先日、経済同友会の会合でお聞きした、
金工作家でもあり前文化庁長官、宮田氏のお話。
面白すぎてあっという間の時間でした。
「ちょっと工夫することで、結果はまったく違ったものになる」。
ま、いっか、は禁物だと痛感した次第です。
印象に残ったのは、『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」8資産一括で、
世界文化遺産への登録が認められた時のお話!
6年前に訪れただけに、興味もひとしお。
当時、諮問機関イコモスの勧告では、沖ノ島周辺の4資産だけの登録だったの
が、「8つで一つの海洋信仰であり文化だ」と論ずる日本側の一括登録主張に
理解を示し、承認。この背景には、日本側関係者らのロビー活動が功を奏した
とのことです。
この際、宮田氏は明日に出発を控え、コンビニに行ってA3用紙をゲット。
(コピー機でスタートボタンだけを押し、手に入れたというのが面白い!)
ここに8資産を絵にかき、これを審査会場のロビーで見せながら、
「これで一体だ」ということを、訴えたのだそうです。
この絵の写真を見せていただきましたが、なんとも素晴らしい。
最後まであきらめず、自分にできることで力を尽くす。
そして、このようなちょっとした工夫が審査員の心を掴み、大きな結果に
つながるのだと感動しました。
「鼻歌まじりで命がけ」
という最後の言葉も印象的でした。
力を入れず、しかし命がけでコトにあたる。
講演のあとの質問で、「文化財は観てもらってこそ価値があるが、
コロナ禍においてそれが叶わない中、どのようなことが必要だと思われるか?」
という質問に、「動けないからこそ、身近なものを改めて見直してみることが
大事。今この時期だからこそ、文化財の修復に力を入れたい」とおっしゃって
いました。身近なところにこそ、磨きをかけることで、お宝になるものが、
あるはず!