2021年4月13日
ワークマン式「しない経営」
ワークマン式「しない経営」読了。
ブルーオーシャンである作業服販売という小さな市場を深化し、Excelデータをもとに、自社の強みを考えブルーオーシャン市場を開拓。
今までの常識を変え、「しない経営」に徹した9年間のことを、
専務の土屋氏が語っています。
就任後しばらくはワークマンを観察することに徹し、結果思ったことは、「ワークマンはしない会社」だということ。マイケル・E・ポーター曰く「戦略とは捨てること」の言葉のとおり、法人相手の作業服受注のように競争の激しい大きな市場を捨て、個人向けの店売りに特化し、この小さな市場でシェアを取る。
さらに、粗利益率の高い製品は扱わない!作業服は消耗品である以上、低価格であることが必須。一番儲かる製品をちらしに載せない、値引きはお客様への裏切り行為だからしない。しないことを積み重ねた圧倒的な強みこそがワークマン躍進の原動力なのですね。
一方、異常な売れ方をしている異常値を検知し、Excelデータに反映・深掘りすることで、自社の強みが見えてくる。 このことがきっかけで、作業服の専門店からアウトドアやスポーツカジュアルに通じた「高機能ウェア」メーカーへと変貌を遂げた。
さらに興味深かったのは、トップダウンではなく、サーバント型のリーダーシップで一人ひとりの強みを引き出し、活躍できる組織風土を作ったこと。
ポイントは、「興味・ワクワク感」を持ちながら仕事ができるよう、社員との面談は、「やりたいこと」をヒヤリングし、できるだけそれに沿うように方向づけをしたこと。そうすることで、会社の夢ではなく、自分の夢、自分の興味あることができることがやる気につながる。
人は夢で動く。一つのことを苦しいと感じずに続け、やり抜くためには、夢、希望、興味が必要。しかし、特別に強い興味を持つ社員は少数であることから、「社員の年収100万アップ」を約束した。この報酬目標がきっかけとなり、マネージャー以上でやめた人は、家庭の事情でやむなく、の一人を除いてはゼロ。
とにかくすごい!リーダー必読の1冊です!