功体験を得ることも、研修導入の目的だった。
インターネットでどのような研修があるのかなどの情報収集をされていたところ、弊社HPにたどり着かれ、弊社代表・藤井の拙著をお読みいただく中で、「改善活動を通した“ヒトの意識変革”と“コト=生産性向上”」という考え方にご賛同をいただく。
藤井の考え方とそれまでの実績からご判断いただき、他研修会社ではなく導入を決定された。
2013年に行われた第一回の研修から数えて3年間、東京・大阪にて毎年研修を継続され、これまでに累計150名の方が受講された。
「女性活躍推進」をミッションに掲げた同社は、業務職の仕事における「正確性・効率性・ローコスト」の更なる向上を目指し、研修を通じて職場環境の改善に取り組み続けている。1回きりの研修で終らず、フォローアップ研修までの半年間、参加者は様々なアイディアを基に、各職場で数多くの改善成果を残している。
- 業務職・・・2014年に導入された新人事制度により、「一般職」を「業務職」と改めた。
「モノ・ヒト両面の改善」に取り組んだ特徴的な3つの取組み
成果① 「事務集中タイム」による残業減と仕事の見える化
業務職は総合職の人とは違い、自分の仕事のほかに、ひっきりなしに鳴る電話対応をこなさなければならない。目の前の仕事に集中しようとしても、定期的に電話対応で手を止められるのは仕方のないことではあるが、やはり効率が悪いということで、1週間に2回、各1時間「事務集中タイム」を設けようというアイディアが現場からでた。この時間帯にかかってきた電話を総合職の方に協力してもらうことで、業務職は自分の仕事に集中する時間を確保できる。
アイディアを形にできたという事実にとどまらず、上司の理解、総合職従業員の協力を得るという段階を踏み、「周りを巻き込んだ」改善ができたということが、成功体験として当事者たちの自信につながったことも大きな成果と言える。
また、周りに自分の仕事を手伝ってもらうため、必然的に各業務がマニュアル化された他、業務を見直す過程で無駄が省かれ、業務効率化・残業削減にも貢献した。
このように、仕事の効率が上がったこと以外にも属人的な仕事が標準化され、結果的に会社が求める「仕事の見える化」が実現された。
成果② 社員が自発的に発案した「美化DAY」がスタンダード化に
毎月1回、給料日に行われる「美化DAY」。これは2015年9月の本社移転を目前に、「ペーパーレス化・キャビネ減」を目標に掲げていた頃に現場から出たアイディアで始まった取り組みである。美化DAYには全員で手元にある書類の廃棄・ファイリング、備品の整理などを行うのだが、一人ひとりが少しずつ実行に移すこと、そしてそれを毎月継続することでオフィス環境が大きく改善された。
現場からの発案で行われるようになった施策が今や他のフロアでも取り組まれる社内スタンダードになりつつあり、発案・実行を推進した社員の自信にもつながっている。
成果③ 全社で取り組めば大きな成果になることが証明された「電話メモ」のメール化
業務職に任せられた仕事の一つに「電話対応」がある。電話を取り次ぐ際、かつては「紙の電話メモ」を使用していたのだが、社内で使用しているメール機能に「電話メモ」というシステムがあるから、これを導入してペーパーレス化・事務効率化を図ろうという発案があった。最初は数名が取り組み始めたものであったが、これを100名規模の部署が一斉導入しようという決断をしたことをきっかけに、今や電話メモの電子化はすっかり同社の文化として定着しつつある。
「電話メモの電子化」とだけ聞くと、小さな取り組みに聞こえるかもしれないが、
- 紙に書く時間の短縮
- デスクまで届ける時間の短縮
- 作業時間短縮による集中力の向上
- 紙のメモが紛失されるリスク削減
などの利点は決して小さいものではない。しかも同社の社員数を考えれば、まさに「塵も積もれば山となる」であり、組織規模が大きいほど無視できない時間数となりえる。
研修の機会を通じて現場の従業員が発案・実行に移せたということは、研修を企画した立場としても大変うれしいことである。
具体的な研修内容
研修内容は毎年「改善点」を絞って行われている。従業員が全国2,000人近い規模を誇る企業であるため、会社が決めたことを全社に適用するということは難しい。「改善案」はトップダウンではなく現場グループごとに話し合って決定され、主体性をもって日々の取り組みを進めている
過去3年間の事務改善研修取り組み事項
研修実施概要と各回研修のねらい
BPSに対する評価
当社成長に欠かせない大切なパートナー。今後もヒト・モノ改善にご協力頂きたい
人事部副部長兼人材開発室長 高野氏
業務職の女性が仕事を進める上で、社内の先輩・上司から教わることはあっても、社外からの情報を得る機会はほとんどありませんでした。
事務改善についても、当然自分たちでもその必要性は理解していましたが、藤井社長がわかりやすく指導してくださり、当社の職場改善に追い風を吹かせてくれています。
藤井社長は自身が女性のロールモデルとなるべく日々努力しておられ、当社の社員に「目指すべき姿」を示してくださいます。
当社の成長、特に事務の品質向上には欠かせないパートナーとして感謝をしており、これからも末永くお付き合いいただきたいと考えています。
研修内容はさることながら、何より従業員・会社のことを理解しようとしてくださる姿勢に信頼感が持てる
事務企画部 部長代理 佐伯氏
私は2013年の研修導入当初から企画・運営担当として、藤井社長とお話しする機会をいただいていました。
藤井社長とは研修企画段階から数回に亘り打合せさせて頂き、こちらのやりたい内容をお話すると更に上をいく提案をいつもしてくださいます。また研修当日、改善活動中の研修参加者の様子もよく確認してくださり、私たち従業員のこと・会社の状況をよく理解しようと努めて下さるのです。研修中も同様に、グループワークをしている私たちの会話をよく聴いておられ、そのお気持ちや真摯さが端々に感じられます。
例えば人事制度が変わったときなどは、「この度、御社の人事制度が変更になり、みなさんの仕事でも負担が生じているかもしれませんが……」というように、さりげなく私たちの置かれている状況や気持ちを理解した言葉を投げかけて下さいます。「私たちのことをわかってくれている」という感覚は、先生と受講生の「心の距離」を縮め、信頼関係につながるのですが、「講師と受講生の信頼関係」は、研修内容の理解促進、実務での実行につながる重要な要素です。
藤井社長には3年間継続的に当社の課題や成長を見ていただいており、会社のこと・従業員のことを理解し、一丸となって改善に取り組んでくださる私たちの強い味方です。
“受けたら終わり”の研修ではなく、フォローアップが充実した研修内容が素晴らしい
事務企画部 増尾氏
私は2013年度に藤井社長の研修を受講し、今年度からは研修企画に参加させていただいています。
「研修を受けた時はやる気が増したのに、時間がたつと忘れていく」ということはよくあることではないでしょうか。しかし藤井社長は当社の課題に焦点をあわせて研修をしてくださいますので、豊富な他社事例・エピソードの紹介から多くの学びや気づきを得て、改善活動のモチベーションとなりました。学んで終わりにさせず、きちんと実行まで喚起できるその手法はさすがです。
また、藤井社長から教わる具体的な改善手法や時間の使い方は、斬新かつロジカルで印象に残るキーワードに満ちています。それらは、受講生の納得性が高くスキルアップに即活用できるものばかりで、今年度の改善活動においても多くの成果を導くことができました。
今後の展望
研修実施が全社的に受け入れられ、現場からの提案が具体的な改善として成果がでている。
今後は研修という外部刺激がなくとも、「改善」が社内文化として定着し、一人ひとりの社員に根付いていくことを目指したい。