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コラム「AI時代の能力開発」(2018年6月4日)

「AI時代の能力開発」

「20年後、あなたが望もうが望むまいが現在の仕事のほとんどが機械に代行される」
(2014年、Google・CEO ラリー・ペイジ)

英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授は、人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる、と予測しています。
すでに私たちの生活の中でもAIが活用され始め、メルカリは、出品商品の分類をディープラーニング(タスクをコンピュータが学習する機械学習)を組み込んだAIが行うことにより省力化を実現しています。

このような時代にあって、私たち人間は、どのような能力開発を行うことにより存在価値を高めることができるのでしょう?
以下は、AIに代替されやすい仕事、されにくい仕事のマトリクスです。

出典:藤野 貴教氏(「2020年 人口知能時代 僕たちの幸せな働き方」著者)によるコラム

この中で、「構造的」というのは、定型的でマニュアル化しやすい業務のことです。
つまり、定型的かつ論理的、分析的、統計的な業務というのは、AIに代替されやすいということです。

では、AIの弱みは何でしょう?
AIは、タスクについての問いを持たず、データを全部学習してパターンを探り出すことが得意です。
「なぜ、このデータ学習をしなければいけないのか」という問いを発し、意味づけをすることはありません。
私たち人間にとっては有意味感(行動の意味や価値を認識すること)がやりがいにつながりますが、AIには、そのような感情や意識がありません。この感覚は、とても人間らしい重要なものです。

しかし、現場ではどうでしょう?
「そもそも、このプロセスって、なぜ必要なんでしょう?」という疑問を問いかける社員がいた場合、その問いにきちんと向き合う風土があるでしょうか。
このような問いに取り組むことが、実は、働き方を変えて生産性を上げるヒントやイノベーションのきっかけになるのではないでしょうか。

これからの社会人にとっての能力開発は、上記の原則を踏まえ、次のポイントが必要だと思います。

1.「仮説思考」「人間理解」「創造」「協働」「価値創出」をテーマに特定分野の達人になる!
=組織が求めるコンピテンシープラスアルファの強みを伸ばす
どの分野の達人になりたいのか、どの分野で秀でたいのかを決め、訓練計画を立てる

※達人(プロフェッショナル)とは?
・特定分野において、素人を圧倒する知識・知見を有している
・圧倒的な知識、知見を持っているために、他の人なら見過ごしてしまう情報のつながりを感じ取り、地図(塊)として認識することができる(重要性を発見、認識、記憶できる)
(例) 脳外科医は、脳のMRI画像を見て異常を見つけることができる
優秀な経営者は、社員と対話するだけで経営課題を発見することができる

2.達人になるための目標を設定する 
①基礎スキルを鍛える目標(知識、技能)
②固有のスキルを身につける目標(強みを活かす)

3.鍛錬の方法を考える(知見獲得には時間がかかることを理解して取り組む)
①モデル(理想形)から学ぶ
・達人(尊敬する上司、先輩、同僚)の研究=どこが「すごい」のかを分析し、真似る
・鍛錬の方法を試行錯誤して効果的な練習方法を身につける
②ケーススタディ
・ある出来事について「仮説を立て」「自分ならどうするか」を考えシミュレーションを行う
・自社あるいは同業界の出来事をケースにして対処の仮説を立てる

捉え方を変えれば、AI時代には、AIに仕事を奪われるのではなく、AIを活用することにより、これまで以上に人間の強みを活かす仕事が可能になります。
変化はチャンス!と捉え、1人ひとりの能力開発の考え方も変えていきたいものです。