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コラム「考える教育研修へ」(2018年3月31日)

考える教育研修へ

株式会社ディスコによる「社員研修に関するアンケート調査」(2013年)によると、研修の効果測定は研修の効果測定は 6 割強の企業で実施されていますが、「殆どの研修プログラムに対して実施している」という企業は 16.5%にとどまっています。効果測定の方法を見ると、「受講直後のアンケート調査等による受講者の満足度評価」を行っている企業は 6 割を超えていますが、「学習到達度評価」や「行動変容の評価」といった本来の意味での効果測定を実施している企業は 2 割にとどまり、「業績向上度合の評価」まで行っているのは 14.8%です。研修時の目標設定に関しては、約 75%の企業で実施されています。


なかでも新入社員教育は最もニーズの高い教育研修であり、力を入れています。
教育投資することで、社員の能力がアップし企業業績向上に寄与します。研修プログラムを効果的にすすめるためにも、研修の効果測定を行い、パフォーマンスにつながる行動が身につくようにすることが求められます。

ビジネスにもスポーツにも共通点はあります。高校野球に視点を向けてみると、「目的のある練習」「データと関連した練習」など、ビジネスにも汎用できるものが数多くあることに気づきます。興味深いことは監督や部長などのリーダーシップと指導方法によって全く別のチームに生まれ変わり、甲子園に初出場するまでに至ることです。
地元の京都から今回選抜高校野球大会に初出場した府立乙訓高校野球部の練習のエッセンスからヒントを得て効果的な研修を模索します。

乙訓高校の練習のエッセンスを要約すると、以下の5点になります。
〜参照:「球史発祥 乙訓の挑戦(下)」(朝日新聞デジタル 2018年3月12日)
① 放課後練習は、私立の強豪校より短く、授業時間に応じて2時間半か3時間半限りである。短い練習の「穴」を埋めるのは、実戦を想定した「考える野球」である。
② フリー打撃における「考える野球」は球種や球筋の違う6レーンに分かれ、投手やマシンの球を打つ。壁際にタイマーを置き、1分40秒ごとにレーンを移り密度の高い練習を行う。
③ 素振りにおいてはストライクゾーンを九つに分け、直球と変化球がくる場合を想定して振る。通常の素振りは得意なコースにきた球に当てるつもりで振る。しかし、9コースを想定したことで、苦手な外角の変化球も自信をもって振れるようになる。
④ 体育系の学科やコースがある府立6高校による合同研究発表会があり、今年1月に最優秀に選ばれている。発表内容は、腕の振りが速いほど球速が増すこと。ただ、それだけでは球速が上がらないこともあり、球を放す瞬間に指先に力を入れ、腕を振る力を無駄なく球に伝えることが必要と結論づけた。富山投手はこの研究を始めてから、球に力が伝わっているかを1球ずつ意識するようになった。その結果、「狙ったコースに投げられるようになり、球速も数キロ上がった」と感じている。
⑤ 野球部の染田(そめだ)賢作部長(35)は「練習量では強豪校に勝てなくても、考えることで質の高い練習ができる。論理的な研究をすることで、どう練習すればうまくなるかを考えるようになる」と話す。

①②③は目的を明確にし、実戦に基づくデータを活用したユニット単位の短い練習を設定していること、④⑤は選手が自ら論理的研究を行い、上達するアプローチを見出していることです。

以上の乙訓高校野球部の「考える野球」を「考える教育研修」へと結びつけると、以下のようなアイデアが浮かびます。

・ 仕事の目的とやるべき理由を明確にする
・ 新入社員に自発性をもたせる
・ off-JTでも実務を必ず想定させる
・ 集中力は短いことからユニット単位の短い研修時間を設定する
・ 業務のデータ分析とグループ研究から最適化を図る
・ グループ研究発表会と評価制度をリンクさせる
・ 従来の研修時間を短くして、同じ研修効果を得られるようにするにはどうしたらいいかアイデアを募る

このように「考える教育研修」は社員の能力を引き出す大きな可能性を秘めています。今後数回に亘って「考える教育研修」を試みていきます。