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BPS代表 藤井 美保代

2019年9月24日

一瞬よりはいくらか長く続く間

3連休のなか日は、祖母の三回忌法要でした。
2年前、98歳で天寿を全うした祖母。
そのご縁に導かれ、親族が集まり語らう、
貴重な1日となりました。

祖母は生前、「おばあちゃんはなあ、ほんまに幸せやった。
もう何も言うことはないわ」とニコニコして話していたことが
思い出されます。

さて、昨日はPEP8回目の講座でした。
題材に使われたのは、100分DE名著で現在放映中の
「燃えあがる緑の木(大江健三郎著)」。

この中でとても印象的だったのが、
「一瞬よりはいくらか長く続く間」という言葉。

物語の中では、14歳で小児がんにおかされた「カジ」という少年が、
「ただ僕が恐いのは、自分が死んだ後でも、この世界で時間が続いていくことです。
しかも自分はおらんのやと思うと、本当に死ぬことが嫌です」と話します。

主人公のギー兄さんは、
「人生に喜びや意味を与えるのは、決してその長さではない。
大切なのは、魂が、喜びとも感動とも呼べるような、
何か強く深く濃密なものに満たされる感覚に打たれるような時間。
それが、どれほどわずかな持続であれ、少なくとも”一瞬よりはいくらかは長く続く”。
これを経験できるかどうかなのだ」と。

人が、人生の中でいくつか経験するにちがいない、
「一瞬よりはいくらか長く続く間」の光景こそが、
その人が本当に生きたしるしとして、人生に刻まれる。

ある光景がよみがえって来て、泣けました。
何を得たとか、何を成し遂げたとか、ではない。

燃えあがる緑の木。
10月の連休には、是非読んでみます!

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